久々に読み返したけど、やっぱり面白い!!
そこで、今回は「恋愛三次元デビュー」を紹介したい。
2014年の作品だから、結構前の作品になるわけだが…色あせない面白さがある。
「実話をベースにしたコミックエッセイだから色あせにくい」というのももちろんあるんだけど…それ以上に、作者があまりにも強烈だから、何度読んでも笑える。
どのぐらいキテレツかと言うと
「結婚したから、結婚するまでの恋愛のできごとをマンガにする」
と言ってるのに、それを担当に話せば話すほど、信じてもらえないぐらいにキテレツエピソードをいくつか持ってる。
とは言え、4年前の作品。
それでも、今紹介したいと思った理由は…典型的なオタクの恋愛結婚であり、オタクで恋愛したい人が読む上では、すごくバイブルだと思ったから。
「すごく聖書(バイブル)」って変な日本語だけど…それほどに正しい。
かく言う私もオタクで、ネットでしか恋愛や異性の友達とのお付き合いがスタートしないから、「こういう考えの人が増えたらもうちょい恋愛楽なんだけどなぁ~」って思うことがしばしばある。
同時に、この編集者の方が言ってる「普通の恋愛」と作者や自分自身を含めたオタク全般の人が相性悪すぎる。
そして、「普通の恋愛」を語るメディアが多すぎるから「こういうやり方もあるよ」「こっちのほうが向いてるよ」という話をしたほうがいい人に届けたかったから。
このブログ読んでる時点でオタクか、オタク的な生き方の素質が高い人だからきっとわかってくれる気がしたから。
まず、オタクは…合コン的な場所が苦手
作者も合コンみたいな場所でトラウマがある。
合コンってチームプレイの側面が強いから…チームプレイ苦手なオタクが本気で口説きに行くとでしゃばりか、空気の読めない人みたいになる。
男だと痛いやつ扱いで、女だとぶりっ子の烙印を付けられがち。
(※「オタクである時点で空気読むのうまい方じゃないでしょ?」的なツッコミは禁止)
ここで注意したいのは…作者は25ぐらいまではゴリゴリに喪女だったところ。
一般的には、女性はオタクであっても、となりの801ちゃんに出てくるみたいに世間体(擬体)と、オタクとしての本体を使い分けられるダブルフェイスな人が多い。
少なくとも、見た目からしてオタクまたはモテなそうな印象が伝わる男のオタクとは違うケースがすごく多い。
…ところが、作者は男性のオタクにありがちな「オタク的なこと以外は何もできない」タイプ。
ステータスをオタクに全振りしちゃってるオタクだから…合コンとかで彼氏作れないタイプだ。
だからこそ、希少価値の高い文献になってる。
というも、日本でフィクションを見ると「モテない女・経験が浅い女」には大別3種類に分かれる。わかりやすく画像にするとこんな感じになる。
男でモテないと言ってる人は、タラレバ女子型と、喪女型がほとんど。
タラレバ女子型の男性は、恋愛工学のように「ウハウハモテモテのヤリチンになりたい」「異性に対して有利に恋愛を進めたい」と考える人にありがちで、男のナンパ本なんかは「全くモテないわけじゃないけど、異性を思い通りにするほどの魅力もない」的な人に向けて書かれることが多い。
そして、喪女型は女性には少ない&カミングアウトする人がレアだし、男で喪女型から抜け出して本を出す人も少ない。
だから、参考にすべき文献がなかったり、基礎基本がわかんないから「わからないことがわからない」から抜け出せない人が多い。
作者はまさに喪女型で、だからこそカミングアウト&成功事例は珍しいから、「男性または男のオタク並みに恋愛に無頓着な女性はこういう作品を読もう」というわけでこの作品を紹介している。
そして、喪女型から一般的な恋愛が得意になったわけではなく、喪女型なりに結婚までたどり着いたところがますます実用的で参考になるし、何よりもひととなりがでて面白かった。
作者はモテたいわけじゃなかったからこそ強かった!!
聞き手である編集者さんもちょいちょい触れてることだけど…この作者は恋愛のセオリーにハマってないからこそ、この作品では強さを発揮する。
象徴的なのはこのコマ。
これ、ほんと正しい。
さっき、
「自分がオタクでネット経由でしか恋愛やお付き合いが始まったことがない」
と言ったけど、そういうふうにしかならないんだよ…。
合コンや街コンに行って、話があう人が根本的に少なすぎるし、もし話が合ったとしてアニメやマンガの話で盛り上がれない人とは…お付き合いが続かない危険が大いにある。
そういう意味では、キャバクラやフィリピンパブに行っても楽しくなかったわけ。
もろに、セクシーを売りにしているお店は別やで?
ただ、「女の子と楽しく話す系のお店」は「楽しく話すことがないこともないけど、面白いことに対する感動の大きさが分かち合えないから、盛り上がってたとしても絵空事っぽく思えて楽しくね-!!」ってなるわけだよ…。
ぼくの話はいいや。
このマンガでは…作者がオタクだと開き直っているからこそ、相手選びもオタクならでは。
相手ができてからも「作品でこんなの描いてるけど、私趣味趣向に応えてあげられないけど…大丈夫?」みたいな話がでてくる。(相手の作品のキャラや作風と自分を比較するなんて、オタク婚じゃないとありえない話だけど…そういう話がけっこう出てくる)
ただし、作者の場合は徹底的にアブノーマルでオタクなところからブレなかったからこそ、恋愛で高望みもしなかったし、合わない人からないがしろにされるようなこともなく、すんなりゴールインとなった。
そして、その一部始終をエッセイマンガにした時に
「普通、そんな風に育たないよね?」
「普通、恋愛で悩むのはそこじゃないのでは?」
「ずいぶんと恋愛の段取りをすっ飛ばして結婚したなぁ…」
という驚きの内容になっている。
そこはマンガを読んで楽しんでもらえばいい。(読んでくれる楽しみを害したくないので、極力ギャグとしか思えない程の作者の空回りや、変わってる部分には触れてない)
一方で、ぼくがこのマンガを勧めたり、記事として補足したい
「オタクや非モテはそもそも普通ではないんだから、普通のやり方じゃない方がうまくいくこともあるから、こういう異常な作者から学ぶのもありなのでは?」
というところを中心に書いた。
この記事をきっかけにマンガが再び注目され、出会いの形や交際の形が、オタク的な人にも優しくなってくれたら…と願い、この記事を終わらせてもらいます。
ちなみに、この作品は出産のマンガに続くので、シリーズ通じて面白いので、ぜひ読んでみてください。