かくかくしかじかの名言まとめ

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いいマンガなんだけど、
・完結してから時間が経過してる
・知名度が高すぎて、今更紹介してもにわか扱いされる
・ぼく個人的に気に入らないところがあるけど、捨て置けないからブログでは触れておきたい
マンガなので、名言集と言うかたちでかくかくしかじかを紹介しておく。

名言集みて気になった人だけ、読めばいいよ。

少なくとも4巻ぐらいまではホンマに面白いから。

ただ、シリアスなところで、「この人は卑屈で弱々しい自分と、やり遂げた強い自分を出し入れすることで精神的にズルがしく自己防衛しているんだろうなぁ…」と俺の中でモヤッとしたから、手放しには推薦できなくなっちゃったけど、いいマンガであることには間違いないから、気になった人は読んでみて。

そもそも、「かくかくしかじか」とは。

東京タラレバ娘などで有名なマンガ家「東村アキコ」の半生をマンガ化した自伝マンガ。マンガ家になるまで、マンガ家になってからの忙しい日々、恩師との出会いと別れなどのお話。

(※たられば娘を読めば「ズル賢く精神面で立ち回ってる女であること」は明らかなので、たられば娘が好きな人は共感しかないだろうし、たられば娘嫌いな人は4巻で、たられば娘の作家で、たられば娘の人生って思うでしょう。)

マンガを読んでない人には「ずる賢く精神面でうまく立ち回ってる」は悪く言ってるように聞こえるかもしれない。

でも、「ずる賢く精神面でうまく立ち回ってる」からこそ、この人はマンガ家にもなれたし、厳しい先生ともうまくやっていけた。

そして、何者にもなれてない自分にとって、精神的に潔癖症ゆえに病んだ自分、にとって、この人の作品が心の底から好きだと言えない。

そういう半生のお話。

 いいから描けーッ!!

まずは、このマンガのテーマであり、本質的な発言から。

いいから描け-!!

こういうマンガです

先生の口癖であり、「ずる賢く精神面で立ち回ろうとする主人公」にとって最も本質的な言葉。

無理だとか、言い訳して逃げようとしている彼女に対して、時に追い回して、時に空気を読まず、足掛け8年間言われ続けた言葉。

その時の私は何もわかっていなかった。

おじいちゃんのモチーフ台に置かれたティッシュの箱
みんなの木炭紙に書かれた時間のメモ

あの場所は
全てがただひとつの目的のために
ああでなきゃいけなかったってことが

今の私にはわかります

いまさら遅いよね
怒らないでね先生

こういうマンガです

後悔であり、懺悔であり…かと言って、それで病むほど潰れているわけでも、先生に素直にありがとうというわけでもなく、言い回しに「精神的にズル賢く立ち回ってる」ような言い方が連発されつつ、そこに共感できるような読みフケてしまうような…そういうマンガです。

私はバカですが
ひとつだけ他の人にはない才能がありまして

それはどーゆー才能かと申しますと

誰よりも冷静に自分の能力に見切りをつける諦めの早さ

…なんですよ。

そして、あきらめた所からまた踏み出せばいいわけで
あきらめた所が私の新しいスタートラインなわけで

こういうマンガです

諦めが早い主人公を諦めさせない先生がいると諦めないし、一人でいるとあきらめた上でのウルトラC、逆転の発想、主人公にしかない道が開けていく不思議なマンガです。

林お前東京芸大落ちたぞ

こういう先生です

受験真っ只中でも、前に受けたところが落ちていた話を馬鹿正直にして、発破をかける。そういう先生です。(何度も言うけど、楽天家な主人公にはかえってそういう人のほうが向いていたわけで)

そのまんま描け見たまんま描け泣くなボケー!

真っ白なキャンパスに筆を乗せた瞬間に
自分の中で小さな不安が生まれる

筆を滑らせるごとにその不安はどんどんどんどん大きくなって

この色でいいの?
この線はこの位置でいいの?
いや、そもそもこのテーマでいいの?
これってダサくない?

裸婦にこーゆーお花とか合わせんのダサくない?

