QMAの魅力は「ゲームを通じて自己表現できること」にこそある

 

8月某日…川崎にQMAの全国クラスのゲーマーさんが僕にQMAを布教しに来た。

いつもなら僕はごはんをおごってもらってもらう代わりに、僕が面白い話をするために「青二才ワンマンショー」という枠組みで川崎に来てもらうのだ…彼は「ぼくにごはんをおごって、その時に遊ぶお金さえ出せば、一緒になんでもやる」というこの機会を逆手に取って、QMAの布教に来た。

それも、彼の布教は熱心で、彼は3回も川崎に足を運んで、僕にQMAの布教をした。
結果、僕は今、QMAにハマっていて、食費をケチってゲームセンターに足を運んでいる。
そこで、今回はQMAの魅力や、彼に誘われていった大会の話などをしてみたい。

 

そもそも、QMAとは?

正式名称:クイズマジックアカデミー。

03年からある長い歴史を持つ主にアーケード版の(ゲーセンでやる)クイズゲーム。

基本料金はゲーセンによるけど、どこのゲームセンターでも交通系ICカード、nanacoなどをかざすと1回だけタダでできる!

作ってるのはゲーマーやクリエイターをないがしろにすることに定評があるコナミのクイズゲーム。

ただ、普段なら赤字コンテンツにも、ファンにも容赦ないコナミだが、このゲームに関しては旬を過ぎた今でも細く長く、ファンの力をうまく活用しながら続いている。

DS版も出て、アニメOVAも作って、ファンも高齢化して…「ユーザーがピークの5分の1になった」とまで言われる今でも、続いている。

その証拠に、QMAには問題を練習するための、有志の攻略サイトがいくつかある。

しかし、そのほとんどは4年前5年前を最後に更新されてないため、最近追加された問題を知ることができない状況にある。(昔からある問題は練習できるけどね)

攻略サイトの管理人さえ匙を投げ始めているゲームだが…時間とともに精鋭化したファン達が限界集落を作りながら各地の大会やネット上で交流を続け、QMAの周辺には「オタク達の限界集落」が形成されている。

QMAの魅力と高齢化した原因

ここからは幾つかのQMAの魅力と、その魅力ゆえの弊害を語ってみたい。

 

QMAはガチなクイズゲームだから、ガチ勢でも素人に負ける可能性がある

最近の若い子に馴染みのあるクイズゲームは黒猫のウィズだろう。
しかし、黒猫のウィズの場合はソーシャルゲームだから「クイズに正解できても、キャラのレベルが上がってないと、負けてしまうこと」がザラにある。
しかも、クイズの大半は中学生ぐらいでも解けるもので、早押し要素を重んじたステージが多い。

中学生でも入りやすいクイズゲームであることはすごい!
だが、課金やレベリングに時間のかかるゲームになりがちなのが弱点と言える。

一方で、QMAはと言うと…「クイズさえクリアできたら、レベルやキャリアは関係ない」のが特徴。
もちろん、問題はいっぱいやりこんでる人の方が知ってるけど…それでも、全国のトップクラスでもない限り、全部の問題ができるってわけじゃない。

例えば、僕にQMAを布教した彼…隣でゲームをしていると色々正解を教えてくれるが、時々彼もわかんない問題が出てくる。

逆に、僕が隣でやってたら「野球のこの問題がわからん」と質問され、僕が正解を答えることもあった。

僕はスポーツ(特に野球)と社会なら、ガチ勢相手じゃない限りはそれなりにやりあえる。

QMA特有のクイズの癖があるからカテゴリに丸々強いわけじゃないけど…それでも、かなり広い範囲を網羅できる。

でも、芸能とアニメとゲームに関しては大の苦手。
理系も高校3年レベルや天体の問題になるとちんぷんかんぷん。

だから、短時間でレベル40台までやりこんだけど、多分主婦の方をこのゲームに誘い込んで一緒に勝負するしたら…たとえ、相手が1回目の素人でも芸能カテゴリが出題して僕に挑んできたら…負けちゃうかも。

