政治って不思議だよなぁ…。なんであんなにデータが少ないの!?

ぼくが住む神奈川県では今選挙期間の真っ最中。

そんな時に、カードゲームにハマっているぼくは思った。
政治って高度にデータ化されている様子がまったくない。」

政治家って言うのもけっこう不思議な存在だと思いません?

議員としてどんな活動をやってきたか…具体的な法案や詳しい分野がその人の履歴書レベルの大雑把な経歴でしか記されていないから「これを見て何を選べと!?」としか言えなくない?

「子育て世帯に優しい政治を」
口ではなんとも言えるよ!?

でも、
「この人が子育ての何を知ってるんだ?」
を説明されたものはほとんど出てこない。

子どもの有無?
NPOでの活動?
それとも経済アナリストとしての視点なの?
これがほとんどの人に対してわかんない。

これっておかしいんだよ!

政治の中で動いているお金に対して、情報や分析が圧倒的に足りない。

カードゲームもそうだけど…巨額なお金が動くorオタクが集まる世界は高度なデータ化がされているため、揃っているデータを見たら、その人が何者なのかわかるの判断材料がある。

例えば、プロ野球選手のWikipediaを読むと、その人の年度別の成績からアマチュア時代の活躍まで出てくる。
芸能人やプロデューサーのWikipediaだって同じ。人柄やエピソードだけではなく、その人の携わった作品がちゃんと出てくるから「この人が出ている映画は面白いかも」という期待をできる。
投資なんかでもそうだよね?上場企業であれば、ホームページにIR情報が出ていて借金がないか、本業で儲かっているかがわかるようになっている。

野球や投資は、最もデータ化された世界で、データが細かく出ているだけではなくて、いい選手を見抜くための指数がいろんな形ででて、本当にその指数が有効かどうかという議論もたくさん出てくる。

でも、政治って不思議なことにデータや指数が圧倒的に足りない。
それ以前に公開している実績も足りないし、普段からの情報も政局ばかりだから政策の情報も足りない。

国のGDPがだいたい500兆円あって、そのうちの2割ぐらいは国なんだよ!?
トヨタだって全世界合わせて30兆円ぐらいの売上なのに、国が絡んで動いているお金は100兆円以上!

それどころか、国のルール変更次第で、業界が震撼するケースはたくさんあるから、500兆円全部国を動かしてると言ってもあながち嘘じゃない。

なのに、データがすごく足りない。
ましてや地方議員の選挙となれば、この人達がどういう権限があって、投票する前・後でどんな仕事ができるか、そもそもやったのかがわかんない。

そもそも、スローガンを聞いても何もわからない。

でも…すべてのルールを決める人達、ルール以外にも100兆円以上の予算をどう運用するか決めてる人達のスローガンがもうすごい。

「明るく生き生きとした川崎市へ」
みたいな内容だったり、
「まっとうな政治」
というよくわかんないスローガンだったりする。

「まっとうな政治」
ってなんやねん??

「日本の明日を切り開く」
という自民党のスローガンもふわふわしすぎてよくわかんないよ?

でも、「まっとうな政治」という立憲民主党のスローガンはもっとよくわかんない。
何を連想していいかさえわからない。

「日本の明日を切り開く」
は、まだ響きの良さや「切り開くと言うぐらいだから、暗い明日ではなく明るい明日なんだろう。明日が明るくなるってことは豊かさが実感できるとかそういうことなんだろうか?」という解釈が最低限度できる。

でも、「まっとうな政治」って何さ?
お金にクリーンとか、建設的な提案をするとか、民意を反映するとかそういうこと?
これがどう影響するのか、結果どうしたいのかがわからない。

例え話ばかりで申し訳ないけど…例えるならこうだ。

自民党の「日本の明日を切り開く」は「美味しい料理を振る舞う」ぐらいのスローガンなわけ。
めちゃくちゃふわふわしてるけど「まあ、美味しい料理を振る舞うって言うなら…」ぐらいのリアクションはできるわけ。

平凡ではあるけど、そんなに的はずれなこと言ってないぐらいには正しいわけ。

 

一方、立憲民主党のスローガン「まっとうな政治」は「料理をする前には手を洗う」「卵をキレイに割る」「キッチンの清潔さを保つ」ぐらいのスローガンなわけ。
当たり前の話である以前の問題として、「どうしたいか」が全くわかんないから、「卵をキレイに割る」とか言ってるシェフに料理を振る舞ってほしいかと言われると…「え!?今更言うべきこと??」というしかないわけ。

東大卒業した人が
「ぼくテストは得意ですよ?答案に名前を書き忘れたことがないですから」
と言われても、それは東大生に求めてることってそんなことじゃないでしょ?

期待しているのは
「ぼくテストは得意ですよ?東大の赤本はすべて10回解いて、模範解答まで暗記してます。」
みたいなことであったり、
「絶対にお宅のお子さんを合格してみせます」
じゃない?

