先日、本業以外にも二足のわらじを履こうとしている人の話を聞くことがあった。
その話を聞くうちに
「この人に、アルバース先生のお話を紹介したい」
と思って、オリックスに所属する投手「アンドリュー・アルバース」が実はオフシーズンに、母校の高校で先生をやっている話を紹介した。
全然野球に詳しくない人なのだが…アルバース先生の話については
「この人、絶対人生を2倍楽しんでる!!私もこういう風になりたい!!!」
と感動してくださった。
オリックスで有名な選手には、野球に関係ない特技や、野球選手が誰もやらなかった新しいことをした人、プロのプレイとは全く別に独自の理論や予想で未来に名前を残した人がたくさんいる。
野球ファンの間では有名なエピソードが多いため、ブログ記事にすべきかどうか悩んだが、野球知らない人から感動してもらえたことで「もしかしたらこれは記事にしたほうがいいかもしれない」と思い、記事にすることにした。
資産管理に定評があるイチロー
まずは一番有名な人から。
イチローは「お米の味にうるさくて、高いお米を番組で当てたことがある」とか、「ドラマに出演してもシブい演技を見せる」と言った野球以外の特技が多い人として有名。
しかし、中でもすごいのが資産管理!!
最近でも有名なのはメジャーでの契約。
ソースによって詳細は異なるのだが、イチローのマリナーズ時代の年俸の一部を「引退後に5.5%の利息付きで、引退後に分割して支払う」という契約になっていて、老後も安泰という状態を30代の間にはもう作ってる。
さらに、IYI社というイチロー・弓子・一弓の頭文字を取って名付けられた資産管理会社では弓子夫人が資産運用に成功している。
不動産についての成功・失敗は不動産を持ってること自体は本当であるものの弓子夫人がやったことかどうかというのはソースによってまちまち。
しかし、弓子夫人が作った美容サロン「エンサロン」もかなりの成功を収めたという話を否定する記事は出回ってない。(その事業もイチローの移籍でシアトルから出る時に手放している)
ここまでは最近話題になったことだから知ってる人も多いだろう。
あまり話題になってないけど、衝撃的だったのはイチローがまだ日本にいた時の話だ!!
イチロー「電通に経済効果を計算させてもらえませんか?」
イチローがオリックスに在籍した頃の球団社長だった「井箟重慶」によると、イチローは年俸交渉もすごかったという。
「僕は今年、いろんなマスコミで報道されたけど、必ず、“オリックスのイチロー” と、オリックスが頭について報道されましたよね。参考のために、この宣伝効果を金額にしたらいくらくらいになるか、一度、電通に計算をお願いしてもらえませんか?」と言うんです。「この野郎、えらいこと言うなあ」と思いましたよ(笑)
イチロー、知られざる契約更改秘話「電通に宣伝効果を聞いて」
やんわりとした値上げ要請。
イチローの利口なところは、「いくらくれ」とは言わない。だから、「(金額を)足せ、ということか。いくらや?」と聞くと、「キリのいいところで1本にしてください」と。それで年俸1億円に決めたんだよ。
だけど、そういう経緯があった話だから、会見のときは8000万円とイチローは発表した。だからアメリカに行くまで、実際の年俸と報道の年俸はずっと2000万円の差が出ていたんだ(笑)。
イチローブームだった当時800万円だった年俸を1億円にまで釣り上げるという荒業を裏でやってたというのだ。
さらに、
イチローって中学時代から株をやってるんですよね。
そうらしいね(笑)。だって、オリックスに入るとき、新聞は何を読んでいるのか、と聞いたら日経を読んでる、と。
ソースが週刊誌のFLASHだからのWeb版なので、これ自体が捏造の可能性は否定できない。
しかし、オリックス時代の球団社長に当時エースだった野田浩司を招いてのことなので…本当に取材した上で記事を書いているならかなり信憑性が高い。
ましてや、引退後まで見越した契約をメジャーで取り付けたり、彼にしか許されないような契約の数々を実現してきたイチローだ!!
