※この話は面白いです。が、最後まで読まないと面白くならないから、ちゃんと最後まで読んで下さい。
・書くに至った理由
あまりにも「できすぎた話」が誕生したから書く。
登場人物が少しばかり登場するが、基本的にここで起こってることは一人相撲だから、登場人物はすべて「きっかけ」に過ぎない。
また、登場人物はそれぞれに面識がない。
ただ、話が偶然にも繋がっていった結果、僕は面白いほどいい方向に誘導され、逃げられなくなてしまった…。
- 2年来の友達に女友達ができたせいで、恋愛絡みの説教をされるようになった
- 人生で10年ぶり2回目の一目惚れに遭遇して、偶然の連なりを運命だと思い込み始める俺
- 2週間ある。筋トレしよう!筋トレして、少しでも痩せておかなきゃ!
- 「書き物の神様」にモテモテすぎて、「ロマンスの神様」が俺に寄り付かねーんだけど!!!
要点だけ把握したい人は「2週間ある」のところから読み始めてもいいかも。
2年来の友達に女友達ができたせいで、恋愛絡みの説教をされるようになった
細かいことは言えないが、友人の友達以上恋人未満の女性(しかも、女子大生)ができた。
その友人は、女性に手を焼き始めると友達のことが一切見えなくなるタイプの相手で、僕は友人の女友達にかける手間暇の分だけ、やつあたり?流れ弾?とばっちり?とにかく、意味もなく説教されたりした。
その時の壮絶なやり取りからメンタルを病んで、はじめて縁を切ろうか悩んだ。
そればかりか、その友人は先週俺を呼びつけておきながら
「後輩が副業の話を聞きたいそうだから、その後輩に代わって交通費と食事代でだいたい3000円ぐらいを出すから来てほしい。」
という仕事として請けたのに、支払いがなかった(持ち金がないからツケておくことで決着が付いた)ので…僕の中では友情関係に大きな亀裂が走ってる最中だ。
金の問題のことはトリガーに過ぎず、その先にある尊厳の問題として
「俺はこいつに人間扱いされてないんじゃないか?」
という気持ちになり始めてるから、今あんまり話したくない。
…それでも、その友人と縁を切らないのは、そいつが俺が直に話せる友人の中では一番地頭がよく、彼と話したことで役立ったこともいくつかあるからだ。
さっき、
「彼から流れ弾を食らった」
と言ったが、これもただのウサ晴らしではない。
「俺が病むようなテーマについて詰られて精神的に追い込まれ、結果として僕の悩みを彼がどう考えていいか、荒療治的に導いてくれた。」
というありがたいような迷惑なようなイベントだったから、恨むに恨みきれないところがある。
いつもなら病むほどは追い詰めない彼が、こっちが病んでいようがお構いなしに、僕の嫌がるテーマや悩みについて問い詰めるというか、精神をぶっ壊す(ぶっ壊れるほど考えさせて解決する)ように頑張ってくれた。
…その時の悩みと葛藤については「アイデンティティ・クライシスシリーズ」という僕が彼との議論のフィードバックとして書いたので、ここでは割愛する。
とにかく、友人がほとんど勉強せず偏差値70・僕が人並みに勉強して偏差値55。
実力差がありすぎるため、彼が手加減しなかったら、僕のメンタルぐらい簡単に潰せる。
そして、手加減するだけの優しさを全部女の子に使ってしまったせいで、僕と彼との会話はほとんどサンドバック的に、偏差値と頭の回転で大差のある相手に「哲学や論理と、恋愛絡みの抽象的な思考」で2週間ほど殴られ続けた。
そのことから立ち直り始め、自分の恋愛観や女性観を自分よりも高い偏差値の人間の手を借りて再構築している時のことだった。
僕に「ブログを教わりたい」という別の依頼が舞い込んできた。
人生で10年ぶり2回目の一目惚れに遭遇して、偶然の連なりを運命だと思い込み始める俺
で、こっちも依頼主は女子大生。
しかも、僕の地元に近いところからわざわざ来る…というすごい奇跡的な縁。
さらに、よくよく話を聞けば聞くほど趣味が合う。
それどころか、自分が気になっていることを色々先回りして知っている。
極めつけは、顔を知る機会があって、顔を見たら、ちょうど体型が好みでかつ、ある特定のメイクしたら驚くほどキレイに(しかも俺の趣味に合う方に)も化ける。
「噂をすれば、影が差す」
なんて言葉があるけど、まさにそういう感じ。
友人と恋の話をしてる際、僕はこんな話をしていた。
僕は石ころみたいにそこら辺にいる女の子がそもそも信用できないし、話も会わない。僕が好きな種類の…それも、「許せる」じゃなくて「好き」な女性の好みは恐ろしく狭くて辛い。
それこそ「砂金を探す」ぐらい少ない。
噂をしたところに、「(僕にとって)砂金のように希少で価値のある女性」からのご指名!!
