このサイトとは別に新サイトを立ち上げました。
二次元コードというサイト名で、
「二次元に多くの人に繋ぐ電線のようなサイトを目指す」
という理念を掲げました。
アドレスを決める時の打ち間違いがきっかけでした。
バーコードリーダーで読み取る2次元コードは「code」で規則・情報体系という意味。
でも、スペルミスから「cord」と打ち込んだことから「電線」という意味のコードになってしまい、こういうサイトが立ち上がりました。
そこで、「他の企業理念も見たい」と思うようになってみたところ、奥が深くて面白かった。
オリックスが弱くても見どころいっぱいで、強くても試合を捨てる理由
まず、オリックスの企業理念ですが…こうなってます。
行動指針のところが、すごくオリックスらしい。
というのも、オリックスは「ドラフト下位でいい選手を引き当てるのがうまい」という伝統があります。
これは他にはない先見性・他の情報に惑わされない柔軟性があるからできることです。
また、強くても弱くても、広報が革新的。
弱い時はパジャマみたいなチェック柄のユニフォーム・地球をかたどったユニフォームなど訳のわからんことをしていて、
強くなると、「パ・リーグ最高」と題して各チームとの戦いを振り返りつつ健闘を称え合うやや煽りっぽいポエムがついた画像ツイートをしてたりします。
パ・リーグ最高!#Bs2022 #プロ野球 #NPB #ORIX pic.twitter.com/Nfh216Jf9F
— オリックス・バファローズ (@Orix_Buffaloes) October 3, 2022
これに、「強くなったからっていきなりそんなことするのかよ」とか怒る人もいたけど…元々オリックスの広報は独特だから別段驚きはしなかった。
それどころか、オリックスファンの方の情報によると…10年ぐらい前からオリックスの広報はポエマーテイストらしい。
10年前からポエム球団 pic.twitter.com/OTMG9cqvJE
— ミラクルチャンス堀江( ͡° ͜ʖ ͡° ) (@muscle_swing) October 29, 2023
この「ちょっと頭のおかしい感じ」がオリックスぽさなんです。
革新性を企業理念に掲げてないどころか、「誠実」が1番に来る西武なら絶対やらないです。
でも、オリックスは「誠実」であることは掲げてないから強い監督は試合を捨てでも勝ちに行くし、
弱い時でもチームでもちゃんと糸井嘉男が最年長盗塁王取ったり、チームの勝率が酷いのに山岡泰輔が最多勝率のタイトルに輝いたり…他にはない創造性を発揮してきます。
だから、暗黒期でさえ、
「個人技・編成・頭のおかしい広報には見どころのあるチーム」
という面白さがあるのがオリックスのいいところでした。
そして、オリックスになってからの強い監督は、「英知と情報を集結させて」という言葉通り中嶋聡監督も、仰木彬監督も「実はデータ派」の監督でした。
「人間的なふれあいを通じて」という言葉もあるように、人心掌握術に長けた監督でもあり、お世話になった人・キャリアに大きな影響を及ぼした人は仰木監督・中嶋監督のエピソードを色々語ります。
でも、誠実ではないから
「負けるとわかったら、試合を捨てる」
「ただ負け試合で終わらせるのではなく、次に繋がるデータと経験を集める」
というやりくりを重視する一面もあるのです。
私はオリックスファンだから
「オリックスの勝ちパターンこそ理想の監督像」
と思っていたから無意味に勝ちパターンの選手を浪費したり、酷使する監督は好き嫌い以前に頭が悪く見えました。
でも、そこは重視するものが違うんだなぁ…としみじみ。
西武は誠実だから強くても弱くても目の前の試合から逃げない!
