自己啓発的なものにハマる理由と、飽きる理由と、バカにされる理由

読んだ。
僕が自己啓発マンを気持ち悪いと思う理由 | めしがくいたい
前にも知り合いとの間で話題になったネタなので、僕のスタンスを書いてみる。

 

自己啓発本にハマる理由

単に自己啓発本を気持ち悪いだ、鬱陶しいだとバカにするのは簡単だよ?
でも、それじゃ何の解決にもならないから、自己啓発本を一時期読んでた時の自分を振り返って「なんであんなの読んでたのか?」という話から掘り下げてみよう。

人が自己啓発本にハマる原因は3種類あると思う。

1、自分自身の目的やなりたい自分がふわふわしてるから

何がしたいか、何をすべきかわかってたら、もっと具体的な本を読んで勉強している。

ところが、何がしたいかもわかんないから
「とりあえず立派そうな人や、幸せそうな人はどうしているのだろう?自分とは何が違うのだろう?」
と考えて、自己啓発本にハマる。

これは、色んなセミナーに顔を出したり、人脈と言って人に会いまくるけど自分自身には大した特技のない人にも共通した特徴。

セミナーなんて、大人数に向けた当たり障りのないメッセージが中心。
だから、ふわふわした話しかできない。

人脈なんて本当に自分に関係ある、
自分の行動や思考に関係ある人としか長続きしないのに、何をそんな無駄なもん広げようとしてるの?

シナジー効果?
それは何か明確なビジョンがあってそれが噛み合ってる人同士でしか起きんわ。

でも、何がしたいかわかんない人が「とりあえず」で手に取って、良さそうだと言われていることをやってみたりする。

2、楽したい・楽して何者かになれると思ってるから。

「もっと効率よく」「もっと楽して」とか思った人が、自己啓発本を手に取ってしまう。

実際には、「急がば回れ」。

筋トレをするか、本業に近い勉強するか、あるいは目の前のことを一生懸命やるか、やったことを丁寧にフィードバックしながら挑戦し続けるか…
楽なんか考えるぐらいなら何かに打ち込む方が近道。

でも、漠然と楽したいという人や「なんかいい方法がある」と思いガチな人は、自己啓発本を取る。

効率化や試行錯誤は悪くない。
だが、100点満点の行動を求めて何もできなくなるぐらいなら、小さく点数を稼ぐ行動のほうが結果的にはいい場合もたくさんある

 

3、自分と自分に自信がない/自信のない人の気持ちを代弁してしまうから

自分にあったやり方を確立できてないか、うまく行ってないから自信が持ててないから、「他にいいやり方がないかな?」と手に取る。

自分に自信のない人のうち、頭の悪めな人は自己啓発本か、イデオロギーにかかわらず、政治思想にハマる。

しかも、この手の著者・発案者に限って強気な物言いで
「こうあるべきだ!」
「こういうことが素晴らしい!」
といって、ココロの中にあるモヤモヤを代弁してくれる。
自信がない人は、強い言葉を知ることで強い自分になれたように錯覚するから、自己啓発本や思想上の正論は気持ちのいいからハマる。

一方、自信がない人の中でも頭がいい人の場合は宗教か、哲学、政治思想(ニヒリズム、アナーキーリズム)にハマる。

頭がいいけど自信のない人は、自分の強さについては自覚があるものの「社会の中に居場所を作るのが下手」だから、アウトローまたは能力とは不相応な平凡さが許される言い訳を欲しがる。

自己啓発本や政治系の本を手に取りがちな人は、まだ「世の中から評価されたい」という未練が残っている。

一方で、宗教・哲学・アナーキーリズム・ニヒリズムに行き着いた連中は【自分が生きているうちの世の中を見限った上での自己肯定】を求めるから、自分が社会的なヒエラルキーからの逸脱や、極端な行動に出て破滅するまで行く。

世の中から評価されたいと思わないからこそ自由ができる反面、そういう人が道を踏み外すと自由すぎてとんでもないところに行き着く危険もある。

…結果的に、自己啓発本は「これで成功したor成功できない」という結果が出れば、自己啓発本中毒からは脱することができる。

だが、哲学や宗教は選ぶ学問を間違えるとそれを盲目に信じて、無自覚に周囲を排除したり、孤立を選び始めるから、周囲の声なんて届かないところまで行ってしまう。

…そういう意味では自己啓発本にハマるのは高二病、大二病の一種でかわいげがあるとも言える。
…だが、宗教や哲学に悪いハマり方した人はマジモンの犯罪者やおかしい人になってしまうこともある。
(頭の中で割り切れることで気持ちが楽になれる人もいるが、それでも飽き足らない人は、危険なところまでどっぷり行く人もいるので要注意)

