今、テレビで起こっている逆転現象
最近、日帰り温泉に通っては何度も何度も…一日中テレビ見てて思ったんだけどさ…テレビ見てても、文化がわかんない。
不思議なもんでね、ここ最近のアニメやマンガの方が、文化を紹介してくれるから、アニメやマンガを見てた方が、アウトドアもわかるし、食べ物のこともわかるし、ファッションや恋のこともわかる。
自分が大人になって、青年誌の作品を見るようになったこともあって
「なんだよ、マンガの方が文化を紹介しているじゃないか」
と思えることが増えてしまった。
ここで注意しておきたいのは…テレビ全般が文化を紹介してないんじゃない。
文化的な番組の枠を確保しているNHKと、素人さんに取材したりおせっかいをすることで番組作りをしているテレビ東京とかは…意外と見てて文化的な知識や情報が入ってくる。
ただ、民放…特に日テレは…本当に1日見ていてもその日のニュース以外なんにもわからない。
…他のテレビ局でも昼から7時のゴールデン番組(つまり、それらが終わる8時・9時ぐらい)まではそうなんだけど…醜悪な報道ワイドショーか、ドラマの再放送か、有名人が昔話か、当たり障りのない家事や節約の番組ばっかりやってる。
NHKとテレ東以外は、アニメもスポーツもコントやらないし、企画モノのバラエティも深夜にちょっとやるだけってきてる。
しかもだよ!?8時から夜中の2時ぐらいの面白い番組…ネットで話題になるような番組のMCはだいたい同じ。ダウンタウンにマツコ・デラックス、有吉弘行に、ちょっとだけ石橋貴明、明石家さんま。
特に多いのがダウンタウンなわけだが…ダウンタウンってテレ東とNHKにはほとんど出ない(あの長い芸歴の中に帯番組持ってたこともない)から、皮肉なことに一番面白い番組・話題になる番組を作ってるダウンタウンこそが、テレビのつまんなさや低俗さの象徴的な存在になってる。…ダウンタウン未満のテレビ番組はもう批判の対にすらならないほどつまんなくなってるのに…。
とはいえ、今のダウンタウンの低俗さなんて、かなりマイルドで…元々は…それこそごっつええ感じの時代は普通に千秋に抱きついたり、板尾創路をパンツ一丁で踊らせたり…今とは比較にならない低俗っぷりだった。
それがウケてた部分もあって番組は続いたし、タレントは出世したけど…根っこが低俗で下品な人ががんじがらめの規制の中で番組をやる状態が続いてる。
そういう意味ではテレビに対してクレーム入れる人の存在が、今のテレビを作り出したと言える。
アニメもスポーツもコントもない、当たり障りのない報道番組ばかりのテレビ。
ゴールデンタイムを2時間ずらして、深夜にこっそりネットで話題になる番組を扱うテレビ。
大してスポーツに詳しくないのに、国際大会・日の丸を背負うというと…誰だかさえ知らない日本代表を応援するように煽るテレビをさ…。
スポーツもコントも放送してないのに、芸人とアスリートが応援団をしつつ国際大会だけは放送される
今のテレビって本当に不思議で…普段、野球もサッカーもバレーボールも放送されないのに、国際大会は放送される。
野球なんてほとんどはローカル番組でしか放送されないし、サッカーやバレーボールなんて代表選手の名前すら昔から連続で出てる人しかわからんし、そもそもどこで放送されてるかなんてよくわからんほどやってない。
なのに、国際試合だけは大々的に放送されても…よくわかんないんだよ。
今回のワールドカップなんてその弊害がモロに出てる。
まず、選ばれる人選からして弊害出てる。
サッカー選手なんて、アラサーになれば機動力やスタミナが落ちて、代表入りできないか、できても成績が悪くなるのが常。
でも…世間一般に知られてない若い選手をガンガン投入してでも勝ちに行く監督であってもも、地味であっても国際的には最先端を行くサッカーをする監督であっても…スポンサーから見ると美味しくないから切ってしまう。
結果として、若いスターを取り上げることなく、平均年齢が国際的に見てもアホみたいに高い代表メンバーばかりになってる。
前大会でさえ、柿谷曜一朗が若手のホープみたいに言われて、注目される選手がいたけど…今回はそういう取り上げ方をされる選手さえ選ばれてない。(しかも、アレだけメディアがヨイショした柿谷は今回は代表候補にさえ名前が上がってないし…)
野球の世界では落合博満が「記者が野球を勉強しない」と30年ぐらい前から言ってるけど…サッカーについても同じことが言える時代に突入してるのかもねぇ…。
だから、若くて伸びてきた人を後先考えずにヨイショしたり、逆に誰も知られてない代表をキチッと紹介して楽しみ方を上乗せするように報じることもできない。
だから、国際大会と言いつつ、結局は内向きの話題作り。
しかも、作れた話題は炎上と、昔からのファンのかすかな郷愁。
今への期待じゃなくて、昔の活躍からくる郷愁。
それが悪いとは言わないけど…今のテレビって、基本そればっか。
新しい人を発掘する機能が一切なく、
現状のコンテンツがすげー面白いわけでもなく、
準備に準備を重ねて1つの大きな大会を盛り上げる努力があるわけでもなく、
ただ昔あったコンテンツを食い尽くしているだけ。
それが面白い人もいるし、それが面白い人がテレビを支えているんだよなぁ…。
ただ、新しい情報を求めてる人や、本気でスポーツなり趣味なりをもり立てて欲しい人にとってはテレビから得られるものはないし、地上波のテレビは邪魔なんだよなぁ…。
有料のテレビでもっと熱心なところはたくさんあるし、
テレビどころかネット配信でいいコンテンツ作ってくれる所もいっぱい出てきたし、
そのどちらにも熱心なフォロワー…それを記事にしたり、ブログにしたり、ネットでもり立てるSNSアカウントが出てきたり…
そういう意味では、テレビがつまんなくなってるのは、テレビを見ててもテレビという文化・文脈以外何もわかんなくなってるからなのよね…。
言い方を変えると、テレビがつまんなく感じるのは、テレビ文化を楽しむ余裕がなくなったか、好きな文化や居場所ができて移ったから…とも言える。
ある年代からすると、テレビは卒業すべきもので、つまんないと感じるのはお酒が飲めるとか、異性に興味が湧くとかそういう部類のものなのかも知れない。
もっとも、それは00年代に生まれた人までで、これから先の世代は、そもそもテレビばっかり見ている子どもが育たないんだけどさ。
そう考えると、インターネットという有象無象の集合体よりも、未だにマスなメディアで、新しい世代が育つようなものがやってないのはもったいないし、不効率極まりないから、子どもの頃にハマるものを提供して欲しい気持ち、多チャンネルの番組が色々見られる時代になってほしいわけだが…。