最高です!!!
10年待った!
大げさでもなんでもなく、10年以上現れてなかった。
僕自身「もういないんじゃないか?」「俺のないものねだりだったんじゃないか?」と思い始めていた。
話は10年前に遡るけど、別に10年前に何があったというわけじゃない。
10年前と言うと17歳でその時が一番お世話になったし、彼女に一生懸命だった。
…が、出会ったのは15歳のとき。
その人は少しだけ安田美沙子に似てる顔で(ただし体型は運動部特有の「筋肉がついてる寸胴体型」)、京都大学の大学院からうちの学校の先生になった世界史の先生だった。
最初は
・ちっさくてかわええ先生がおる
・社会科系科目好きやし、それが女性のはんなりとした京都混じりの関西弁が純粋な神戸弁・播州弁より
ぐらいにしか思ってなかったのだが…、硬式テニス部まで彼女が担当してたから、楽しい時間は基本的に先生がいた…という感じの学校生活を送ってた。
気を使ってと言うか、感情表現が下手な僕が自然に笑うところを冷やかしたくてか…周りの人達は僕と先生が関わる機会を増やしてくれた。
先生も先生で面白がっていじってくれた。
…先生と生徒の線は超えてないが、どうしたらいいかもわかんないままに僕も「好きだ好きだ」と言い続けて、彼女も「教え子やし」と言いつつも、かわいがってくれた。
彼女のすべてが好きだった。
・黒板を上の方まで消せなくて背伸びするところ
・ただでさえない体の線が更に消えてしまうジャージ姿で学校を歩き回るところ
・見ていないようで見ていて僕をいじられキャラとしてうまく使ってくれるところ
・悩んでも、眠くても、真面目でも…とにかく俺の脳内は「かわええ!!何この生き物!!」って感想しか湧かないレベルにかわいく見えてた。
・でも、二人で真面目に喋ってる時と、二人で焼肉食べてる時だけは違う感想で、前者は「やっぱこの人頭ええわ」で、後者は「口元が強調されるせいでめっちゃエロい!!!」でした。
…彼女のためにできることは何でもしてあげたいと思ったし、当時できるだけやった。
10年前…17歳の時には、先生からのメールでのQ&A講座と、僕の独学だけで、模試で世界史の偏差値を74まで上げた。
1年の時に持っていた男子のテニス部が僕の代で、僕が転校していない間に部活に来ない人が出て事実上の崩壊状態になった時には、部員に話を聞いて部に戻るように奔走した。
…何ができるかじゃなくて、とにかくやれることをやった。
どうなりたいかじゃなくて、その人のためになりそうなことに全力で立ち向かってた。
…他の恋愛でもそういう側面はあるが、彼女に対してほど「見返り」を求めなかったことはない。他の相手にはもっと見返りを求めたが彼女にはただ笑顔でいてほしかったし、がんばっているところを見ていてほしかった。
当時ハマってたポルノグラフィティのCDを引用するとこんな感じか。特に前半がドンピシャで当てはまってるから、久々に聞いてドキッとした。
知らないうちにそこにあった、
ただ押し寄せるあなたへの思い
胸は満ちて息が苦しい
どうか恋よ散らないでいて
還る場所はないはずだから
遠すぎる「思い出」はうたかたの「夢」と区別がつかない。
そういう気持ちを自分が持つことができることさえ忘れてたし、僕にとって最高に好みの女性がいることさえ忘れかけてた。
そういう感覚を久しぶりに思い出して、日々を送っていた。
2週間ある。筋トレしよう!筋トレして、少しでも痩せておかなきゃ!
