「最強!都立あおい坂高校野球部」は野球のマンガではなく、マンガみたいな野球の話です。

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マンガワンにて…高校時代に読んでたマンガがまさかの読み放題になっていた。

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マンガワン

 

このマンガはねぇ…難しいんだよ。

俺は大好きなんだけど…主人公たちが強すぎてハラハラドキドキしないんだよ…。

最初の方はそうでもないんだけど、終盤になると「はいはい魔球魔球」「はいはい右京右京」というマンガになってしまう。

・あらすじ

小学校時代に野球を教えてくれた菅原鈴緒(鈴ねぇ)を「甲子園に連れて行く」と誓った5人の教え子が、鈴ねぇが野球部顧問を務める「都立あおい坂高校」へ入学。

学校の誰からも望まれないのはもちろん、野球部も人数ギリギリ。

外野まで練習できるようなグラウンドもなく、打撃練習もままならない。

そんなダメダメな環境から、5人の天才が伝説を起こす。

 

野球ファンが嫌いそうなマンガ。1巻の表紙からもう嫌いだと思う。

問題の1巻の表紙なんだけどさ…この巨乳のパツキンのちゃんねーが顧問なんよ…。

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…たださ…この表紙のせいで、野球マンガとしてはすごく勧めにくいんだよ…。

だって、こんな表紙だから

「女の子がかわいいマンガでしょ?」

「OPPAIありきで読み始めたんでしょ?」

とか言われそうで…すごーく野球ファンからしてみたら勧めづらいのよ。

実際、女の子がかわいすぎて、女の子が汗だくになったり、泣きじゃくるのを期待しながら呼んでいた人は多いと思うし…。

いやさ…野球ファンが好きな野球マンガって、どちらかと言うと「おれはキャプテン」であり、「ダイアのA」のような野球チームの中も外もギスギスした作品であり、現実と同じようなところできっちり負ける作品だよ…??

野球に青春と人生かけちゃうことの根暗さ、惨めさをちゃんと描く作品の方が評価が高いのよね…。

そういうものから見ると、女性顧問と青春を満喫してしまう「おおきく振りかぶって」と「あおい坂」は…邪道なんだよ。

おおきく振りかぶっては「弱小が弱小なりにがんばる作品」だからまだいいよ?

でも、あおい坂は「早実とか日大三高あたりのガチの甲子園常連校で雑用→ベンチ→3年でやっとレギュラーみたいな人が読んだら、ブチ切れるでしょ!」という内容。

例えるなら、高校時代の清宮・イチロー・新庄・清原・松坂・元木辺りが都立に集まって野球やっちゃうような作品だからなぁ…。

野球好きな人から見たら「マンガですね♨」としか言いようのない作品。

そこが清々しくて楽しい作品。

ただ、こと野球については「人生を野球のためだけにどれだけ費やしたか」みたいな空気が強いから、これは…受け入れられづらいんだよねぇ…。

もちろん、あおい坂も野球理論、心理描写はしっかりしている作品なんだよ?

都立の学校が甲子園に行くことがいかにありえないか、いかに望まれてないか、強豪校の人たちがいかに苦労して野球をやってるかも描いているんだよ??

でも…それを描いてもなお、そういう人達をマンガの世界から来たおかしな集団が踏み潰していく作品だからなぁ…。

現実の虚しさ、厳しさを踏み潰していくからなぁ…。

どちらかと言うと、ピンポンとかテニスの王子様とか咲を見る気持ちで読むことをおすすめしておく。

部分的にスポーツ理論・スポーツ事情をちゃんと紹介しつつも、結果がオカルトじみてるからそこに納得できない人にはとてもオススメできない。

じゃあ、なんで僕があおい坂が好きかという話を少しだけ。

僕も野球マンガとしては…

「あーギャグにもリアルにも触れずに立ち位置がうまく作れていないサンデーは、野球マンガやらないほうがいいわ。」

と正直思っていて、あんまり評価していない。

少なくとも、好きな野球マンガが「あおい坂」という人に会ったことがない。

ただ、物語としてはすごく好きな作品。

なにしろ、僕自身が

「こういう青春を送ってみたい人生だった」

と思ってる作品の1つがあおい坂。

…いや、送るチャンスがあったからこそ、あおい坂を読むようになった。

その中でも、「女性の顧問のためにがんばる人数ギリギリの男子部員」という立ち位置が当時高校時代の僕みたいで、すごーく共感して読み始めた作品。

高校1年の時に自分がいた部活は、あるメジャースポーツの強豪校の片隅で細々とやってた存在感の薄い部活。

私学だったから特進クラスもある学校で…特進クラスでもなきゃ、スポーツ枠でもない僕であり、その部活に所属する大多数の人は「見返してやる」みたいな意地とやる気があって、部活をしてた。

その時の部活の顧問をしていたのが、去年赴任してきた20代の女性教師で、僕はその先生にすごく懐いていた。

だから、顧問の先生にウイニングボールを渡したがるあおい坂のメンバーの気持ちとかすげーわかるし、一人悩む先生を見てどうにかしてあげたいと空回りして馬鹿をやっちゃう気持ちもすげーわかる。

それに、部活をやっている時の部員たちとの「腐れ縁」を共有している空気感の描き方が強豪の部活ではなく、少数精鋭の部活特有の空気ですごく好き。

「お前の個人的な思い出と、リンクしているだけじゃないか!!」

といわれたら、それまでだと思っているような思い出が詰まった作品だから否定しきれない。

僕がこのマンガを好きな理由が、こんなにも個人的だったから

「よくサンデーでこんな僕しか喜ばないマンガを連載してたなぁ〜」

「この作者は次がないだろうなぁ〜」

「作者は絵がうまいから原作付きであるかもしれないけど、あおい坂が日の目を見ることはもうないだろう」

と思ってた。(打ち切りっぽく強引に終わっちゃってるし…)

だから、コレを再び取り上げてくれた時に、マンガワンを毎日チェックしていてよかったなぁ〜と、一人で、僕しかわかんないことで感動してた。

個人的な思い出がない人は鈴ねぇにおねショタ願望をぶつけながら読むマンガなんだと思う。真面目に野球やってるマンガなのに、あの顧問のキャラが萌えキャラとして完成度が高すぎて、完全におかしなことになっちゃってる…。

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逆に、こっちはこっちで「こんな野球マンガねーよ」というマンガ。

野球事情、野球理論、ホモソーシャルの中でのせめぎあいみたいなものだけで野球マンガを作っても、それはそれでひねくれた野球マンガができるんだよなぁ〜

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