「ホリエモン式飲食店経営」は、マンガがうまい経営指南書!

「ホリエモン式飲食店経営」は、マンガがうまい経営指南書!

死ぬほど胡散臭いタイトルの経済マンガ「まんがでわかる 絶対成功!ホリエモン式飲食店経営〜『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』外伝」というマンガが、びっくりするほど意外だけど…面白かった!!

ジャンルとしてはよくある「教える側・教えられる側に別れた経営指南書」。
「教える教えられる側にわかれた〇〇」は大人向けのマンガにはよくある構成だけども、この作品はマンガとして一味違っているところが面白かった。

経営指南書として面白いのは監修の堀江貴文・原作の三戸政和である程度納得行くと思うけど…著者のNICOMITICHIHIROさんが、思いの外(?)マンガがうまくて、すごくハマっていた!!

あらすじ

開業して間もない喫茶店に「堀江貴文の妹」を名乗る駆け出しのコンサルタントの女性「堀江美麻」が来店する。

経営者の妹尾さんはリタイアして喫茶店をオープンしたものの、経営についてはド素人。会社での経験も万年平社員でない。

そのため、開業時点で、美麻からは「1ヶ月で潰れる」と言われてしまう。

そして、諸々の問題点を指摘した上で、美麻は経営のために、妹尾さんはノウハウをもらうために手を取り合うことに。

というわけで、美女と老人のコンビが結成される。

ここでポイントなのは「新米コンサルタント」という彼女の設定。
だから、本人もやっているうちに色んなことに気づいていくシーンや、兄の堀江貴文にコンプレックスがあるシーンが多く描かれていて、彼女自身の成長ストーリーでもある。

しかも、キャラ立っているのは、何も美麻だけではない。

リアルすぎてかえって伝わりづらいほど「キャラに合ったストーリー」になっている

妹尾さんも妹尾さんで、ただただ教わるだけの人物ではない。
あくまでも物を知らないだけで、学問とはまた別の才能を持った人物として描かれている。

この2つの設定は両方共、本編ですごく活きていると同時に、弱点をかき消している。

経営指南書というジャンルは、その性質上玄人も読むからこそ、気難しい読者が多い。
気難しい玄人に「彼女も教えながら自分の知識を使いこなす勉強をしてる段階」という予防線になっている。

設定は強みとしては、何かを教えたことのある人にとって手探り状態のまま人に教えて自分が学んでいく姿は、リアルに映る仕掛けになっている。
「妹尾さんは学がないけど、素直で飲み込みが早い。」
「美麻さんが意味の脱線や見落としは教えてる側にはよくある。知識がないわけではなく、知識を相手が使いこなして伝えたり、その場にあったものを見つけるのは難しい」
とか思う。

自分は連絡を取ってくれた人にブログを教えている。
しかし、教える相手の理解度も、飲み込みの早さも、意欲も千差万別でうまくいくことも行かないこともあるし、そもそも同じことを伝えようとしても話し方は変えないといけない。

妹尾さんはリタイア組だから
「60歳まで仕事してたら小娘のわかることぐらいわかってるのでは?」
と思うかもしれないけど…生きていくのに必要な知識って人それぞれ。

「勉強ができれば、学歴と知識に守られているんだから、食い扶持には困らないだろう」
は…間違ってはない。しかし、成功するのに必要な知識量は人それぞれで、みんなから高学歴・頭がいいと言われてもそれでも自身が持てない人、自分の業界では全然足りないことはよくある。

これは、実際に人に教えてみるとわかることだが…知識がないまま成果を出せる人はいる。
逆に結果や読みの鋭さの割に、会ってみるとびっくりするほどのドジっ子・自分が出せない人はたくさんいる。

自分が発達障害だから言うけど…発達障害の人が勉強やゲームが得意なのは
「知識があることがそのまんま結果につながるから」
で、仕事はそういう訳にはいかない。

だから、発達障害者で優秀な人は芸能や研究の分野に多いけど、サラリーマンで優秀な人は少ない。
でも、研究の世界に入れる人なんて高学歴の中でもさらに勉強ができる・その道のマニアの話に遜色なくついていけるような人だから、ちょっと頭いいぐらいでは発達障害の長所は活かされないことが多い。

妹尾さんは発達障害とは反対に現場で仕事を回す実直さや人柄は完璧だけど、勉強や計画が苦手なタイプ。
サラリーマン向きな人当たりの良さや素直さは持ってるけど、経営して何かを作り上げる力は低いタイプ。

脱線した話に見えるかもしれない。
しかし、この作品が「リアルすぎて、逆に経験がないとわからないこと」を多く挟んでいるから、作品を楽しむ時に参考にしてもらえると嬉しい。

実際、妹尾さんが人望がありすぎ!バイトした女の子がインスタグラマーだったり、常連さんが小さいビルを持っている経営者で後々大口顧客になってくれる!!

