子どもの頃…特に中学生高校生の頃…最も身近な大人の女性は「若い女の先生」だった。
最近は、美容への技術と意識が高まったせいで、30、40でも美人な人が増えたんだと思うけど…学校の中に限って言うと20代の先生はテレビや雑誌で見るアイドルよりも、かわいく見えてしまい…あこがれの的だった。
16歳で関東に来て、19歳で東京で一人暮らしを始めて、ぼくはおめかしした女性をたくさん見てきたはずだ。
それどころかブログしてたきっかけからIT業界の若くてきれいな女性も見てきたし、アイドルにだって生で出会った。
…それでも、僕はジャージの京都ナイズされたはんなりした播州弁を喋る高校時代の世界史の先生が、僕の一番好きな人で、彼女と結婚したいと思ってた時期が12年間ぐらい続いた。
現実的にはもう連絡を取る手段もないし、どこにいるのかもなにしてるかもわからないけど…先生がかわいすぎて、肉体関係を持つほど親密になった女性に対しても、どこか冷めてた。
今年に入って、色々あるまでは本当にそんなふうに思ってた。
だから、「こいとうたたね」というマンガに出会った時
「うわぁ、俺のために作ってくれたようなマンガが出てきちゃった…」
という衝撃を受けた。
・概要
意味深な諸事情あって、一緒に暮らしている先生と生徒のマンガ。
意味深すぎやろ!
ただ…彼女の方は睡眠の質にやたらとこだわりがある人で…作中では1話に1つ以上は睡眠うんちくを語る。
ただ、男の子の方は、先生のことが好きというか…少なからず魅力を感じてるようで…油断すると…つい…ね、
経験ない人にはこれが「何気ないカット」に見えるのかもしれないけどね…恋に落ちてるか、色々我慢してるか、あるいはその人と信頼関係でつながってると…女性ってきれいに見えるんです。
だからこそ、切ない!近くて遠いから!!
「一番最初に憧れる先生」って人生で一番近くて遠い女性なんだよ。
大人同士の男女なら、双方の合意や敬意や好意があれば、行為があって、ゴールインなんて、ことは割とあるわけ。
なんなら合意なんかなくたって「ノリと勢い」で繋がっちゃって、硬いキズナでガッチリとつながり会えちゃったりできちゃうこともあるわけ。
でもさ…それが学校の先生ってないわけ。
まず、ノリと勢いでつながるような状況にならんし…。
次に、お互いが認め合ってても「それは生徒として」「先生として」みたいな恋愛感情とは別腹だ、仕事だと言って割り切られてるから…自分のフォルダーが入れられてる所が変わんない限り、信頼関係結んでも何も起こらないわけ。
最後に、女の先生の方が職業倫理的なものと、(性欲とは別腹な)母性的なものが強いせいで、優しい言葉を性欲以外のところからかけてくるから、これがまたすげー切ないわけ。
母性的なものに包まれてる心地よさを感じて、好きになればなるほど!!
また、そういう性欲をうまく表現できねーうちに好きになっちゃうから、「一線の越え方」もよくわかんないまま好きで好きでたまらない状態で居続けるからすげー切ないわけ!!
そういう、切なさと、同棲生活ならではの(天然入った干物女っぷりまで)全部見られるから、
「あー!!!好きになるに決まってるやん!!!でも、好きになればなるほど手の届かさが切なくて泣きたくなるやつやん!!!!!!!!」
と、読みながら、歓喜と震えが止まんないわけ!!!
なんでこんな業の深いマンガ作っちゃうかな!
青春時代思い出しながら泣くしかないやつやん!!
このマンガ自体が、すごく完成度が高いとか、きっと賞をとるとかそんな話はしないよ?
でも、僕が女性とみたいことと、したかったことが全部詰まってるから、ひったすら
「うわー!!!!最高だよー!!かわいいよ!!!かわいいけど、せつないよー!萌えるし、抜けるけど、泣けるよ!!!!」
という、感情がグッラグラに揺れて自分でも何言ってるかわかんなくなっていくぐらいになっていくわけ。
好きなマンガなのに、直視できなくなっていくぐらいなんかなんか…今の憧れと、昔の憧れと、手の届かなさと、戻れないところへ着てしまった虚しさとをえぐってくるわけ。
しかも、このマンガの先生が僕の学校の先生よろしく、かわいいし、天然ボケやし、スペック高いし…(バスト以外)なんかどこか似てるところがあるからすごーくすごーく刺さるし切ないわけ!!
みんなにこのマンガがウケるかどうかは知らないよ!!
でも、僕はこういう切なさも、あこがれも、かわいさも全部見たことあるし、味わったことあるから、
・逃げてきたもの
・語らないようにしてきたこと
・傷つかないために曖昧にしてきたこと
…そういうものを心の奥底に手を突っ込んで「それでも好きなんでしょ?」って俺に迫ってくるわけ!
…いや、その先生以外だってそうだよ。
線を引いて恋愛しないといけない状態になることが、僕の事情でも相手の事情でも現実にはあるんだから…そういう切なさって人を好きになった時に全部の条件が整わないとつきまとうもんなんだよ!!!
だから、心のどこかでフタをして、忘れないけど思い出しすぎないようにしてきたんだよ!!!
でもさ…「それでも好きなんでしょ?」ってこのマンガは掘り起こしてくるわけ。
「本当はこういう風に一緒にいてみたいんだろ?」という情景を描いてくるわけ。
ほんとずるいよ!
しかも、この主人公が色んなことを言ってるようで、本当の本音の奥底を語ろうとすると不器用になる所が、自己投影できちゃうところがなおさらずるいよ!!
好きに決まってるじゃん!
そして、その人の何もかもを見たいし、見たかったし、見続けていたいわ!!
たださ…その気持ちが募るほど、その人に優しくされたことを思い出して切なくなるんだよ。
マンガの中の甘さと優しさが…傷口に染みるんだよ…。
全然関係ないんだけど、もしこの辺に書いてある心情に共感できる人はDinDonDanというアルバムの「蜃気楼」という曲を聞いてみてください。
たまたまAmazonMusicで見つけて流してた曲でぐさっときて、それ以降ずっとリピートしまくってる曲です。(音ゲー好きな人なら知ってるかも)