中学時代から株をやってても何の不思議はない。
ロッカーで経済新聞を読む男/ブロガーメジャーリーガー
この辺は新しい情報は特にないので駆け足で。
イチローの資産運用や交渉のうまさが話題になり始めたのはつい最近だが…実はオリックス出身で早くからインテリキャラをほしいままにしていた人が二人もいる。
一人は長谷川滋利。
メジャーリーグのロッカーでウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいたインテリな一面を持つ彼だが…それだけではなく、メジャー移籍後に日本で英語勉強法の本まで出版している。
早くからメジャーで活躍してなおかつインテリということで、プロ野球選手の中でもとにかく著書が多い。(しかも野球の本から、メジャーリーグ本、自己管理や英語など様々)
しかも、引退してから本を書く選手は多いが、現役時代からたくさん本を出しているからすごい。
執筆活動で言うと、田口壮だって負けていない。
まだ今ほどインターネットが普及してない2004年の段階で、ブログをまとめた著書を出版したり、「日記も書けるメジャーリーガー」という異名をとっていたりする。
彼も現役時代から著書が多いが、2軍監督になってからもほぼ日刊イトイ新聞や、日経新聞電子版でにコラムを定期的に投稿。
さらに、現役のプロの指導者には(特に2軍の監督では)珍しく、「プロ野球・二軍の謎」という本まで出してる。
「どうせ選手として大化けしないことに気づいてサイドビジネスに走ったんだろ。」
と思われても困るから言わせてもらうが…田口壮はそもそもメジャーはおろか、オリックス入団前から言論を使った主張を述べる人だった。
中でも、ドラ1候補だった大学時代に記者会見で発表した「阪神に行きたくない10ヶ条」は田口が活躍した90年代のダメダメなタイガースを絶妙に言い当ててることから、今でも語りぐさとなっている。(本人の名誉のために言うが、後に撤回している)
1.自分は野球選手である以上、常に勝利というものを目標として野球人生を送りたい。
2.自分の夢は日本シリーズで優勝する事であり、阪神が日本シリーズで優勝することは、夢にしても出来過ぎている。
3.中村監督が個人的にあまり好きな人種ではない。陰気臭いという感じがする。
4.球団がせこい。金儲けのことしか頭にないように見える。
5.フロントの二枚舌が酷いという。傍から見ていてもその信憑性は高いと感じられる。
6.ファンである川藤コーチが辞任した。他の阪神のユニホームを着た人間に打撃など教わりたくもない。
7.阪神ファンのマナーが悪すぎる。甲子園球場で野球観戦をしたことは何度もあるが、野球を見に来ているというよりも、騒ぎたいだけのバカの集まりのようにしか見えない。
8.これほどまでに勝てないのは育成部門が悪いのではないか。自分も潰されそうで恐ろしい。
9.阪神沿線が肌に合わない。
10.大物選手がロクな辞め方をしていない。選手を大事にしない球団には入りたいと思わない
阪神に行きたくない10ヶ条
何割かは、私怨と悪口も入っているが、肝心な部分は「予言」になっている。
「天才は天才を知る」を今最も現役選手で実践してるのは金子千尋だ!!
今までは90年代のオリックスの選手の伝説を書いてきたが、最近までオリックスにいた金子千尋も「予言」をしている。
その予言というのが、スポーツ内閣という番組でのドラフト予想。
すべてドラフト1位になった人を言い当てただけではなく、本当に活躍する人や、オリックスが指名する人、さらには自分がハムに移籍して先輩後輩の仲になる選手まで言い当てている。
隠し玉に挙げた、太田椋はオリックスが本当にドラフト1位で指名した選手。
甲子園に出てなかったこともあってドラフト1位指名されても知らない人も多かったが、これを金子千尋はズバリ言い当ててる。
2位に挙げた、辰巳涼介は楽天に1位入団したため縁もゆかりもない。
しかし、本当に1年目から第一線で活躍しちゃんと楽天の1軍の試合に出ている選手だ。
そして、1位の吉田輝星は…なんと今のチームメイトでかつドラ1。
金子千尋自身が日本ハムに行くことがある程度わかっていたとしても、吉田を獲得するチームの予想の中に「吉田」の名前はないのだ。
しかも、全員ハズレ1位でかつ、うち二人は競合して1位で指名された人よりも当たり…少なくとも、早いうちに結果出してる人ばかり言い当ててる。しかも、ハズレ1位であり2018年はドラフト上の競合が多すぎて誰がどこに行くかわからないのに、古巣オリックス、移籍先の日ハムのドラフト1位を言い当ててるのだ。
しかも、大注目で鳴り物入りで入団したのに、二軍で苦戦している根尾・小園・藤原よりも明らかに当たってる3人をうまく言い当ててる。