でも、キャラ設定が少しでも自分のものさしとズレたり、やや唐突に「マンガ特有のご都合主義」と思われる設定が出てくると気に食わない人がいる。
だから、このマンガを読んでも納得できない人も出てくるのだが…そういうことじゃない。
むしろ、生身の人間に物を教えようとすると、一般論だけじゃダメ!その人の強みや持っている得意分野に知識を応用しないといけない!!部分的には都合がいいように見えるほど教えられる側のキャラが冴えている部分が出てくる。

一般論でみんな成功しているなら、東大行ったやつはみんな大金持ちで、高卒の人はみんな労働者階級を抜け出せないままだよ!!
キャラが立っていることで、むしろ「読者がついてこれないほどリアル」な部分も作品に出ているのが面白い。

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作者「マンガはキャラが命ですから」

それを作者に感想として述べたところ、Amazonでレビューを書いたお礼と一緒に「マンガはキャラが命ですから」と言って頂けた。


これ、ほんとマンガ家さんから聞きたかった言葉なんだ!!

 

というのも、この手の「語り手・聞き手」「教える側、教わる側」に分かれたジャンルは…聞き手・教わる側がモノすご~く没個性的または酷いダメ人間として作られることが多いのよ!!

どっちもが読者に愛されるキャラとして描かれている作品は本当に少なくて、どっちかがヒーローで、どっちかが読者から嫌悪感を買うパターンが多い。
ビジネスや恋愛などノウハウ伝授が主なマンガになるほど、この傾向が強い。
逆にスポーツマンガ…とりわけ野球マンガなんかはヘイトを買うキャラが減るけど…監督主人公だとヘイトを買う聞き手が出てくる作品が出てくる。

有名所で言うと、クロカンラストイニング
クロカンに限らず、三田紀房のマンガは、語り手の主人公と、敵対心むき出しの聞き手がライバルっぽく描かれる。
しかも、聞き手が難癖か一般論しか言わないから両方が愛されキャラになることはほぼない。

ラストイニングはラストイニングで、すごい。
原作で聞き手役だった人の唯一のファインプレーはキャプテンの人選が良かったことだけ。
それも、終盤まで読まないと
それ以外は全てにおいてチームを弱くする・勝ちそうな時に足を引っ張るダメ人間。
それも本人が無能なことに自覚がないのに、いちいち口を挟みたがるからストレスの塊でしかない。

 

商業的には、この手の「対立軸がはっきりしたマンガ」のほうがウケる。だから、数も多い。
一方で、他のジャンルも色々読んでいる人間からすると
「教わる側にも愛着が湧くマンガも読みたい。それもノウハウ伝授系の作品で読みたい」
と思っていたところ、この作品がまさにそうだった。

しかも、教わる側のキャラクターがしっかりしていることで、マンガ自体にも深いリアリティが生まれて、マンガの内容をしっかり読みたい・読んだ上で頭に内容が入ってくるというメリットも生まれててよかった。

ただ、読者にとってのわかりやすい刺激…不快感とか、教える側のぶっ飛んだ個性みたいなものは少なめの作品なので、読者の経験値や柔軟性が問われる作品になってる。

だから、解釈が分かれそうな部分はネタバレしてでも
「これはね、こういう経験や予備知識があると筋が通っているように見えるから、そういう感じで読むと面白いよ」
という趣旨の紹介をさせてもらった。

マンガとしても面白いので、ぜひとも読んでみてください。

他に語ることとすると…作者のフェチまでしっかり出てる種類の経営指南書はなかなか珍しい。女の子をそれだけかわいく描けてるのがすごいし、細かいコマ・シーンにもこだわりが詰まってる。

 

◆関連記事:リアルさが癖になって、おすすめの漫画

マンガ「初情事まであと1時間」は最強の恋愛バイブルである!!
もう口酸っぱくおすすめし続けてる作品だけど…ほんとリアルさがいい。これも「ご都合主義に見える」という読者がいるけど、違うんだよ。1時間前の男女はお互いに「相手が何を言えば喜ぶか」をわかってるから、ご都合主義なぐらいに相手とうまくコミュニケーションできるんだよ!!

マンガ「カワイイ私の作り方」はむしろ、女嫌いこじらせとる男に読んで欲しい。
このマンガも「こじらせている女」が成長していくお話なんだけど…こじらせている方にも、女子力(美容だけではなく、もっと包括的なこと)を指南する方も実在する人物を連想させるようなリアリティがあってぼくは好きです。

 

 

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