【Welq問題】なぜDeNAのパレット構想は拡大し、暴走したのか

最近、DeNAの医療系(?)キュレーションメディア「Welq」がやらかしたてることが話題になってる。

 

話題の案件なので、皆さんよく知ってると思うが…何が問題かを簡単に引用する。

1記事175円で素人にパクらせるかでっちあげで書かせてそれをそのまま真偽も確認せずに掲載することは、少なくとも「編集」とは言わない。編集部なんてそもそも存在してないでしょう。「クラウドワークスに発注部」はあるかもしれない。編集部というからには「著作権法」「薬事法(現薬機法)」「医師法」くらいは最低限知っておかないといけないといけないわけだが、やってる人らはほぼ個人の馬鹿アフィリエーターレベル。

さらにいみじくもこのリリースの中で

いままで医者などの専門家のチェックを全く受けていなかった

と自分で言っちゃってます。それで医療や健康関係のキーワードで上位を独占していたのか!!

DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回) | More Access! More Fun!

 

なんでこんなことになってるかを説明するために、まずはDeNAが最近力を入れていることを説明していく。

 Welqは氷山の一角?まだまだあるぞ、DeNAのキュレーションメディア

DeNAといえば、ゲームの会社というイメージがあるが、実はそれらはゆるやかに下降している。
そのため、最近ではWebメディアやそのスマホアプリに力を入れている。

 

それも、ハッカドールみたいな「情報を探してくるサイト」ではなく、どちらかと言うと、「NAVERまとめのライターだけバージョン」みたいなやつを作ってる。
建前はユーザーも書けることになっているが、BuzzFeedの取材によるとほぼライターが書いているらしい。

 

それを各ジャンルごとに「パレット構想」と称して展開。
そして、それらのキュレーションメディアをスマホアプリ化して配信してる。

DeNAパレット|DeNAのキュレーションメディアプラットフォーム

 

長くなるけど「どんだけやりたい放題か」を示すために、敢えて全てのメディアを羅列すると

女性向けのサイトの「MERY」
料理系のサイトの「CAFY」
インテリア系のサイトの「iemo」
旅系のサイトの「Find Travel」
男性向けのサイトの「Jooy」
妊娠・出産・子育ての「cuta」
アニメ・映画・音楽の「puul」
医療・健康系の「WELQ」
お金の全般のサイト「uqin」
車関連のサイト「GOIN」

とこんだけある。
命や法律に関わることだからWelqが問題視されているけど、企業の体質が体質だけに、妊娠・出産のメディアや、お金のメディアも精査したら危ないものが出てくるかもしれない。本当は「情報が早い」とか、「まとまってる」とかそういう基準で書いてはいけないものに手を出しすぎているから。

 

なんで、運用がここまでずぼらなのか?

それはパレット構想の成り立ちが大きく関係しているだろう。

現状、何かと話題なのはWelqだが…元々成功し、稼ぎ頭となっているのは女性向けのMERYであり、結果的に味をしめて色んな方面にサイトを作ったという感じのようだ。

…実際、少し前にDeNAのパレット構想を宣伝する座談会的なものにタダで行って話を聞いたら、MERYの話をいっぱいしてた。(MERYの編集長も登壇してたし)

 

ちなみに、僕が行ったのはこれ。

「雑誌でもWebも、価値のあるものを作り続けていけば、必ずユーザーから求められるようになる|Career Supli

これの話は後で詳しくやるとして、話を進める。

MERYで味をしめたDeNAは他のメディアでも絨毯爆撃的に記事を大量投下・さらにSEO的な手法を乱発して、医療系の主要ワードの検索上位を独占。

ちなみに、今問題になっているWelqでは検索1位を取ったワードが有志によってリスト化され、見てもらえばその恐ろしさがさらによくわかるだろう。

 

結果として、メインのゲームやECがゆるやかに落ちているのに、キュレーションメディアは急成長!!