選挙のシーズンで各党のスローガンや演説が目に入るけど、びっくりするほど明後日の方向の人やそもそも誰なのか、なんなのかわかんない人・スローガンが多い。

これがわからない。

憲政以来、100年以上選挙やってて、政党の歴史は分断されていても民主党・自民党それぞれがベテランの議員がいて、お金もたくさん動いているはずなのに…スローガンやマニュフェスト、さらには議員のプロフィールや、政治についてのデータ分析(マスコミ側の公表の仕方)がびっくりするほど無難または意味がわからないというのは、本当に意味がわからない。

マスコミについてもそうだし、政治オタクについても政治家についてもそうだけど、なんでデータ化、メタゲーム化が起きてないかがわからない。

本来、行動にゲーム化されたもの、競争化されたものは…データ分析によって必勝法に最適化され、最適化された必勝法をメタる「メタゲーム化」をたどって、流行がループする。

例えば、野球の例で言えば、「豪腕な投手力のゴリ押し→投手の気を散らす機動力野球→そもそもランナーを塁に出さない技巧派投手→技巧派だけど力のない投手を打ち砕く豪打の野球→いくら【当たれば飛ぶ】といっても当てさせないほど早く投げればいいという豪腕の時代へ→(以下繰り返し)」と言った感じで環境がループする。

冒頭でカードゲームの話をしたけど、カードゲームはこの傾向が如実に現れる。
「早期決着の速攻デッキが流行する→スピードをうまくかわして特殊勝利するデッキや、守りが堅いデッキで対抗→守りを力でねじ伏せるデッキが出てくる→力があるカードを出す前に決着する速攻デッキ→(以下繰り返し)」
といった流行とそのメタが登場する。

ゲーム的な感覚がわからない人はファッションで考えてみるといいかも。

女の子のファッションって、上品に行く時代、派手に行く時代、奇抜で個性(キャラクター性を追求する時代)が30年ぐらいの周期でループして、お母さんになる頃に昔の流行が戻ってくるようなことがある。

 

なんで、メタゲームになるかと言うと…競争がある世界では、「効率を追求して勝とうとする人」と、逆に「今誰もやってない方法で勝とうとする人」、さらには「自分らしく勝利を目指すため、計算や効率とはまた違う新しい場所を模索する人」がでてくるから。

政治の世界って「効率を追求して勝とうとする人」が自民党なわけ。
これは、良くも悪くもなんだけど…スローガンの「日本の明日を切り開く」というのは…大半の人が聞いても、間違いが指摘できない無難なフレーズ。

褒められる要素もないけど、叩かれる要素もないちょうど万人から反対されないラインを狙いに行ってる。

逆に、「自分らしく勝つ」を目指している共産党や維新の会なんかはスローガン云々以上にいつも同じこと言ってる。
よく言えば、ブレない。悪く言えば、進歩がない人たち。

共産党の今のスローガンは
「安倍政治に審判を」
というのだから…「まっとうな政治」よりかは具体的なことだけども…果たして株価を倍増した時期の政権に「審判」なんて物騒な言葉を持ち出してまで批判するほど政治に興味がある人はどのぐらいいるか…。

もちろん、要所要所で気に食わない・おかしいと感じるところはあるから、不支持という思想自体はわかる。
ただ、「安倍政治に審判を」という言葉を共産党のホームページの一番最初に持ってきた時に、好意的な印象を持つ人は多数派であり、誰もが納得するようなものかと言うと…疑問はある。

だからこそ、日本の野党がギリギリの議席を失わないでキープしていたり、長く政治活動をしている人はいつもいつも憲法の話ししてるか、行政改革の話しかしてないかのどちらか。

立憲民主党は…そのどっちにもなりきれないし、かと言って研究した結果として違う「メタ」を持ってきたとも言えない。

だから、政治って見ていてわからない。

圧倒的に競争に最適化した結果、何も感じないフレーズをふわふわ言う人と、
逆に多数派になる気が一切ない人が「俺たちはこうだ!!」と言ってる人達の平行線しかないからわかんない。

そうだなぁ…「セブンイレブンと、やさぐれたおじさんの個人商店しかない世界」が政治といえばわかりやすいかな?

競争になろうと思ったらローソン・ファミマ・ampm・サークルKサンクス・ミニストップ(まいばすけっと)・セイコーマートみたいにバランスよくいないといけないんだけど…それがない。

ローソンは関西を中心に出店したり、100円ローソンやナチュラルローソンといった新しい業態を試しているし、
ファミリーマートは(今はやめたけど)無印良品の商品をおいたり、Tポイントと連携することで、他のコンビニよりも他のサービスとは違うシナジーを模索していた。
セイコーマートは北海道の小さな村に出店することで客単価やお金じゃ買えない信頼性を獲得している。

競争の結果、カラーがふわふわしていたり、バックヤードが弱い会社が淘汰されるのは仕方ない。
しかしながら…政治ってふわふわしててカラーがわからない(あるようでいてない、無難なスローガンや経歴公表でお茶を濁す)のが当たり前。
カラーがわかってもみんなが納得できるようなものではなく、「俺たちに共感できるやつだけ集まれ」みたいな人しかいない。

だから、政治ってよくわかんない。
いや、政治って動く金額や利権と、研究やデータ化が進んでないのに成り立っててすごいと思う。

優秀な人がいないのか、それとも戒厳令でデータや研究が完全に公開されないようになってるのかわかんないけど…初当選の人以外でも人柄の話と、大雑把な学歴しかわかんない中で選ぶというのは、本当に「何を選んでるのか」という気持ちになる。

「選挙に行くな」って話じゃないよ?
むしろ、選挙に行きたいし、選挙オタクになりたいぐらいだけども…オタクになるだけのノウハウも情報も魅力も圧倒的に足りないからみんな選挙にいいかないんだろうなぁ…と感じてる次第です。

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ちなみに、「選挙に当選する方法」と検索したら、検索トップに2010年の記事が出てきました。
他にも「選挙 攻略法」と検索したらトップに選挙用品の業者さんの簡単ないろはが出てきました。(厳密には「追放選挙」というゲームの攻略サイトが1位で、選挙用品のお店は2位でした。)

そういうところですよ…そういうところ。
そういうレベルだから、興味が沸かないんですよ

 

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