僕の熱心なファンはご存知かも知れないが、不定期ながらツイッターでZガンダムの実況を垂れ流している。
今のところ、全3回。26話まで消化した。
そのZガンダムの実況が26話まで行き、折り返し地点に入ったので、実況記事の宣伝かねがねZガンダムの魅力を語ってみたい。
そして、その軸としてZガンダムを薦めたグダちん(id:nuryouguda)さんから「見るとモテる」と聞いたため、僕もその路線で人々にZガンダムを普及してみたい。
だが、グダちんさんは富野由悠季の大ファン、僕はGAINAX/TRIGGER作品(庵野秀明・鶴巻和哉・今石洋之ら監督作品のファン)なので、両者が何を言っても
「最近の萌えアニメが嫌いな古いオタクがギャーギャー言ってるだけじゃない…」
「そもそも、そんなにモテてない人がモテるというのも…」
となりかねない。
そこで、モテ本のベストセラーである二村ヒトシさんの「すべてはモテるためである」に書いてあることをもとにZガンダムがどうしてモテるかを紐解いていきたい。
二村さん自身がガンダムの格好をして、自身が出演する作品にシャアの格好して登場している比較的オタクなモテ男で、今回の実況もちらっとリツイートしてくれたのだが、それはそれこれはこれということで…(* ̄(エ) ̄*)
1,フィクションは大いに参考にできる!
まず、二村さんはモテ本を作る際に女の子に相談したらこんな返事をもらったらしい。
(二村)―どうすれば女と口がきけるか、仲良く慣れるか、なんて過ぎく大事なことじゃん。ひょっとすると男の人生の中で一番大事なことかもしれないのに、男が大人になっていく過程で誰も教えてくれないわけですよ。
(女性)「マニュアル本なんか読まなくてもあちこちにヒントが書いてあるじゃない。マンガとか映画とか、バラエティで司令の芸人がアイドルに馴れ馴れしい口をきいたりしてるとか、ああいうのを見て自分の感性に会うのを、(略)自分なりに参考にして工夫すればいいんだよ」
p27より。()と色は僕の付け加え。
…ただし、ここで注意して欲しいのは男と女で創作方法は微妙に違うため、女性には当たり前のこの発言が男にはそれほど当たり前じゃないというところだ。
少女マンガや女流作家の方が「モテそうな男(またはモテそうもない気持ち悪さが子供っぽく感じて不愉快な男)」を描いているのに対して、男の場合はそういった区別よりもジャンルや創作したキャラクターに合った性格にする(モテそうかどうかを重視しない)ため、男性向けばかり見ている人は女性ほどは「モテに参考なる作品」は見てない。
それどころか、男性がご都合主義に走るともっとモテからかけ離れる場合もあり、その辺は二村さん自身もオタクとモテに関する項目で言及している。
僕がオタクになり始めた頃に「うる星やつら」という漫画がありました。漫画作品として大変面白かっただけではなく、その後の多くのオタクたちの恋愛観というか精神に、大変な影響を及ぼしました。
「主人公の男の子が突然現れた宇宙人の美女に一方的に惚れられる」という物語なんですが、
(略)
しかし、そういうお話というのは「ちゃんとしてないオタク男」たちにすごく勝手に都合よく解釈されてしまって、彼らを甘やかす余地がある。
その解釈というのは、つまり「この世の現実はサエない僕にとってつらいものだけど、僕はこのままで、ここでこうして待っていれば、この世のものじゃない可愛い妖精がきっと僕のところにやってきて、ぼくをあいしてくれたり、いろいろ楽しい別世界に連れていってくれたりするかも」って、「サエない僕のままでも」ってあたりが、シンデレラ・コンプレックスで王子様に気に入られるように化粧ぐらいはしてる女どもより、さらに一段と酷いというか、『恋のドラえもん幻想』とでも呼べばいいでしょうか。
しかし、実際の「うる星やつら」は1ミリもそんな話ではありません。
主人公は「サエないちゃんとしてないオタク」どころか「オタク」ですらないし、美人宇宙人も主人公を甘やかしてはいない。むしろ「男と女の都合には、必ずギャップがある」みたいな手厳しい現実をテーマとギャグにした、かなり手厳しいコメディなんです
p95,p96
フィクションを参考にしたらいいという話が序盤にありつつも、 ご都合主義な作品をバッサリ斬っている。
これはZガンダムについて実況していた際に、二村さんがリツイートしたつぶやきにもこの発言の影が現れている。
最近、女の子が男を好きになるアニメが多すぎて、女の尻を追いかけまくる(または自意識過剰になって女の前でくねくねする男が多い)Zガンダムの方がむしろ現実的なはずなのに、かえって新鮮に思える。不思議や! #Zガンダム
— 三沢文也@こっちは本気で遊んでるんだ! (@tm2501) 2015, 10月 3
しかし、そこはガンダム!
