ある女性とデート(と私が言い張ってるだけで、向こうは普通に散歩しているつもり)の時に、不忍池でこんな会話をした。
「そういえば、井の頭公園のアヒルボートに乗ったカップルは別れるというジンクスがあるんだって。」
「三沢さん、それはですね…大半のカップルは別れるものなんです。つまり、有名なデートスポットのほとんどは別れのスポットなんです。」
2時間ぐらい前に彼氏がいる話、その彼氏といい関係という話をしていた人が、恐ろしく身も蓋もないことを言っているのを見て、「俺より若い子がこんなに落ち着いてるなんて、すげー完成度だ!」と戦慄した。
いや~こういう子が、日本の要職につけば未来は明るい…はず。
そして、そういう若い子が彼女にかぎらず、色々と僕に会いに来てくれるのはとてもありがたいことだ。
しかし、インターネットの老人達はだらしがない。
彼女が気づいているような事にも気づいてないまま、僕よりも10も20も老いてしまっている人達が、第一線にいるなんて…。
権威ある書評ブロガーが簡単な「論理の落とし穴」にさえ気づいてない
読んだのはこの記事。
【読書感想】女子大生風俗嬢 若者貧困大国・日本のリアル ☆☆☆☆ – 琥珀色の戯言
この本の筆者は東洋経済にデマみたいな記事を垂れ流すことで有名な悪質なルポライター。まずはそんな人の記事を取り上げた事自体が大問題。(細かいことは後述)
次に、書評を書いたのは、はてなダイアリー時代にはてなで最も有名な書評ブロガーの一人とされているid:fujiponさんであること。
彼のブログ「琥珀色の戯言」の中には7000記事近い記事が書き溜められていて、00年代半ばから現役で活動しているレジェンド。
名義上2010年(実態は2012年)から活動している僕でさえ古参扱いで、しばしばレジェンド扱いされる。
でも、僕なんかバッタモンで僕よりも長く現役で第一線でブログ書いているので、僕なんかよりも正真正銘のレジェンド。…のはず。
社会的地位も彼のほうがあるらしいし。
だからこそ、相手に見える形で抗議申し上げたい。
「こんなデマライターに騙されて、本を取り上げるな!」
と。
「こんな著名な人が、書評を書いて紹介するだけじゃなく、貧困についてキチッと描写された本として引用するのは絶対におかしい」
と。
ただ書評を書いただけだったら別に取り上げる気はなかったよ?
だけど…この人、2年越しに貧困の例として、例の本の文章を引用していて、「どうもデマをマジで信じているんじゃないか?」という疑惑があったからねぇ。
疑惑の現場:「バイトや仕事よりもブログで稼ぐ」ことを学生や若者が主張するようになったのは、「絶望」のせいかもしれない。 – いつか電池がきれるまで
※「いつか電池がきれるまで」はfujiponさんの雑記ブログ。
風俗から取材している人なら、貧困な人の話ばかりになるに決まってるじゃん
問題の本の筆者「中村淳彦」って人は、基本的に「女子大生の」貧困か、「女子大生風俗嬢の」貧困ばかりを取り扱う。
「風俗でお金を稼がないと大学に行けない人がいるんだ!」
みたいな内容を東洋経済でよく見かけるけど、その都度
「水商売のアルバイトなんかない男子大学生は?」
「オフィスでアルバイトできないMARCH以下の男子大学生は?」
と突っ込みたくなる。
理系以外の男子大学生が激減するデータが先に浮き彫りになってるはずだから、そういうマクロなデータを提示することができるはず。
肝心の書籍とて読むまでもなく、見出しの段階で東洋経済に垂れ流している内容をまとめたものであることは明らか。
そこに奨学金の問題やブラックバイトの問題で尾ひれをつけて「水商売の女の貧困」ではなく、「若者の貧困」というラベルで売り出している。
「尾ひれ」と断言しているのは、ブラックバイトや奨学金の問題を深く掘り下げた記事は殆ど書いていない人で、WikipediaやAmazonなどで著書の一覧を並べてもAV女優の話か風俗嬢の話ばっかり書いているから。
また、本当に若者の貧困…大学生の貧困の問題を追いかけるなら奨学金の返済に苦しむ社会人2,3年目の若者を追いかけるべき。
もっと稼ぐ手段がない男子大学生を追いかけたり、新聞奨学生の高校生に密着したルポを書くべき。
もっともっと貧困の現場なんていくらでもあるじゃないか!!
女性の貧困問題が嘘だとは言わない。けど、女性の貧困を取り上げる男なんてだいたい男の貧困はかわいそうじゃないから興味がないばかりか、女の子に合法的に話を聞く仕事をすることを目的としたムッツリスケベじゃないか!
それが社会学?ルポ?笑わせないで!本のタイトルと目次にあるようなことは簡単な推理で導き出せることだから。
冒頭の、不忍池での話を思い出してほしい。
「大半のカップルは別れるから、大半のデートスポットは別れのスポットなんです。」
…これと同じことを「ルポ」と言い張ってやってるだけ。
「大半の女性は売女や娼婦として見られたくないから、大半の風俗嬢は訳あり。特に若いほど訳ありで、女子大生だと家庭の事情・本人に資質の問題がある【普通じゃない人】が多い」
これは取材なんかしなくたって、簡単につく仮説だよね?
そんな結論ありきの取材に、建前で取り繕った本に10年来の書評ブロガーが騙されてるなんて悲しいよ。
「かわいそうだと思われやすい人達の貧困問題」だけが取り上げられる昨今だから本当にいい加減にしてほしい!!
子どもの貧困、女性の貧困はよく取り上げられるけど、本当は貧困ならそれが高齢者だろうが新聞奨学生だろうが若者だろうがおっさんだろうが、みんな問題だよ!!
それなのに、「かわいそうだと思われやすい人」ばっか取り上げる人ばかり取り上げる人は裏があると考えた方がいいんだよ。
「搾取しやすい」とか、「自分が関わることでナルシズムに浸りたいだけ」とか。
…学歴があるはずの人でさえそういうことがわかってない人が多いの、本当に困るわ!
若者の貧困問題について読みたい人はむしろ本田由紀を手に取るべきだと思う。「やりがい搾取」という言葉を作った人でもあるし、この人の話が貧困の話をする時に引用されることは多いし。
逆に中村淳彦好きな人は二村ヒトシでも追いかけてたら?貝殻拾いおじさんって意味では同類だから。