【ハンチョウ3巻感想】なんやかんやで男同士の腐れ縁が一番気楽で自由

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いや~安定の面白さでした。

3巻はハンチョウじゃないとできない内容が詰まってて、すごく面白かった。
大げさに言えば、「革命的」であり、他の作品と一線を画するような内容が多くて「読んで良かった」と思える内容が多くて、シリーズの中でもかなり好きな1冊。

ハンチョウ、名古屋へ行く

ネットでも話題になってたハンチョウが名古屋に行って、名古屋の魅力を確かめようとする回。

100万どころか、200万都市なので…大阪とか札幌とか横浜とかそういう規模感。
でも、観光地がガツガツ浮かぶかと言われると…全然そんなことはない。

それどころか、100万都市の…仙台・京都・神戸・広島・福岡辺りのほうがまだイメージがしやすいんじゃないかな?

 

途中までは真剣に悩んでいて…名古屋名物の喫茶店のモーニングにもこの切り込み。

言われてみるとそうなんだよね…。

「コスパがいい」と言う評判はまだわかるけど、小倉トーストが料理かと言われると…ねぇ~。

 

よくあるグルメマンガなら、こういう検証を1話丸々にやってるし、美味しんぼなら名古屋だけで1冊作っちゃって「名古屋はこうだ!」と名状しがたいモノでも、作者なりにいい切ってくれる。

最近流行りの女の子が好き勝手に食べ歩く系のグルメマンガだと、逆に根本的な疑問には触れずに「シフク~」とか「プシュー」とか女の子が美味しそうにご飯を食べておしまい…。

 

だいたい、この2通り。

しかし、ハンチョウはそこらへんグルメマンガと違っていて、途中までは真剣に考えるのだが、なんと途中から投げ出してしまう。

見たことないわ!
こういう形でギブアップするグルメマンガ!!

 

お硬いグルメマンガでも、ゆるい食べ歩きマンガでもない独自の路線を行った瞬間だったから
「グルメブームと、福本伸行ブームに乗っかってできた作品なのに、やってることが今まで見たことない作品になってる。いい意味で裏切られた!!」
と、この裏切りがかえって快感だった。

 

そんなに金のないおじさんも4人集まるとけっこう楽しい

同性といる時の楽しさと、異性といる時の楽しさって違う。
同性といる時の楽しさは、自分が普通だと思ってることの中で、方に力を入れずに自由を満喫できる。
一方で、異性といる時の楽しさは正直言うと不自由で、ルールも多いんだけど…知らないこと・気づかないことを見つけられることが楽しい。

 

大人になると、男同士でワイワイする楽しさを低く見てしまいがちだが…ハンチョウの3巻は、男同士の楽しさがふんだんに詰まった作品で…オッサン4人でワイワイしているところに癒やされた。

ハンチョウ…いや、福本伸行関連作品は基本的に女性がほぼ出てこない。

だから、ほぼ全部男の話なんだけど…だからこそ、異性のことを考えないフラットな状態の…ありふれてて何気ない幸せを素晴らしいと思える話が出てくる。

 

そんな中で出てきたコマにこそ、すごい名言が出てきていて…特に、このコマのセリフは人生で1度ぐらい言ってみたいほど好き。

「小学生かよ!」
と小馬鹿にしがちなことが大人になってみると「すげー幸せなんだなぁ~」とふと思うことがあり…それをサクッと1コマに集約されてる感じがして、感動。

 

 

ハンチョウみたいな身の上には決してなりたくないが、
「腐れ縁で、気兼ねなく遊べる友達は大事にしたいし、そういう連中と集まって遊べるおじさんになりたい」
と、しみじみ。

 

グルメマンガとしては考えてることを丸投げするし、
オッサンしか出てこないどころか出てくる女の子も絵柄に滑らかさの「な」の時もないし、
主人公がやってることはただただ数ヶ月に一度遊んでいる部分を抽出しているけど、基本的には地下暮らしでかつ、中でもカネを巻き上げてるあくどいやつだし…。

 

でも、他のマンガだったら絶対にないようなところを攻めてるからこそ、読む度に発見がある。
未知の発見ではなくて、普段見落としてたものに気づかせてくれるような発見。

こういう発見が案外、嬉しい…。

 

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