Zガンダムは女の子が押しかけてくるどころかむしろ、男が惚れっぽくて女の子の前で緊張して失敗することが目立つ作品だ。
一方で、女性からモテるキャラもいるが、その女性のないものねだりや自分自身の女性へのトラウマを汲みとってくれないことに男が押しつぶされることで女を遠ざける。
作中ではたびたび「男と女の都合には、ギャップがある」ことをシビアに学ばされるシーンが出てきて、それが男女問わないため、とても恋愛の参考になる。
ちなみに、よく昔気質で昔の作品が好きなオタク・昔から活躍するアニメ監督(この場合、押井守。うる星やつらの劇場版「ビューティフル・ドリーマー」の監督でもある)が「最近のアニメの女の子はどこで寝て、何を食べているかわからない」と生活感のなさを指摘してる。
その基準がうる星やつら(81年連載開始)やZガンダム(85)だと言われると、確かに今のアニメの女の子にはそれほど自分達の都合もギャップがない・あっても言わない・態度に出ないよなぁ…と思えるので言わんとする事がわからないわけでもない。
2、女性と程よい距離感で話しやすいのが実は腐女子トーク
グダちんさんから紹介された時には「腐女子(女性のオタク)との話の種になるよ」という旨の話がされた。
これもモテの観点にみていいことで、女性の友達を作りや女性慣れするために「趣味のオフ会」への参加を推奨されている。
…趣味のオフ会でも全然知らない分野だと会話のキャッチボールにならないし、かと言ってこっちが知りすぎてる分野だとしゃべりすぎてしまう。
しかし、Zガンダムのヤオイ的な見方・声優ネタとなると僕が必死に勉強したってその道の女性は超えられないため、向こうが興奮気味に喋ってくれて大変やりやすい。
興味のある話でありながら、正しいか間違ってるかも判断しにくいため、いい意味での聞き役として腐女子の感受性を聞く側に回れるためとても良いキャッチボールが成立し得る!
そこら辺は小島アジコさんの「となりの801ちゃん 」を見てもらってもわかることだが、腐女子は得意分野になると男のオタク顔負けかそれ以上のテンションでしゃべります。当然耐性がない人は引くから聞いてくれてそれでいて、その時のトークについての秘密を守ってくれる人を重宝するので、腐女子的な引き出しを持っておくと女性との話は楽しくなると思います。(※恋愛に発展するかどうかはトーク技術と相性と運の問題なので、責任はもてませんが取っ掛かりとしてはZガンダムは良いアイテムだと思います)
3、女の子が言う「キモチワルい」が学べるZガンダム
二村ヒトシさんの本を引き合いに出そうと思った最大の理由がこれ。
引き合いに出している「すべてはモテるためである」という本の重要なフレーズに
「なぜモテないかというと、それはあなたがキモチワルいからでしょう。」
というのがある。
Zガンダムには「男と女の都合のギャップ」を理解しないまま男が女の尻を追い回したり、意識しすぎて言動がしどろもどろになったりする男性キャラが多い。(特にエマ中尉を好きになるやつは何故かキモチワルい男が多い)
その一方で余裕がある既婚者のブライト大尉や、大人なモテキャラであるクワトロ大尉もいるため、モテる男性とモテない(キモチワルい)男性の差がわかりやすく出てくる。
逆に、モテない女も出てくるので「女ばかりが都合を言う、キモチワルイと男を否定する」という感じにもなっていない。とてもバランスよく「男と女の都合にはギャップがある」ことを学べる作品だ。
加えて、キャラクターが成長したり、自信をつけたりすることでモテキャラに昇格することもあるため、「なるほどこうなればいいのか」という指針にもなるからおすすめである!
他にも、二村ヒトシさんが女性向けに書いたモテ本なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか 』にある「心の穴」というフレーズの説明もZガンダムの作中のキャラクターで説明がつく。
例えば、育つ家庭で家庭環境がうまくいかないなど・親から認められなかったなど生い立ちで子ども時代や親との関係で未練があるキャラクターはそのことを頼りに惹かれあう。
あるいは、片一方は育つ過程で家庭環境に恵まれなかったとしても、それに理解がない(違うところに心の穴が開いてる)と関係が深まらない。あるいは相手と自分が違うことをキッチリと認識できるため、相手に対して客観的かつ的確な分析をして相手との距離を置く。
男女観の塩梅が絶妙なので、大変参考になる。
できればオタクだけではなく、モテたい人にもZガンダムを見て欲し…あ、いいや。
腐女子トークできる男性が増えて、僕のお株を僕よりイケメンなモテ男に奪われると癪だから、「女の子との話の種なんか腐るほど持ってる」と自信満々な奴は見なくていいや。僕は得意・不得意に差がありすぎて気持ち悪くならずに話せそうなものが801トークだからガンダム見るけど、モテそうな人は見ないでいいし、できればみないでください><
僕だって、キャッキャウフフトークしたいんです><
ちなみに、バンダイチャンネルで全話見るとレンタルするよりもリーズナブルに見られるのでおすすめです。(僕もバンダイチャンネルでみてます)
・関連記事
フリーゲーム「999,Victory」は女子の発想で魔王を倒すゲームです!
恋愛×オタク繋がり。ゲームの世界に女性らしさとかモテるモテないを落としこむとどうなるかというゲームを作りがなされた作品。
「ガッチャマンクラウズインサイト5話」が小泉郵政解散以降の選挙情勢を20分に圧縮してた!
アニメの記事つながり。普段、アニメの記事を書く時も現実の事象と絡めたものが多め