話を彼女に片思いしている僕のところに戻す。
あの当時、依頼の日までしばらくあった。
そこで
「2週間ある。デブを治すには足りないが、筋肉を鍛えて姿勢を正して少しでもいい感じにしておこう」
と、高校時代以来となる本気の筋トレを敢行。
いつもなら筋トレをすると体が痛くなったり、忙しくなってダレてしまう。
しかし、今回は「恋は盲目」という言葉の指し示すとおり、「今やらずしていつやるんだ!」という気持ちになって、必死の筋トレをしていた。
見返りがあるとかないとかそういう話じゃない。
そもそも、片思いって時点で無駄な努力になる可能性が高いことはわかってる。
だけど、なにかせずにはいられなかった。
もし褒めてくれたり、いい感じになった日には「次会うまでに胸の方は完全にマッチョに仕上げとくから待ってろ!!」というぐらいの気持ちでやってた。
うたかたの歌詞にもそういうワンシーンがあるから引用しておきたい。
あなたまではひどく遠い
だけど足を止められない
道の途中は目に映らない
辿り着いた先にあなた
あなただけを捉えられたら
まさにこういう心情が、普段ならめんどくさいし辛いから絶対やらない筋トレ・節約に僕を駆り立ててた。
同時に、自分にこう言い聞かせていた。
「どうせフラれるか、うまく行ってもしばらくは会わない。だから、人生の2週間ぐらい我慢に我慢を重ねて本気筋トレしたっていいじゃないか」
と思っていたから我慢できた。
…ところが、この話は思わぬ結末を迎えることになる。
「書き物の神様」にモテモテすぎて、「ロマンスの神様」が俺に寄り付かねーんだけど!!!
今日、ガッキーさんと久々に食事をしてきた。
ガッキーさんというのは、以前出版社に行って、アイドルの動画撮影を見学に行く時に仲立ちしてくれた先輩。
その先輩との待ち合わせで、開口地番に
「久しぶりに本気の筋トレをして筋肉痛で…」
という話をした。
すると、
「それ、企画として出せばいいのに」
という話で盛り上がった。
僕の体重と筋トレの動機(片思い)を聞くやいなや、僕にこう言った。
「君ね、今から毎日パンイチで写真を撮りなさいよ。そうしたら、それは痩せたらネタになるから是非やるべきだよ。」
…退路を絶たれた。
…さっきも言った通り、相手は依頼者で、遠方で、僕が「砂金ほどの珍しさ」と言い張るほど完璧な女性だ。
だから、「2週間は一生懸命がんばる」と言えたのは、2週間で終わるか、2週間が終わったあとに、「なんらか成果」があって、次は成果・目標が固まった段階で、努力できるだろう…と考えたからだ。
一目惚れしているし、好きだけど、それは別に片思いだし、そもそも恋愛がしたいから好きなのではなく…ああああああああ!!めんどくさい。
とにかく、僕は「ダメ元で一方的に好き」で、それは相手とどうしたいこうしたいって話じゃなくて、少しでも好感を持ってもらえるように…ってことで、筋トレをしてた。
見返りなんか二の次だよ。男なんだから、あったら嬉しいよ?
でも、その人のためにがんばれる・何かしたくて、一緒にいたくて「知らないうちにそこにあった」気持ちだけで動ける相手に出会ったことがもう僕は嬉しかったし、そういう人に「まずは好かれたい」って思ってたわけ。
「まずは好かれたい」に対して、背伸びした気持ちがあったから、背伸びしてきつい筋トレができてたわけ。
相手がうんともすんとも言ってないのに、一人で舞い上がって勝手にハードにトレーニングしてた。
ああ、そうだよ!
あの日、ガッキーさんと別れたあとで、一人でマクドナルドで彼女のブログを見たら、彼氏の存在を確認したよ!!
俺は恋人がいる相手に
「12年ぶりに好きな子ができた、やばい」とか
「かわいいよ〜かわいいよ〜何回見てもかわいいよ〜」とか
「遠距離恋愛とか始まったら稼がないとな〜がんばるぞ〜俺」とか
うわ言みたいに言う毎日を一週間ぐらい過ごしてたよ!!
