最近、PR記事の依頼を受けて、はじめてブログを使ってお仕事っぽいことをした三沢文也です。
まだまだ、駆け出しにつきお安い料金で話題作りをいたしますので、いい話があれば、声をかけて下さい。
…と冒頭から宣伝をかましましたが、これには理由があります。
まず、最近出たiPhoneの新しいiOSでは広告が表示されないアプリが話題になっているのです。
iPhoneの新OS『iOS 9』は広告ブロック機能でページ表示速度が3.9倍に。通信量も53%削減
特に、最もポピュラーな広告の1つであるGoogleの広告が表示されなくなっているとあって、大きな話題になっています。
そして、この件を報じる際、こんな浮かれたタイトルをつけた奴もいるが、僕はちっとも賛同できない。
すべてのネット広告業者に神の裁きを、Apple様の広告ブロックです
…Appleは神ですか…。とんだ邪神がいたものです。
「自分のブログのGoogle AdSenseからの収入が減るからってカッカするなよ!」
とか言われそうだが、そんなこと関係ないです。
僕が儲かるとか儲からないとか以前の問題として、歴史的に「メディアから広告を排除しよう」と消費者が試みても、消費者が目当てにしているコンテンツそのものが広告になったり、より悪質な企業の広告があふれることでかえって利用しにくくなっていることさえわからない人がたくさんいるのか…とうんざりした次第です。
昔のテレビはこんなにCMみたいな番組が多かったですか?
よくよく思い出して欲しいのですが、HDDやDVD録画でテレビを録画するようになったぐらいの時期からテレビは大きく変わりました。
宣伝っぽい番組が増え、CMは保険や消費者金融などうさんくさいものばかりになった。なぜかというと、「CM」カットがボタン1つでできるようになったからです。
ビデオデッキの時からCMを飛ばしてみられるようにすることができたけど、大多数はそのまま流しているか、早送りで映像ぐらい見ていたからまだCMを流す価値はあった。
それにインターネットもまだまだ台頭してなかったせいもあって、90年代〜00年代半ばまでは今ほどCMだらけの番組や、お金に汚そうな業者のCMばかりでもなかったし、そもそもCM自体にお金をかけて工夫するからCMにも面白いものがいくつかあった。
だけど、CMを見ないという選択肢が広く普及してから、テレビ自体がCM臭くなり、番組もまたCM臭くなった。*1
例えば、お昼の番組、例えば深夜番組、例えば芸人がたくさん出ているバラエティなどでは番組とはあまり関係がないCMっぽい商品紹介や、番組自体がどこかの飲食チェーンに行ったり、メーカーに何かを作ってもらう、工場訪問や製造工程をクイズにしたり、ほこ×たてのように企業に活躍の場を設けたりしてPRしてもらう機会が増えたのではなかろうか?
お金がある頃のテレビみたいに(今で言うお正月番組のように)面白そうな企画やバカ騒ぎ自体がテレビになっていた頃と違って、何とかして企業やお店や特産物をあの手この手で体験したり、紹介する番組を盛り込もうとする機会が増えた気がする…。
また、CM要素・情報番組要素を盛り込みにくいジャンルの番組(例えば音楽だったり、例えばもっと低俗さや派手さを売りにしたバラエティ)はことごとく放送されなくなったのではなかったか?
CMの方はもっと酷いのではないか?
いかにもうさんくさい業界か、すぐに潰れそうな会社が無理やりCMでクリーンなイメージや一時的な知名度を上げて荒稼ぎする…というケースが増えた時期があったが、最近はどうなんだろう…?
昔はもっと食品メーカーのCMが多かったり、音楽の新曲情報が有名芸能事務所からCMで出てたりしたものだけど…最近はそれらよりも金融や車や保険やSIMカード・固定回線のCMが全面的に前に出てきて、しかも昔ほど面白くもないというパターンが増えたのではなかろうか?(もっと酷いと埋まらなくて自社の番組宣伝…なんてことも)
まとめていくと、CMがCMとして見られなくなったら、CMはCMであることから形を変えるのです。CMがコンテンツの中に入りCM要素のないコンテンツはドンドン排除されていきます。
また、それまでのCM枠は安くなったり、審査する方も健全さよりも枠を埋めることが優先されるとCMはより汚く、不健全なものが増えていく。
察しのいい人はもうお気づきでしょう!
そうです、ネットでも同じような方向へ行きますし、もう進んでます!
