ZOZOマリンスタジアムという魔境

この記事は野球オタクとの雑談から
「言われてみるとそうだね」
「あれ?データ調べてみると本当にそうだわ」
と言うネタを記事にしたものです。

「千葉」ロッテマリーンズで最もホームランを打った日本人は初芝の25本

近鉄が消滅したせいでパ・リーグで最も古い球団になったロッテだが…本拠地を何度も変えている。

それも面白いことに、両翼90メートルのめちゃくちゃ狭い川崎球場から、球場の強風についての論文を書く人までいるほどのマリンスタジアムへと移籍している

証拠の画像はこちら。(読みたい人はhttps://ci.nii.ac.jp/naid/110006655726からどうぞ)

 

川崎球場時代のロッテのスターと言えば、落合博満が有名。
その獲得エピソードには、落合入団直前まで監督をやっていた金田正一が
狭い川崎球場を活かしてホームランを量産できる選手を取ってこい
と言ったほど。実際にその予想は的中して川崎球場の狭さを生かして最大でホームラン50本を量産し、本拠地が千葉に移る前に移籍している。

まぁ、解説者として落合をけちょんけちょんに罵ったせいで、
「(金田の作った)名球会には絶対入らない」
と言い、本当に2000本安打打ったのに名球会入りしなかったほど仲が悪くなったけど…。

1992年に、マリンスタジアムにロッテが移籍してからは…日本人の最高本塁打は初芝清の25本が最高になっている。(ここ10年ぐらいだと、井上晴哉の24本が最高じゃないかな…?)
外国人を入れると…ベニーの35本が最高記録。

千葉移籍後のロッテが貧打ではあるものの、球場の影響で本塁打が出にくい…というのも本当のところ。

よく「浜風」なんて言われて実際に海に近いところにある甲子園球場もホームランが出にくく、スラッガーが育ちにくい球団だが…千葉マリンスタジアムはそれ以上に海が近い。むしろ「海に面してる」と言ってもいい。

行ったことない人のために、地図で見てもらうと…このぐらい海が近い。

すごくざっくりいうと…甲子園も千葉マリンスタジアムも海が近くて、風の影響を受けやすく、さらにフェンスも高いからホームランが出にくい。

横浜スタジアムも、海まで500mぐらいだから近いと言えば近いんだけど…千葉マリンスタジアムに比べたら球場が5メートルづつ小ぶりだから…打てる人が打てば、ホームランになる。

甲子園は右中間左中間が極端に広いことに加えて、風がすごい。
…神戸に住んだことある人ならわかると思うけど…「六甲おろし」と呼ばれる山颪(やまおろし)がすごい。
海が近いだけでなく、海の近くに山が連なっているため…海の風・山の風が両方とも吹く地形が天然の要害になっている。

西宮ぐらいまで来ると神戸に比べたら山がマイルドになるけど…海まで1キロほどの甲子園は影響受けやすい。
神戸なんて、どこ行っても坂の町で、なおかつ海か山の風が吹いている。

だから、グリーンスタジアム神戸でも、ホームラン出にくい方に入る。
オリックスになってグリーンスタジアム神戸を本拠地にしてからは、日本人最高は藤井康雄の30本、外国人を入れるとアリアスの38本だから…多い方ではない。

さらに右中間左中間も広めだから、守備範囲の広い外野手でカバーする野球が、90年代のオリックスとすごく合ってた。
「球場に合った野球をすべき」
という意見はロッテの川崎球場の例でもそうだけど…大事なこと。

甲子園や神戸の話をしていると
「西宮球場時代の阪急には40本打てるスラッガーもいたじゃないか」
と反論されそうだから言うと…西宮球場は1960年代に91mでホームラン扱いにするラッキーゾーンがあったから、それができてからは…ホームランの難易度が大きく下がってる。
おまけに、甲子園に比べたら海までの距離も遥か遠くだから…甲子園に比べたら影響は少なめ。

ロッテのスラッガーはドームランがある球団に移籍すれば、+10本打てます!!

ロッテには李承燁とデスパイネというホームランを量産する外国人が在籍していた。

李承燁は韓国の歴代最高記録を持つホームランバッターで、ロッテでプレイした後巨人に移籍。
デスパイネもキューバの歴代最高記録を持つ強打者で、ロッテからソフトバンクへ移籍。

この二人の最高ホームランは
李承燁(ロッテ時代)…30本
李承燁(巨人時代)…41本
デスパイネ(ロッテ時代)…24本
デスパイネ(ソフトバンク時代)…35本
と、本当に10本増し。

巨人の東京ドーム、ソフトバンクの福岡ドーム(ホームランテラスができた2015年以降)はホームランが出やすい。
右中間左中間が極端に狭くなってるから、ホームランの数が多い。

ドームは風もないし、右中間左中間は両端・真ん中に比べると打ちやすいから…右中間左中間が狭い球団はホームランが出やすい。

もし初芝がドーム球場をホームにしていたら…は井口を見るとわかる

ちなみに、井口資仁もメジャーに行く前はダイエー、メジャーから帰ってきた後はロッテに所属している。
井口がいた時の福岡ドームはまだホームランテラスがなかったが…ダイエーで本塁打30本打ってる。

その井口を持ってしても、マリンスタジアムをホームとするロッテではシーズン23本が限界。(飛ぶボール・飛ばないボール問題もあるから「全部球場のせい」とも言い切れないけど)

