マンガ「幼なじみになじみたい」はベタなところがかえっていい

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ひねったマンガばっかり紹介してるからたまにはド真ん中のベタなマンガでも紹介したいなぁ…と思ってたら、こんなマンガが。

タイトルのまんまなんだが…親が転勤族だったせいで、ぼくは全くと言っていいほど幼なじみいないからこういうのすごく憧れる。

作中では小学生以来会ってない人と大学という設定なんだが…再会しようにも小学校が兵庫で、大学東京で特に連絡とってたわけでもないから…ずっと地元の人うらやましいなぁ…という憧れがある。

こういうのほんま憧れますわ〜

で、顔も忘れるほど会ってない美人になって登場。

スマホで電話して本人だと気づくとかまるでオフ会やネットの友達との初顔合わせなんだけど…これが幼なじみで、美人で…実は両思いとなれば…すごくいいよね。

何度でも言うけど、設定自体は誰でも思いつきそうな斬新さのかけらもない「ベタ」なんだよ。

「Twitterの4コママンガとかでええやん」
って人は言うかもしれないけど…実際問題、オリジナルのイラスト・同人誌を描いているうちに本当に連載が始まっちゃった作品だからなぁ…。
ばかやろう(作者のPixiv)

作者の画力と提示されるシチュエーションの圧倒的な良さが相まって…
「こういうの紹介したいなぁ〜」
と思い、ブログで言及してる次第。

で、あると同時に
自分はすごく好きだけど、アマゾンなどでベタだと言われて批判されたりするのも仕方がない。でも好きな人には手にとってほしい
という一冊でもある。

なぜなら、ぼくにとってはこの作品がターニングポイントになった作品だから。

ネット発の「こういうシチュいいでしょ」作品で、自分好みの作品を探すのは難しい

こういうフェチマンガというか…「こういうシチュエーションいいでしょ」イラストがマンガになったり、商業化したりすることはたまにある。

ネット界隈では有名なところで言うと、
・比村奇石さんの「月曜日のたわわ
・ビタワンさんの「社畜ちゃん
・mebaeさんの「罵倒少女
あたりがこのジャンルと言えるだろう。

広義には
・「ザワさん」(ネット発ではないけど、作者による『こういう女の子可愛くない!?』がエンドレスに続く作品)
・「初情事まであと一時間」(ストーリーがかなりしっかりしているが、作者はネット発だし、そもそもTwitterに恋愛がらみの「こういうことがしたい人生だった」という感じの作品をアップしているうちにでき上がった作品)
も、Twitterでよく見る「こういうのがええんやろ」マンガの延長線でできあがった作品だね。

 

この手の作品は好みがすご~く分かれるし、「いいね」ではなく「大好き」な作品を弾くのが難しい。
例えば…ぼくは「幼なじみになじみたい」の生活感やストーリー、キャラクターの背景がつかみやすい構造になってるところが好き。
厳密には違うけど、「初情事まであと一時間」にも同じような魅力を感じてるが、アレはもうちょっと実用的だから、ネットで見かける「好きだからどんどん描いてほしい」というだけの作品とはまたちょっと違う。

 

というわけで、幼なじみを見つけるまですご~く好きな作品はほとんど見つからなかった。
これにはネットの情報量が少ない中での表現だからこそ、作者の実力や表現力が見えてこない・見えてきた時に本当に好きになりきれないという難しさがあっていいのが見つけられなかった。

 

実際、ネットでいくら見ていても
「生身の女の子がそういう事言うかな?」
「言ったとして、これはどういう感情で行ってしまうんだろう!」
と考えた時に、納得行く回答を自分の中で見いだせない作品が多くて、自分にあった作品がなかなか見つからなくて悩んでいた。。

 

なかなか合うものが見つからず、
「もっと深いところで【いいね】と言いたい」
「キャラクターに生活感と憧れと幸せそうな時に一緒に喜べるだけの感情移入をしたい」
と悶々としていた。

 

そんな願いを叶えてくれたのが「幼なじみになじみたい」だった。

単なる美人と野郎の恋愛マンガではなく、過去の思い出と今のギャップを行き来したり、時が経ったことで男も女も自分の性別に見合った変化をしていたり…キャラクターにも相手のことが好きになる理由にも一手間二手間加わっていて
「pixivのショートストーリーからスタートしたのに、長いマンガになるともっといい!」
「この二人をもっと見ていたい。」
と思える作品に仕上がってる。

幼なじみというストーリー性と、
実質的に恋仲の男女だからこそできる特権、
でも素直になれない甘酸っぱさ
これらがうまくミックスされてる。

単に絵柄がストライクなだけでも、一枚のショートストーリーとして面白いだけでもなく、根っこの部分でしっかりとした人間を描いているからマンネリもしないし、キャラを入れて関係の変化や駆け引きが出てきたりして、すごくいい。

ラブコメとしても、シチュエーションや関係性も、かなりベタに寄ってる。
でも、完成度が高くて芯が強い作品を出してくるから、とても面白い。

舞台になってる大学や地元についての掘り下げもすごいし、キャラも話を進めるほど色んな性格が見えて面白くなっていく。
こういう作品もっと増えてほしい。

 

男性向けのラブコメは、シンプルな方が面白い

少年誌で連載されるラブコメって二股になったり、三つ巴になったり、女の子がどんどん増えて男の子が贅沢に悩む話が多いけど…正直、ぼくはもっとベタでいいと思ってる。

昔から薄々思ってたけど、ぼくはマンツーマンの関係性を深く描いてくれる作品のほうが好きなんだなぁ…とこれを見て改めて思った。

主人公の男の子と一緒に女の子を好きになりたいし、主人公の男の子がそれなりにモテる理由があるキャラだとますます「ええなぁ〜」となるから、二人のキャラクターをきっちり掘り下げてくれて、他の恋愛に脱線しない感じの作品が好き。
いっぱい女の子出てくるにしても、本命がしっかり決まってて、結果的には恋のキューピッドになってたり、自分では引き出せない女の子の一面を引き出してくれるタイプの作品が好き。

 

ラブコメでは本命に対してわがままでありたいんだよ。
二人でデートもしたいし、女友達と二人がかりでタジタジにしてほしいし、意外な一面を見せてつつも他の人には違う顔で接してるところも見たいし…SNSや自分が提案しない種類の文化を見て見たことない顔しているのを遠いような近いような不思議な距離感で眺めていたい…。

そういう欲張りセットを詰め合わせたのが本作だよ。
続いてほしい。これはぼくにとっての欲張りセットだから。

 

 

 

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