いや…むしろ、芸能やスポーツに強いユーザーが意外にいないからこそ、オタクでも何でもない人がこのゲームをやると…大化けする可能性もあるんだよ。。。

めんどくさいオタクがめんどくさいオタクのために作ったクイズゲーム

さっき僕は「QMAで苦手なのは、アニメ・ゲームと芸能・・・それから高校3年以上の理系問題」と言った。

僕のこと知ってる人なら
「あんなにマンガやアニメを紹介しているのに、アニメやマンガのクイズが苦手なの!?」
「高2まで理系だったんだから、理系問題できるでしょ!」
と言うかもしれない。

…そりゃ、世間一般に比べたらできますよ?
でも、相手がオタクがメインユーザーのクイズゲームとなると…アニメ・マンガにはすごい難問が並んでる。
いや、難問でなくとも、ぼく(28歳)生まれる前のアニメ・特撮の問題が出てくるから

「しるかー!!!」

ってなるんだよ…。

「鉄人28号はリモコンで動く。(正解は○)」
「快獣ブースカの好物は?(正解はラーメン)」
知らない人のために補足しとくと、鉄人28号は1960年のアニメで、快獣ブースカは1966年の特撮。

QMA界隈では常識問題の1つだと言われてる問題だが、一般的な20代のオタクはこういうことに詳しいんじゃない!!!

ましてや、僕の家みたいにGTOでさえ暴力的だからと言われて見せてもらえなかったような家庭環境。

そこから色々あって踏み外して、大学入学してから急ピッチでアニメを見まくった急造即席のオタクには絶対にわかんない問題…そういうのをQMAの出題者は平気で出してくる。

だから、QMAをやってるやつの大半はオタクなのに、QMAでアニメ・マンガを得点源にできるほどアニメ・ゲームに特化してるやつは少ないんだよ…。
だって、生まれる前のアニメや特撮にまで通じているオタクはそうそういないから。

これはスポーツに対しても同じことが言えて…僕は野球だけなら得点源にできる。
サッカーは、常識問題レベルなら捌ける。
でも、F1と相撲とプロレスはちっともわからん!

社会科だってそう。
政治経済地理なら、そう簡単には負けない。

でも、鉄道問題は…知るかよ!
このように、クイズ特有の意地悪な問題が各ジャンルに散りばめられている。

しかも、その多くは、昔の話だったり、ジャンルの中でも今ではマイナーであまり報道もされないことなので、若い人には敷居の高いゲームだ。

いや、芸能・スポーツや社会科、文系・理系はある程度「検索、勉強する目星」がつくからまだいい!
だが、アニメ・ゲームにいたっては範囲が広いし、まとめた教科書もないから、オタクのゲームなのに、オタク殺しになってしまっているから恐ろしい。

これが、QMAが高齢化と緩やかな限界集落化を遂げた理由。
しかも、最近のソーシャルゲームに染まって「ゲームの世界ならがんばれば、蓄積されて報われる」と思い込んだ若い子がたくさんできてしまったご時世だから、なおさら若い子が入りづらいゲームができあがっている!!

…そういうゲームなんだよ。
求道的で敷居が高い…でも、ガチの実力勝負だからこそ、ジャイアントキリングも起きる!!
そういう真っ向勝負なゲームなんだよ!!

だから、どちらかと言うとゲームってより1つのスポーツだね…。

得意分野が、自己表現と超人的なテクを育てるゲーム

だからこそ、ガチ勢と呼ばれる人は超人的なぐらい賢かったり、博識なばかりか早押しで負けないような十八番を持っていたりする。

ちなみに、僕にQMAを布教した彼の十八番は社会科のエフェクト問題。

エフェクト問題は全部文字が出るまで時間がかかるが、彼は文字の一部や、モザイクがかかった状態でも答えるため、全く知らない人が見るとワケがわからない!!

しかも、輪をかけてわけがわからないのは、QMAのガチ勢の人数が狭すぎて得意な問題や名前、あるいはアバターから「あーこいつか」と識別できる関係性が成立してる村社会ができあがってることだ!!