初芝のホームラン25本は、記録だけ見るとそこまですごい数字じゃない。
しかし、ロッテから・ロッテに移籍した選手を見た限りで言えば、ホームランの出やすい球場・風に左右されないドーム球場に行くとホームラン数はロッテにいる時のほうが少なくなる。

この理屈で考えると…初芝はホームラン35本クラスの打者だったと言える。
初芝が活躍した90年代なかばのホームラン王が小久保の28本、トロイ・ニールの32本など控えめなことが多いため、初芝がロッテ以外に所属してたらホームラン王が取れた可能性はかなり高い。

 

ただし、中日とオリックスはただの貧打です。別に出にくいわけじゃないです

ホームランが出にくい球団として他によく挙がるのがナゴヤドームだが、…出にくいとも言いづらい。

というのも、歴代で言うとナゴヤドームで打ってる人いるし、大阪ドームだって近鉄時代は普通にホームラン40本以上の人いたし…。

中日にはタイロン・ウッズという人が所属していたことがあるんだけど…この人は最初横浜に在籍して、その後中日に移籍している。

タイロン・ウッズの成績は面白くて、在籍時の本塁打の最高をまとめると

・韓国時代…42本
・横浜時代…45本
・中日時代…47本

と、ホームランを打つ難易度が上がってるはずなのに、難しいとされる球団に所属した時にほど打ってる。

ナゴヤドームはマリンスタジアムみたいに、
「そもそも外国人・日本人ともにホームランをたくさん打った人が少ない」
という球場ではないのだ。

むしろ、
「打てる人はすごくたくさん打つけど、打てない人はとことん打てない」
というのがナゴヤドームなのだ…。

まあ、大阪ドームもそうだね。
近鉄時代を入れると日本人最高は中村紀洋の46本がシーズン最高。
タフィー・ローズに至っては55本打ってる。

ローズはオリックス復帰後も42本打ってるので、特段大阪ドームが打ちにくいってわけでもない。
ただ、オリックスになってからの日本人最高は…T-岡田の33本だったはず。

中日も外国人はウッズの47本、日本人は和田の39本なので、ホームランが特別打ちにくい球場…というわけでもない。

和田が2010年に39本打ってからは日本人で20本越えた人もいないから…中日の場合はチーム内の貧打が大きな原因と言える。(外国人含めるとゲレーロの35本と言う記録があるから飛ばないボール込み込みで考えても、そこまで打てない球場とも言いづらい)

オリックスは…飛ばないボール以降だとT−岡田の31本が最高。
オリックスの貧打はホームランよりもチーム打率が低すぎるというのが深刻なんで、今回のテーマとは別の意味で闇が深いんだけど…ホームランの方も闇深め。

球場が変わっても打つと言う意味では、アリアスってすごいわ!

阪神優勝メンバーにいたせいで、すっかり「ジョージ・アリアスは阪神の選手」と言われている昨今だが…元々はオリックスの選手。

今回、甲子園のホームランのでにくさを検証すべく阪神に移籍したホームランバッターを検証したところ、なんとアリアスはグリーンスタジアムでも38本、甲子園でも38本打ってるので、かなり安定感が高い。

グリーンスタジアムもホームランが出にくめだけど、甲子園ほどはひどくないので…相場としては阪神移籍でホームラン数は減るはず。しかし、アリアスはキープしている。

「それを言い出したら、阪神でホームラン54本打ったバースはすごすぎる」
もし、巨人に所属してたら後楽園・東京ドーム関係なく王貞治の記録を超えて60本打ってたかもしれない。
だけど、…アリアスの記録と比較する場合は「甲子園球場は1992年にラッキーゾーンを撤去した」と言う過去に触れておく必要がある。

だから、1992年以降の選手とバースを比較するとちょっとかわいそう。
ラッキーゾーン撤去後で言えば、最高はブラゼルの47本、日本人だと金本知憲の40本。アリアスは3位です。

飛ばないボール以降だと福留・中谷の20本が日本人最高なので、球場という言い訳が通用しないほど深刻なので…中日とどっこいどっこいの貧打なんだけど…。

もしかしたら、千葉に移ってからロッテは史上最強に面白いかもしれない…

ロッテですか?
飛ばないボール以降だと、2018年の井上晴哉の24本が最高記録。

井上が巨人かソフトバンクの選手なら30本〜35本打ってたかもしれないと考えられるので…十分ホームラン王ある。
そうは言っても、FA権を取得できるのは当分先の選手だから、千葉では誰も取ったことのないホームラン王をぜひ井上にとってほしい。

ロッテ最後のホームラン王ですか?
1986年の落合博満が最後ですなぁ…。

最も長く生え抜きのホームラン王を出せてないのは阪神で1984年の掛布雅之が最後なんですが…球場単位でまだホームラン王出てないのはロッテぐらいですね…。

珍プレー好プレーでは110キロの巨漢で全力疾走して息切れするシーンが出る井上だけど、そのイメージをひっくり返す千葉初のホームラン王になったら最高にかっこいいと思うよ。


体格を見てドカベンを思い出して、体重を調べたところドカベンの体重は高校3年時点で85キロ。

100キロ超えの野球選手が大活躍する時代になったせいで…別に重く感じないところに時代を感じます。
身長は175cmなので…ドカベンのサイズはどちらかと言うとリアルおかわりくん…。

10年以上前の野球マンガではよく150キロで騒がれるのとならんで、ドカベンが85キロであんなにデブに描かれるのも時代を感じます。85キロの選手なんて今は珍しくないから…当時ならともかく、今はドカベンが重い方に入らないのよね。

 

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