知り合いとの雑談の中で出てきたネタで、面白かったからこのネタを紹介。
コナミという会社がある。
美少女ゲームとスポーツクラブで有名な会社なんだけど…経営の実態を見ると全然違う会社になっている。
ネット世論のコナミも間違ってはない…
ネット世論でのコナミはとにかく
「会長はゲーム嫌い」
「オタクやクリエイターを蔑ろにする会社」
とい言われてるわけだが…これはこれで間違ってない。
実際、クイズマジックアカデミーや遊戯王のガチ勢と呼ばれるユーザー達は口を揃えて
「コナミはゲームを知らなすぎる」
という欠陥があり、それをユーザー側で補填している現状がある。
加えて権利関係にも敏感で、かたくなであるがためにライセンスを独占したり、権利を使って他の会社に似たようなゲームを作れなくすることで真偽を問わず、様々な批判がなされている。企業だけでなく、ファンアートにも厳しい。
このことはファンの間でもWikipediaでも有名で訴訟の実績もWikipediaにたくさん出ているほど。
ここ最近の世間で有名なニュースとしては、メタルギアで有名な小島秀夫監督への追い出し問題。
スタッフたちをネット環境も外部との連絡も取れない軟禁状態に追いやって、任期満了時に追い出すという酷い対応をしたことで、世界規模で小島監督のファンは激おこ。
ゆかりのあるクリエイターも「もうゲーム制作にはかかわらない」とまで言い出す始末。
さらに退社後にも、独立したコジマプロダクションに対して、健康保険に加入させないように圧力をかけてくる始末。(健康保険の団体のトップはコナミの取締役だったこともあって、忖度した結果と囁かれている)
この手の報道を煽っていたのは日経新聞なのだが…任天堂が叩かれた時と違って、基本的には擁護する人はいなかった。
さらにスポーツクラブの事業にばかり力を入れて、スマートフォンのゲームはことごとくクオリティが低いことからも、オタク目線でのコナミの評判は地に落ちている。
が、投資家はコナミを高く評価している
これがまた面白くてですね…コナミのビジネスモデルの固さがかえって、評価を上げてる。
ライセンスや権利関係に厳しいことはファンやクリエイターからヘイトを買っている要因になっているが、裏を返すとコナミの安定したラインナップを形成する一因にもなっている。
野球、サッカー、麻雀、クイズはほぼコナミの独壇場で、売ればヒットする安定したラインナップでなおかつキャラクターや作品を売りにした作品でもないから、ブームが衰えることがない。(※スマホのクイズゲームは安泰ではないが、アーケードのクイズゲームはQMAの独壇場)
しかも、毎年毎年、やってることの多くがリメイクなので代わり映えしない反面、開発コストが少なく安定して出せるというのが大きい。(リメイクだって言ってるのに、実質的な新作を作ろうとするような会社でもないし…)
ときメモやラブライブなどの美少女ゲームやメタルギアのイメージが強いコナミだけども…実際には、権利面をガッチリ囲い込んで独占的に手堅いジャンルのゲームを作り込めるというソフト版のドミナント戦略が安定した経営を支えてる。
これは数値としても現れている。
コナミが持っている事業は、スマホゲームや家庭用ゲーム機のデジタルエンターテイメント事業が安定して強い上に伸びてる。
逆にゲームセンター向けのアミューズメント事業、カジノ向けなゲーミング&システム事業、スポーツクラブ経営のスポーツ事業は年々下がっている。
スポーツクラブのナンバーワンがコナミであることは間違いないのだが…スポーツクラブ業界自体が会費制である分、単価が上がりにくいため伸びしろが大きくない。
加えて競合が多い。ゲームと違って強いジャンルから締め出すことも難しい。
そんな不安定なスポーツクラブとは裏腹に…どうです!?このスマホゲームの安定したラインナップ!!
麻雀、野球、遊戯王、サッカー、クイズ…さらには安定した売上が見込めるジャンプにボンバーマン。
ときメモも一応あるけど、基本はウイイレとプロ野球。
こういう観点から見ていくと、小島監督のメタルギアシリーズって、費用対効果が悪いと言うか…開発費や知名度の割にはコナミが思い描く戦略にあわないと言うか…そういう感じ。
関係が酷く醜悪だったとは言え…経営的にはクレバーな判断をした結果、お金のかかる家庭用ゲーム機の開発を損切りして、利益が出やすい方に注力した…と言えるわけ。
これがスクエニとかであれば、お金がかかりそうなゲームでもガッツリ作ってきたり、発売したりするからこういうことにはならなかったかもしれないけど…その分スクエニって凝りすぎてコスパが悪い事業が多い。
実際、売上自体はコナミの方が下なのだが、時価総額はコナミよりスクエニの方が上だからまた難しい。
スクエニの方がeスポーツに対してゲームが流行らないうちから賞金出したり、クオリティ高いゲーム作ろうとお金かけたりするから大きなヘイトを買ってることはないんだけども…裏を返せば、何をするにも金をかけたがったり、リスキーな投資を平気でやらかす会社でもあるのよね…。
ちなみに、リメイクでほとんど新作を作ろうとした会社とはスクエニのFFシリーズの話。
FF詳しくないから「そういう話もある」ぐらいにしか言えないけど…。
とにかく、コナミという会社はオタクとビジネスマンの間で評価が分かれる。
評価が分かれるからと言っても、それはどこを重視しているかの問題であっていい会社か悪い会社かは自分がどっち側で関わっているかによって違う。
これ、ブログやライターの世界でもそうなんだけど…ネットで評判が悪くてもビジネスモデルとかライター業界でのコネクションはすごい人はいらっしゃるから必ずしも評判が絶対というわけでもない。
もちろん、長い目で見たら評判の悪いぶんだけビジネス面しっかりしてないと落ちる時あっという間なんだけどね。
私もかつてはパワポケをほぼ全シリーズやりこむほどのコナミファンでした。
QMAに誘われた時もコナミゲーム特有の美少女ゲーム要素が作り込まれてて「これは好きだろうな」と思った。
しかしながら、今はeスポーツでちゃんと賞金を出してくれる会社や、YouTuberにも優しいゲーム会社が増えたことで
「できることならコナミのゲームにハマりたくない。魅力的だけど、アレにハマっても趣味が講じるようなことはない」
というスタンスです。
まあ、それはゲームをなんのためにやるかって問題でもあるかと思うのですが…私はブログやyoutubeで紹介したい派だから、そういう人に優しい会社の方が好きです。