しかも、そいつらの9割は学校を卒業してしばらく経ったおっさん達で、おっさん達のほとんどは女の子のアバターを使っていて、大会ではおっさんのゲーム店員が、おっさんのゲーマーに「学籍番号」と呼ばれるゲーム上のIDを聞くという不思議空間が生まれてる。

異様な空間だよ…。

どんな小さなゲーセンでも、行われている大会は全国クラス。
アバターは女の子ばっかりなのに、戦ってるのはおっさんばかり。
対戦する時には出題するクイズのジャンルを選べるから、みんな得意分野で戦う時にはあの手この手の超人技を繰り出して、即答してくる。

…しかも、対戦にはRPG要素がないため、レベルに関係なく、ゲームしてるおっさんの得意分野で戦う。

だから、ソシャゲーやRPGの通信対戦にありがちな「上位プレイヤーはみんな同じキャラを使って、同じ行動をする」ってことはまずありえない。

行ってみて、その場のメンツや大会のルール次第で出題される問題が変わってしまう。

つまり、クイズに答えること、相手との対戦に何を出題するか選ぶことが自分が得意分野を発揮する自己表現の場になってる!

ゲームを極めても、合理的にはならず、むしろプレイヤーの癖や得意分野が際立つ仕様になってる。

そこが奥深くて面白い!!

でも、ガチ勢が興味を持つのはアバターの選択とコスチューム

ここがまた面白いんだけど…QMAを極めた連中が興味をもつのは、相手のアバターである。

彼の言葉をそのまま借りると
アバターで相手の性癖がわかる!
だそうです。

アバターに使えるキャラは20人ほど。

僕はというと…キャラは適当。

でも、コスチュームに凝って、夏仕様にしちゃってます。

 

※ここからは、性癖談義です。QMAあんまり関係ないです。

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僕はね…どういうキャラが好きとかじゃなくて、
「多面性をキャラの中に仕込むのが好き」
なんだよ。

このキャラの場合は、鬱陶しい種類のお嬢様キャラなんです!

勝つと「オーホホホ」とか言い出したり、余裕で回答すると「この程度」とか行ってやや煽ってみたり、自分だけ単独で正解すると「皆さん、どうなされましたの?」とか言ったり…。

で、僕はこのキャラに何を仕込もうとしたかというと…
「おとなしそうな格好を目指しても、やっぱりどこか浮かれてたり、浮ついてたりして、おとなしくなりきれないところがかわいい!」
みたいなものを仕込もうとしてるわけ。

テーマは夏祭りです。
浴衣だから、ちょっと驚かせようとイメージを変えて…とか思ってたシャローンさんだけども、お祭りが進むに連れて色んな物を買ったり、もらったり、つけたりして結局いつも通りのテンションで楽しんじゃった…みたいな設定で仕込みまくったんですよ。

僕、リアルでもそうなの。
普段は面倒見のいい子が、仲良くなると大胆にこっちの気持ちをもて遊んだり、…でもほんまもんのサディストじゃないから、優しさが伴ってたり。
逆に高飛車で姦しく思えた子にも、ピュアで静かで繊細な精神世界をもっていたり…でも、人前では負けず嫌いで悪ぶったところを見せたがったり…。

そういうめんどくささが好きなの!(かくいう私もめんどくさい性格でね!!)

で、僕はそういう意味だと「好きなタイプ」なんてものはあるようでないわけ。
いや、あるにはあるけど、結局はその子と仲良くなったことで見せてくれる部分にゾクゾクしたい人間だから、僕にとってはタイプかどうかよりも、仲良くなれるかの方が重要なわけ。

だって、仲良くなんないとその人の多面的な部分なんて見られないから…。
そういう性癖が出てしまう意味でもこのゲームは自己表現要素が強い!

やればやるほど、自分の得意分野と性癖がむき出しになっていく奥深さがある!

結構、最近でたQMAのマンガです。興味のある人は是非。

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