西武の行動指針はパ・リーグの中でもちょっと独特。
パ・リーグは「革新」「創造」という言葉を企業理念・行動指針に掲げる企業は多いのですが…西武はそんなこと一言も言ってません。
中でも、特に西武らしいのが「誠実」「ともに歩む」という2つの単語。
西武は…一度とった選手を簡単にクビにしない。
また、負け試合でも手を抜いてデータ収集したりもしない。
さらに、チーム再建期であっても、盛り上げるために個人タイトル優先、頭のおかしい広報で無理やり存在感を出すようなこともしない。
来てくれたファンのためにその日できる最高のパフォーマンスを出す。
いい時もツラい時も、選手ともファンともともに歩むから、西武から簡単に切るようなことはしない。
昔は衰えた選手を晩年だけで放出・伊東勤花束事件などの選手に冷たいところはあった。
だけど、最近は名選手がライオンズで引退できるように計らう一面も見せていて、西武の誠実さ、衰えた選手にやさしい一面も出すようになってる。
私が子どもの頃に西武が強かったから一目置いてた部分もあるのですが…色んなことを知ってからは
「西武の男気あふれる姿勢が年々強くなっているところ」
が、けっこう好きだったりします。
年間で勝負を考えないことで
「いやいや、その采配はおかしいでしょ」
「ピッチャー酷使しすぎて、潰れるぞ!」
と心配になる時もあるのです。
絶対勝負を捨てない姿勢で6−0で「勝った」と思った試合をひっくり返されることがあるし、
先制されても僅差まで追い上げたり、延長戦まで徹底的に戦い抜く姿勢を見せたりするから、西武には成績以上の怖さが抜けないですね。
ソフトバンクがAクラスの監督を変えたのは「持続可能」でも「革新的」でもないから
ソフトバンクは…「革新的」であることに重きをおいてるから、10年代は強さだけじゃなくて、選手育成やビジネスでも色んなことを切り開いてきました。
その姿勢が、オリックスが2連覇しても、
「僅差の優勝じゃないか!ホークスが噛み合ってたらホークスのほうが強い」
と思われている一因だから、オリックスファンとしては【ホークスファンはいつまで玉座に座ってる気分でいるんだ】と頭にきてたところもありますが…気持ちはわかります。
あれだけ革新的で、名選手もいるわけだから…何か1つでもずれていれば、2021・2022はオリックスが負けていたとも思います。
2023年に文句なしの優勝をするまでは「実はソフトバンクの方が強いんじゃないか?」と思っちゃう人の気持ちはわかるし、ぼくだって「そうかもしれない」と迷う気持ちはありました。
革新的なことをいち早くやって、それが10年近く持続したことで…もう一種のブランドになっているのです。
ただ…藤本監督はそのブランドを維持しきれませんでした。
やや、フロントの責任まで押し付けられた形にも感じますが…あれだけの設備と補強をもってしても優勝できないことは、ホークス信仰を揺るがすのです。
いつまでも補強できないし、かといって新しい選手を発掘できてない以上「持続可能じゃない」と思われて切られるのもやむなしなのです。
だから、他のチームなら「Aクラスならよくやってる」と思われることも、ホークスでは許されないのです。
ただ…やっぱフロントの責任だと思うなぁ…。
サムライジャパンに平田とか呼んでしまう小久保監督だよ?
平田自身の成績どうこうではなく、引退の仕方がびっくりするほどかっこ悪くて話題になるような選手でも
「とりあえず成績いいから呼んでみるか」
と呼んでしまう人だよ?
「もうパ・リーグは終わってしまった」
と思わせてきた時期のホークスじゃないんだよ…
これが栄光の残り火だったことがとても悲しいよ…。
初めて見た時には、「もうダメかもしれない」と思うほど衝撃を受けたんだけどなぁ…。
選手の幸せの為なら、札幌市とも戦う日ハム
日ハムの企業理念1つ目は2つ捉え方があってですね…
1つは「時代を画する文化を創造し」の部分。
これは北海道にプロ野球チームを根付かせたことや、大谷翔平の二刀流やあえて話題の選手に行くドラフト戦略など…「日ハムの成功は新しい文化を作る」という感じをうまく言い表してます。
エスコンフィールドの成功もそうですよね?