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モバゲー衰退から完全復活のDeNA。1年後にはメディア事業がゲームに次ぐ柱に

 

実態はともかく、ドル箱と化したキュレーションメディア。

それも、プロ野球球団やゲームなんかよりも、一度検索上位を取れば安定して収益が獲得できるドル箱。

天下のDeNAがこんな美味しいビジネスを見逃すわけがなく、様々な方向から批判されても、極力サイトを存続させる方向へ、できるだけ譲歩しない方向で動き続けている。
確かに、謝罪や記事の削除は少しづつしているけど…一度悪者になったサイト、一度信頼を失ったブランドイメージを扱うにしてはお粗末な対応が多すぎる。

専門性を重んじない体質が今のWeb編集者達には蔓延してる

私は医療メディアのことは門外漢ではあるものの、

「(それ以前の問題が多すぎて、)こいつらは許しておけない」

と思っている理由が2つある。

 

1つは…DeNAでの座談会で見て、酷いものを見てしまったこと。

…正直言って、DeNA側から出てきた人間が司会もMERYの編集長も、そこにいた人間もみんなひどかった。(僕はゲストの人に用があって見に行ったわけだし)

 

しつこくなるほど、ライターとしての資質を専門性よりも「社会人としての○○」みたいなことを強調してた。

引用した書き起こしにはあまり書いてないことだが…実態はコンテンツの話よりも「みんなで作るものだから、社会人としてキチッとしていることが前提ですよ」みたいなことに登壇者も、参加者も頷いている空間だった。
そのため、「あー酷い馴れ合いの場に来てしまった」と思いながら聞いていた。

 

馴れ合い感が酷くなっていくのは、その後の懇親会でも同じ。

僕はオタク分野に興味があったからpuulに興味のある机にいたが…専門知識のある人は誰もいなく、自分がいかにすごい会社・すごい仕事をしたかという名刺マウントゲームが、オタクサイトのテーブルですら行われていた

 

DeNAのパレット構想に興味がある人はそういう奴ばっか。

そして、この兆候は近年、ブロガー界にも多いから言いたい。
好きなものへの愛情が薄い書き手は書き手同士で群れ、書き手の論理でしか物を書かないから、本当にいいものはかけない。
だから、同業者の仲間や知り合いなんて本当に強い人・意見が一致する人だけでいい。
誰かれ構わず媚びを売って歩くようなみっともない真似はしちゃいけない。

 

…そもそもね、好きなものがキチッとある人は中身のある話ができる。

WordPressの人達が取り仕切るブロガーフェスティバルならば、Webでの活動が社会や個々人の生活にどのように発展していくかとか、

オタクやはてな関係者が集まった時には、専門知識の応酬や面白い話が出る。

 

でも、DeNAのメディアでの座談会・懇親会にはそういう人はいない。

 

うんざりするほど目先のビジネス。
ビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネスビジネス

 

これを見て、確信したね。

女という、コラーゲンなんぞより情報と甘味を消費することで生きてる(から、専門性も中身よりも、話題として消費する事自体が目的・基準としてメディアを読む)ような生き物を相手にしている時はそれでうまく行ったかもしれない。
けど、オタク系メディア・趣味系メディアではそのやり方は通用しない。

ましてや、俺のテリトリーに入りこんだ日には、直に引導を渡してやる

と。

 

実際、puulの対決になっているワードがあるが、僕はpuulさんに勝ってる。
どの記事かは教えてあげないけど、僕ならNAVERまとめにもpuulにも勝てる。
しかも、複数のワードでね。

 

それに、僕のテリトリーはそんなに広くないけど、各分野に僕以上のオタクが各分野いて詳しい記事を書けてる。
だからこそ、NAVERやpuulなんかで書かずに、キチッと自分のブログをもってやってほしいよ…。
稀に、1つ2つ書きたいがために、そういうサイトに登録する人もいるけど、そのためのダメな記事を押し上げる記事なるからオタクや趣味人はできるだけ自分のブログを書くか、趣味が近いブロガーを見つけて寄稿するかしてほしいよ。