すると手が止まる 動かなくなる

思えば この数ヶ月間ずっとそれの繰り返しだった

大学進学後のスランプに陥った時の描写。

美大生のような次元じゃないけど、絵やブログ記事を書こうとする時に手が止まる、行き詰まる、最終的にボツにする時の自分ってこんな感じだよなぁ…と思いながらぼくが食い入るように読んだシーン。

こういうシーンがあるから、主人公が正直好きでも何でもない作品でも読むことができているし、そこの腕前は流石だなぁ…と思う。

親の金で美大に言って
遊び呆けて
そんで描けないっつって
駄々こねてないてたバカな子どもの私

タイムマシーンで
あの頃に戻ってあのバカをブッ飛ばしてやりたいよ

ねぇ先生

「ねぇ先生」とつくのがこのマンガらしい女々しさで、「精神的にズルがしく立ち回ってるところ」。

でも、それ以外の描写はたぶん、20代30代の人が一度は思う大学生の頃の自分への懺悔と後悔だと思う。

大学生までほど設備も揃って色々できる時期に自分がしたこと、やろうと思ったことのちっぽけさと見当違いっぷりを思うと、大なり小なり「あのバカ!!」って気持ちになると思う。

…まぁ、実際にはそういう馬鹿な自分を一度は経験しておかないとほんとうの意味で真面目になったり、失敗に気づいたりしないから必要な時間なんだけどね。

時間は元に戻らない

戻らない

取り返しのつかないことを先生に対してしてしまった時にでた言葉。

怠惰になることで迷惑するのが自分だけならいいんだけど、結局は人を巻き込むし、巻き込んだ時に、はじめて「やってしまった」と思う。

そこで変わるかと言われたら、多くの場合変わらないんだけど、やってしまったとは思う。

ただの…ただの…クソバカなんです!

美大生なんてのは
親が必死で働いて稼いだ金で
自分の好きなこと4年も
やらせてもらったくせに就活すらせず
社会貢献しようなんて
発想もなければ親に恩返ししよう
とも思ってない、ただの…ただの…クソバカなんです!!

親にはしこたま働かせておいて自分は働かずに
絵を書いてアートな生活をしていけると漠然と
考えているクソバカなんです!!

だそうです。

そうなんです
お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが

私のマンガに出てくる男性キャラは全てこの大学時代の彼がモデルなんです!

RADWIMPSが一人の女性のためだけに歌を歌い続けている話もそうだけど、アーティストの異性のイメージって、こういう形成のされ方がすごく多い気がする。

逆に言うと、恋愛なり一目惚れなりがキチッとある人は、アーティスト向いているのかも…。

おいアキコ!!

お前に入学金40万円、月々の仕送り10×4年、学費が半期で40万1年で80マン、それが×4年でトータル900万!!

900万かかっとんぞこのバカタレが

子どもを美大に入れると、日本経済が回るドン!

林はすごい!!

俺がいくら教えてもあと一歩うまくならんやつが 林の指導でぽんと仕上がる!!

林は自分の絵はろくに描けんくせに人に教えるのは天才的や!!

名選手と名コーチは必ずしも一致しない。

そして、この話はこう続く

この性質は今も役立ってて

というかもうこの力のお陰で今私は漫画家やってると言っても過言ではありません

マンガ家さんに必要な才能とは案外アシスタントに教える・乗っかる技術なのかもしれない…。

私はこれを読んでいる若人達に声を大にしていいたい!!

人は!!
もうどうしようもなく疲れた状態の時にこそ!!

ストレスで極限まで追い詰められて肉体的にも精神的にも追いつめられたときにこそ!!

夢への第一歩を踏み出すことができるんだ!!

生存本能

4巻以降の名言は…読んで自分で確かめて。

販売促進っぽいいやらしい終わり方になっちゃったけど…そう言うしかないんだよ。

名言を抜き出すことでこのマンガがどういうマンガかは伝わった自信はあるけど、名言集として抜き出すのが後半になればなるほど難しい。

後半になればなるほど絵の情報、作者の経験が重要になってて、言葉で示されるものは致命的なネタバレになるか、極端に長い(短い)もので「これ」ってものを見つけるのが難しい。

後半になるほど、石田拓実先生が出てきたり、主人公が売れだしたり、先生があんなことになったりして読み応えがすごいんだけど…「名言」というシンプルな形にまとめにくい…。

そこが面白さなんだけど…こればっかりは読んでもらわないと、伝わらないわ。

文学を読んだふりをして、文学少女気取りする主人公を描いた「バーナード嬢曰く。」みたいなマンガもあるけど…好きなマンガやゲームに直に触れるのは大自然を写真で見るか生で見るかぐらい違うから。

潮風や南の島の日差しなくして、オーシャンブルーだけ見てもそんなのただの絵。

Instagram見ても活気のある声が聞こえる飲食店の雰囲気やその店の面白い店員の雰囲気は伝わらない。

名言は抜き出せるよ?
でも、絵の演出力が言葉に勝ってしまったり、言葉だけ見ると簡単すぎることを拙い言葉の連続で説得力を作っていく事自体が素晴らしい作品は…名言だけで表現することに限界があるのよ。

かくかくしかじかの終盤はそういうマンがだから、中盤までしか名言を抜き出せないのよね…。伝わらないし、わかった気になってほしくないから。

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青二才は振り向かない
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