誤解されると困るから言っとくけど、彼女が幸せそうだから彼の存在に不満はないよ。
むしろ、まともな人に囲まれてる環境なんだから彼氏の一人ぐらいいないほうがおかしいと思うし、彼女に彼氏がいるぐらいには世の中の男は見る目があったことにホッとしてるわ。
問題は僕のモチベーションの話。
少し「そんな筋トレしてまで力入れて彼女合う必要ないんじゃね?」と僕はその時に思ったよ。
もしも、会った時に
・性格が合う
・恋人がいない
・相手も僕に悪くない印象を持ってる
の3つが揃ったら「今別れたら、もう二度と会えないかもしれないから」とか言って、コクるぐらい腹を据えて一週間ぐらい生きてたから、その気合が行き場を失ったよ。
会えば、「愛でる」よ?でも、「告白」はしないよ!!
だって、10年ぶりにできた好きな子を不幸に・困った状況に追い詰めてまで口説きたくないし、困らせたくない。
そもそも幸せになって欲しいから彼氏いる時点で、
「うまくいっているうちは応援しよう!っていうか、僕よりまともそうだからちゃんと幸せにしてあげてください」
って思ってるよ!
恋してるけど、相手に持ってるのは「盲目的に自分のものにしたい」じゃなくて、
「ずっと幸せそうにしているのを眺めていたい。幸せを眺められる場所なら、王子様役であることを求めない」
と思ってますよ!!
なれるもんなら王子様にもなりたいけど、彼女が幸せなら助演男優賞でも裏方でも喜んで引き受けますよ。彼女の舞台はそれぐらいに魅力的だから。
こんな気持ちを知っただけでも
幸せといえるのだろう
胸は爛れ締め付けられても
どうか恋を咎めないで
せめてしんと眠りにつかせて
ホントだよ!
すっかり忘れてたし、もう恋心なんて抱かないと思ってた俺が彼女の書いたものや顔を見れば見るほど10年前みたいな気持ちになっていくんだから、感謝しかない。
彼女が何をしたっていうよりも僕の一人相撲なんだけど…声をかけてきてくれて…そのあと積極的にネタを僕に送ってくれたり、やり取りしてくれたお陰でいろいろ考えたさせられた。
…そのことにはすご~く感謝してる。
ここまでは「今日の話」 。
面白くて悩ましいのは、明日からの話。
コクる可能性がなくなった以上、筋トレをやめて、「いつも通りに戻ってもいいんじゃないかな?」って思ったわけ。
そう思った時に、ガッキーさんが昼間に言ったことが頭をよぎったよ。
「君は振られたほうが痩せる。」
「恋と仕事は同じぐらい重要なんだよ。人がモチベーションを維持する上ではね…。」
…ホントだ。
片思いで重い腰を上げて筋トレを始めたけど、仕事に絡む可能性を話してしまったら、もう筋トレを始めたことから降りられなくなってしまった。
…正式に本になることが決まったわけでもないし、それどころか企画をどう運用していくかも決まってないし、そもそもまとめてさえないから降りようと思えば降りられるよ??
でも、こんなに面白い事になってしまったからにはむしろ、彼女の存在以上にこの「筋トレを続けながら痩せていく企画」それ自体に運命めいたものを感じる。
恋するタイミングではなかったけど、僕は恋とは全く違う意味で「おいしい」匂いをダイエットに感じてる。
俺にはロマンスの神様はついてないみたいだけど、書き物の神様はついてるみたいだわ。
そして書き物の神様は俺に言ってるんだよね。
「痩せろ!!」
「筋トレしろ!!」
って。
俺はどっちかというとゲレンデが解けるほど恋がしたいんだけどさぁ…。
無性に聞きたくなって、ダウンロードした。
歌詞にある 「あの人だけ心の性感帯」と「思い出だけ心の性感帯」って言葉はすげー正しくて、先生とかその子の存在を明確に思い浮かべるようになってから、街でカップル見かけようが、鬱陶しい女がアレコレ言おうがすげーどうでもよくなった。
こんなもんが流行ってた俺の思春期やっぱすげーわ。本当に。