吉田は先日初勝利を上げ、辰巳は1年目から1軍出場。
太田椋は出遅れたものの、2軍でかなり当たっている。
まさしく予言である。
ぜひとも日ハムを辞め、引退したら(日ハムでコーチや監督やったあとでもいいので)オリックスに帰ってきてほしい。
後世の野球ファンに広く知られる指数を生み出した予言者も…
野球ファンの間で「いい投手の見分け方」というのは、データオタクたちの頭を悩ませている。
そんな中、オリックス暗黒期のエースである小松聖は、野球ファンの間で画期的だと言われる指数を開発した。
その名も「小松式ドネーション」という指数。
きっかけは彼が「シーズンを通して1アウトごとに1000円、勝利・ホールド・セーブを挙げるごとに1万円、リーグ優勝・日本一・タイトル獲得でさらに10万円の寄付をします」と言い出したこと。
本人はこの年全く活躍できなくて1000円しか寄付できなかったものの、10万円の寄付を除いた「小松式計算式」という指標が投手を評価する際に、素晴らしい指標として評価される。
オリックスにおけるプロ野球選手の寄付の文化は、90年代に活躍した福良前監督・現GMからスタートして、イチローや小松へと脈々と受け継がれた文化なのだが…寄付の基準を決めるうちに偶然にも投手の正しい評価基準を見つけてしまった。
このことから、小松式ドネーション(KD)を載せるサイトまで出てきて、本当の最強投手を探したい人の間で脈々と受け継がれている。
さらに、寄付だけではなく現役最後の年には、自主トレ中に96歳の骨折したおばあさんをおぶって自宅まで送り届けたことまである好人物。
選手時代もコーチ時代もオリックスというチームは災難に見舞われているのだが…彼にはいいことがあってほしい。
そもそもなんでオリックスって「野球以外ですごい人」が多いのか?
ここからは、ぼくの仮説。
オリックスがなぜこんなに「野球以外ですごい人」ばっかりになるかと言うと…それは人材の獲得方法や、年俸の制度にあると思う。
1つ目のドラフトの話は阪急まで遡る。
オリックスは人気選手を狙って、指名が競合することが他のチームに比べて少ない。
一方で、ドラフト1位に社会人投手を指名するのが大好きで、「社会人一本釣りの逃げの指名」と言われるのが大好きなのだ。
くじ運が弱い、不人気球団だから指名拒否を受ける…これもあるだろう。
過去に新垣渚や、内海哲也といったドラフト1位指名の投手から指名拒否を受けたことがあり、「もう後がない社会人や大学生ならドラフト指名を断りにくいだろう」という目論見で社会人を狙いに行くようになった…これも1つの正解だ。
しかし…オリックス時代どころか、阪急時代から社会人投手は大好きなんだ。
これは、阪急時代に「山田久志」という大投手を社会人で指名することに成功したことから、「社会人いいな!」という文化があり、山口高志や今井雄太郎なんかも社会人出身である。
オリックス時代の社会人エースは、川越英隆、小松聖、金子千尋辺りが代表的。
他の球団よりも高校生(特に投手では)獲得しないし、昔からトレードや補強を行う関係で選手の年齢が高めになりやすく他の文化を知ってる人が多いチームだから野球以外の特技を身に着けたり、個性を出す選手が多いのかもしれない。
これが1つ目。
もう1つは、オリックスというのはかなり特殊な球団で、イチローのような大選手には毎年オーナーが一緒に食事してグリーンスタジアム神戸も貸し出し、CMにも出てもらうという高待遇。
引退試合こそないものの、晩年だけ谷や田口といったスター選手に帰ってきてもらって引退してもらったり、黄金期の優勝メンバーにはコーチのポストもたくさん与えられる。
現役じゃなくても、病気がちな選手でも有望なうちならはクビにせずにじっくり面倒を見ることだってある。
一方で、契約金なしで入団させた過去もあれば、キナ臭い不祥事が目立つ選手はシーズン終了を待たずに解雇する、オトナな対応ができないし成績も上げられないなら大物選手でも平気で戦力外にするドライな面も持ち合わせている。
お金になる選手や、素行がまともな選手にはキチッとお金も面倒も見るが、お金にならない素行も悪い選手にはとにかくドライ。
そのため、オリックスで有名な選手、生き残れる選手はそれなりに頭を使って生存戦略を磨き上げた選手が増えていくのかもしれない。
不人気球団にして、親会社が金融系ということから、オトナな対応やタフな交渉力が求められた結果、選手が他とは違う方向に成長したのかもしれない…。
だからこそ、オリックスから育ってくる選手は変な人やタフな人、頭がいい人など他のチームとはちょっと違うカラーを持ち合わせていて、見ていて面白いんだけどね。