あくまでも酷いハマり方をした人の話であって、そういう人ばっかりでもないんだけどさ…。

自己啓発本に飽きる理由

とりあえず、この5パターンが考えられる。

  1. 方法ばかり考えてたけど、そもそも自分には目的がないこと、目的に一生懸命じゃないことに気づいて行動を起こすか、考え過ぎに意味がないことに気づく。
  2. 人生に近道、抜け道がないことに気づく。または、抜け道・近道は意外と退屈で、つまらないことの積み重ねであることに気づく。
  3. 自己啓発本のような強気な物言い、もっともらしいことだけでは成功できないことに気づく。
  4. 自己啓発本が指し示すような社会的な成功や、変わった後の自分の姿に対して、あんまり共感できなくなる(いい意味で身の程を知る)
  5. いいことが書いてあると思っても、自己啓発本に書いてあることが多すぎてその大半が実行できないか、いいと思ってもすぐ忘れちゃってることに気づく。

僕が自己啓発本にハマるのを「大二病」呼ばわりするのは「多くの場合は飽きるか、足りなさに気づく」から。

そして、気づいたら短期間のうちに軌道修正してまともな方に行くこともできる【軽度なこじらせ】でしかなく、(あんまり誇れることではないが、長い目で見れば)多くの人が通る通過点でしかないから。

 

自己啓発本を読んでるとバカにされる理由

これは色んな人が言ってるけど…一応触れとく。

1、何もできないのにできると勘違い/やった気になって近づいてくる

一言で言うと「ウザい」んだよ。

何かできる人、やってる人が発する言葉と違って、自分が目の前のことをきちっとやりもしないで、本で読んだことだけでわかった気になって近づいてくる人間に対して、

「あーバカが調子づくとこういう感じになるから、自己啓発本って迷惑なんだ」
と、ちゃんと何かをしている人は思う。

ましてや、自分が地道に堅実にがんばってきたことに対して、自己啓発本に比べるとそれが地味で不効率に見えると見下してくる連中とかにエンカウントした日には
「じゃあ、お前はどうなんじゃ!!」
「人が下手に出てれば、調子に乗りやがって!!!」
という気持ちにしかならん。

雑に言ってしまえば、意識高い系ってやつ?

本人はそう思ってないけど、受け手には完全にそういう風に見えてしまう。

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2、何の専門性もなく、ありがちなパターンだから叩きやすい

とは言え、少し自己啓発本を読む人の肩を持つと…叩きやすいのだ。

これが思想や哲学、宗教にかぶれた人だと知識がないと叩き潰すことも難しいのだが、自己啓発本は専門性がないから「キモい」と思えば叩ける。

自己啓発本に書いてあること自体に正解がないから、正解のないことを論じている相手は簡単に批判できる。

さらに言えば「いじめやすい」。

自己啓発本を読んでいる人を叩くとわかりやすいリアクションで反撃してくる。

が、これが宗教や哲学だと無視したり、開き直ったり、逆にわけのわからない専門用語を駆使して見下してきたりする。

宗教や哲学には本当にガチな人やめんどくさくて「バカだからハマる」とは断言しづらい所がある。
けど、自己啓発本はよくわかんない専門用語もなきゃ、頭のいい反論や、うまい形で無視する人もいるから、いじめる方法さえわかってるとすご~くイジメやすい。

また、自信がないことや周囲からよく思われたいことから自己啓発本を読んでいるため、自己啓発本を読んで良くなろうとしているのに批判されると、努力にケチをつけられたように感じて怒る。

または、自分に自信があって無視をしたとしても、痛いほどの自己アピールを続けてくれるから、イジメてもイジメてもどんどんイジメやすい要素を出し続けてくれるか、イジメたことへの何かしらのリアクションをしてくれるから、すごくいじめる相手としては適当なのだ。

だから、自己啓発本を読んでいる人の中でも、批判された時には
「自分の足りなさや態度の悪さを指摘した批判」か、
「イジメやすいから、いじめる相手を探しているやつの批判」か、
をキチッと判断した方がいい。

前者は真摯に受け止めた方がいい。
後者は…距離を置くか、無視するのが一番いい。

そして、欲を言えば、筋トレでも始めたほうがいい。
やりたいこと・できることがわからないうちからでも、後々役に立つことは強い体を作っておくことだから。

運動がうまいとか下手とか、太ってるとか痩せてるとか、モテるとかモテないとかそういうことじゃない。
ここぞという時に、フィジカルの違いが馬力の違いとして出てくるから、体は鍛えたほうがいい。

健康とバイタリティがマイナスになる世界はないから。

この本の筆者まで行くと脳みそまで筋肉までできていると思うけど…脳筋とも言える程強引な理論が現代社会でも正しさを帯びてしまう辺り、人間って筋肉でできてる生き物なんだなぁ…と改めて思うのです。

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