PR記事などいわゆる「ネイティブアド」と呼ばれるものを出すメディアが増え、
PR記事がより前に出るように、ソーシャルブックマークやニュース配信アプリ及びポータルサイトなどにはPR記事を出すメディアのための枠や公式ブログ、公式アカウントなどが設置される。
…もうすでに、このブログサービスを運用してる「はてなブックマーク」や「はてなブログ」なんか明らかに昔に比べて「CMみたいな記事」「CMみたいなブログ」が前に出てくることが増えましたよね…。
昔ながらの広告としての広告はもっとケバく、生臭い方へ向かっています。
iOS9の広告ブロック機能、Crystalと言うアドオンアプリをインストールしてお試し。GoogleAdは全部消えてる…nend、I-mobile、amoadなどブロックされないのも多い。精度はアプリ次第ということか。
広告配信サービスであるGoogle Adwords / Google Adsenseというのは、下世話な広告には厳しい方の業者さんでして、Googleさんの広告は、ぶっちゃけホワイトな広告しか配信されてないんですよ。
それに対してドメスティックなエロマンガバナーとか配信している国内広告枠は止まらないようで、なんのための広告ブロックなんですかね。
(まぁ広告をチクる機能はあるようですが)
テレビなんかもそうですが、広告を出す方もクレームは怖いからまともな業者であればあるほどクリーンな広告を出す・扱うようにしてたわけだが…大きくてクリーンである業者から圧力をかけても、小さい業者・それまではクレームになるような事をしてたから大きくなれなかった節操ない業者が大きくなるだけなんですよね…。
そうやって生臭いCMが増えてますます住み心地が悪くなる気がします。
ちなみに、広告をブロックするアプリは有料だそうです。たった、120円だそうです。
「iOS 9」のコンテンツブロッカー機能に対応し広告をブロック出来るアプリ「Crystal」、リリース後12時間で10万ダウンロードを突破
Appleだけが儲けて、得して、「神の鉄槌」なんて息巻いてた消費者でさえCMみたいなコンテンツを見る機会が増えるか、自分の求めてる商売気のない面白いコンテンツが探しにくくなることで不幸になることでしょう。
びっくりするほどユートピアですねぇ〜♪
あれだけ「ざまーみろ」と言ってた消費者はCMっぽいコンテンツを見る機会が増えるようだけど、それまで広告を出してた業者やブロガーはむしろチャンスではないでしょうか?
それまでの宣伝方法が限定されたことで、「じゃあ宣伝みたいな記事が増えてもしょうがないよね」という空気もできていますし、死活問題に迫られた業者は確実に広告する方法を変えるでしょう。だって、収益になってるのはコンテンツではなく、広告。
その状態が業界全体に広がっていくことでPR記事を抵抗なく出せるようになり、それまで儲けに縁がなかったブロガーも面白おかしくPRを書ける(それまでだとPRっぽいPRしか書かせてくれなかったけど、もっと自由になる)ようになるからいい時代になるのではないでしょうか?
…そういう時代に乗り遅れないためにも、僕は「僕のブログでもPR記事書きますよ。話題になるのももちろん、ゲームや飲食店については僕が実際に紹介したお店やサービスを利用した人も多いので、一定の効果はありますよ。」と今からPRしておくとしましょう。
がめついだなんだという人がいるかもしれませんが、お金がないと大きなこと、面白いことはできないんです。やりがいだの誠意だのという言葉は払うものをきっちり払っている人が言うべき言葉です。
というわけで、お問い合わせフォームと、僕のサイトの実績はこちらからどうぞ。いい情報、いい案件、お待ちしておりますm(_ _)m
生臭いとかなんとか言われようとも生きていくにはお金が必要なんです。
みんなに知られたい・評判になりたいという欲望が人々にはあるのです。
それらがある限り、CMはブロックされたり、飛ばされても手を変え品を変えてコンテンツと一緒に、コンテンツがあるところに入り込んでくるのです!
排除するツールが神の鉄槌?
いやいや、ただただ因果応報で自分が「タダで楽しませろ」とネットにないものねだりをした結果、自分の周りのネットがドンドンCM臭くなってコンテンツが画一化していくだけなのです…。
ネットのPRってまだまだ硬すぎると思うんです…。もっと面白いPRをするヨッピーさん的な、メタに構えながらバカにしつつもキッチリPRをやるマツコ・デラックス的な人が人を認める文化ができてもいいなぁ…と内心思ってます。
*1:というのが、僕の雑感だけど、こういうものの歴史や知識を詳しく調べてくれる人がいたら、もっと細かく掘り下げて欲しいところ。あざなえるなわのごとしさん辺りがやってくれないかしら…?