「信じることさ、必ず最後に愛は勝つ」

puulだけに言ってるじゃないぞ!
いいか?アニメ系メディアの連中は耳の穴かっぽじってよく聞いておけ!!
普遍性のあるワードは俺みたいな多方面展開できるオタクブロガーがキチッと抑える。
速報性の高いワードは2ちゃんねるまとめや、各話のまとめを専門とするアニメファンが抑える。

 

だから、ライターに数百円・数千円で書かせた愛のない記事なんか検索上位には来ないし、来たとしてもすぐに落とせるぐらいいい記事を書く・リライトして良くすることで逆転する。

 

また、ライター・編集者は「あらかじめ人気になりそうなワード」を予測して書き、それを社会人のマナーとやらで計画的かつ大量に生産することを強みだ。

だが、オタクを含めた趣味人とブロガーは「まだ話題になってないし、なることも予想できないワード」からだって攻め込める。早さと感度なら絶対に負けない。
それを極めることで個人ブログでも、人気ワードで戦えるだけのドメインの強さと、読者への信頼を獲得してきた。

 

そう、もう1つは専門性だ。
ウケそうなワードを見抜く能力は高いけど、早さと合意と量産することしか脳のない連中だから、Welqのような法律違反を犯してなくとも、本当に詳しい人に書き方を教えて、SEOに強くなる設計にさえしてやれば…勝てる。
読者度外視のSEO的手法で上位にいることはあっても、それは超えられる。

 

正直言って、ウェブメディアとしての運用ノウハウさえ理解した上で…時間をかけ、ターゲットを女性にして、たくさんの記事をSEOに見合った形で量産すれば、そこそこマネタイズしたメディアは作れる。

だから、女性向けのメディアはすごく多い。
多い中でも内容が優れている所はほとんどないし、何よりも読んでいる女性自身がそれでもいいと思ってるからダメなメディアも生きながらえている。
僕がネットに入り浸るようになった頃…つまり、mixi最盛期からその傾向は変わってないので、ネットメディアの普遍的な傾向の1つだとさえ考えている。

 

でも、そのやり方をしてはいけない聖域が2つある。

1つは命とかお金とか…その人の人生に深く関わってくる分野。これは法律的倫理的に「作る側の都合」だけで、記事を量産すると必ず読者の恨みを買い、やがてその人達が所属する「事業・組織・社会」の単位で崩壊する。

1つは、趣味。「ライトな人に読まれればいい」でメディアを開設しても、そういう人はマンパワーに勝る・新たに流行ったサイトを見つけたらことごとく移住していくから定着しない。
本当に定着する・お金を使うのはオタクであり、マニアだから、その心を打たないメディアは必ず衰退する。

 

ビジネスで、スピードと合意だけで何でもかんでもができると思ってたら大間違いだ。

男と女の間にだけ「愛」が育まれると思っているなら、あなたの人付き合いはきっとすごく小さく、命を燃やして生きている人ときっと会ってないかわいそうな人達だろう。

 

趣味に、作品に、体験に…愛を見出し、愛に殉じようとしている人間が世の中にたくさんいる。
そういう人は女性に見向きもされなかったから、ビジネスからはみ出したから仕方なくそうやって生きてるとでも思ってるなら、今すぐ撤回しろ。

 

最後に愛は勝つよ?
その時々のアルゴリズムは騙せても、生身の人間が感動したかどうか、熱意や誠意を感じたかどうか…そこは嘘や社交辞令や、ゲーム的な手法だけでは作れないものだから。

 

 自分のテリトリーのことだったからキツいこと言いまくったけど、万年最下位だった横浜ベイスターズをまともに球団にしてくれたDeNAのことは基本的に応援してる。野球ファンとしても神奈川県民としても。

 

ずっとDeNAベイスターズとしてやっていってほしいからこそ、まともな商いをして成功して欲しいです。 不格好に失敗を認めてやり直して欲しいです。

 

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