試合がない日でもお客さんが入るほどレジャー施設として優秀で、野球専用球場でももっとやれることを示してくれたことでムリやり多目的ドームにしなくても回ることを示してくれた。
もう1つは…「食べる喜び」のところですね。
中日とのトレードでファイターズの一員になった選手からは「スタバが飲み放題なんてすごい」と言われ、逆に中日は「お米禁止」が話題になった。
そして、
「エスコンフィールドではシャウエッセンドッグが食べられる」
という「日ハムの試合なんだから日ハム製品を勝って応援したい」というファンの期待に答える姿も、話題になりました。
(シャウエッセンドッグ自体は札幌ドームでも食べられたのですが、「球場内の立地が悪いところにある」ことで、「札幌ドームは日ハム製品を締め出してた」という悪評まで立ってたんですよね…)
そして、選手をすぐ自由契約にするため、日ハムは選手に冷たいイメージがありましたが…誰よりも泣く泣くだったのは当の日ハムです。
「球場の芝生や収益構造を変えてほしい」
と何度も札幌ドームと交渉しても、札幌ドームは日ハムへの搾取ばかり考え、そのしわ寄せが選手の幸せが阻害される結果になりました。
ついに、日ハムがブチ切れてエスコンフィールドを作って「日ハムらしさ」が戻ってきています。
野球の方はまだ投手が揃いきってないし、野手も荒削り。
だから、順位にそれが反映されるのはもう少し先かもしれない。
だけど、早く札幌ドーム時代の傷が癒えることを願うばかり。
強い時のハムは、新しい文化を作るほど大きな衝撃を与える。
その力をまた見たいんだよ…。
「愛され」たいロッテ
西武も「革新」「創造」と掲げてないが…ロッテも実はそんなこと言ってない。
そして、西武は「誠実」だったけど、ロッテは「愛され、信頼される」なんだよ。
特に、「愛され」のところはすごくロッテらしさを言い当ててる感じがした。
ロッテは名選手が引退する時に、どのチームより湧く。
選手どころか、ウグイス嬢の引退まで花道が作られるほど、愛されてる。
いや、ウグイス嬢どころじゃないな!イニング間に出てきたマスコット「謎の魚」まで引退セレモニーしてたわ。
普通、かわいいチアガールが話題になるだけのイニング間のイベントだけど…ロッテは謎の魚、ダッシュマンと言った別にかわいくはない(どっちかというと、すごい・面白い・シュールな)やつらまで愛されてる。
躍進する時も、育成や編成が革新的というよりも、選手と監督の信頼関係、愛されている選手の存在が大きい。
だから、「革新」や「創造」を掲げるオリックス・ソフトバンク・日ハムとは勝利した時の味が全然違う。
チーム状態がいい時にはとにかくひとりひとりがしぶとく最高のパフォーマンスを出すし、
優勝する時にはファンから愛されて、引退後も話題になる・成功するような名物の選手がいる。
「革新」「創造」を掲げてないチーム同士でも、
西武は「誠実に1試合1試合全力で戦っても1年戦い抜けるほど強い」が勝ちパターン。
逆にロッテは、信頼関係だから…圧倒的ではなくても、しぶといで下剋上してくるし、最後までもつれ込む。
ぼく、正直ロッテのことはもっと「地味キャラ」扱いだったんだけど…「愛され」というロッテを語るキーワードを見つけた時に、
「うわぁ〜ロッテに感じてたロッテだけのオンリーワンな部分をうまく言い表してる」
とすごくロッテのこと好きになった。
逆に楽天は、まだ野球に企業理念が乗っかってない気がする
イノベーション…楽天が優勝したときでさえ、野球が革新的だった記憶ないなぁ。
むしろ、楽天の野球で驚いたのは「梨田監督が外国人選手で1〜3番を固めた時」だなぁ…。
その梨田も優勝できなかったし続かなかったし…。
エンパワーメントねぇ…。
自前で大砲を育成できてないから、ずっと大砲を補強しているから、フロントや裏方が下支えできてる印象も受けないんだよな…。
いや、球団のあることでイノベーションやエンパワーメントされた部分はあるんだよ?
もちろん、東北拠点の野球チームを作ることで、東北の野球が盛り上がったよ?
楽天が誕生ができてから、どんどん東北の野球が盛んになって、いい選手いっぱい出てくるようになったし、センバツでも東北枠が増えた。
でも、野球で「楽天らしさ」ってなんなんだろう?
むしろ、すごいピッチャーがいて、大砲は少ないけどコツコツチャンスメイクするのがうまいという…イノベーションというよりも高校野球2.0みたいなチームに見えるけど…
楽天が次優勝する時にそれが分かる感じなのかな?
ピッチャーが世代交代に入りそうだから、今江監督がすぐにやるってことはないんだろうけど…次に楽天が優勝する時どんな野球をするのかがすごく興味ある。
そのぐらい、親会社と楽天のやりたい野球が繋がってこない…。