社畜がホワイト企業に転生するマンガが、どうみても認知行動療法!!

逆転生モノ・ファンタジー要素のある日常マンガ

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正直言うと、マンガとしてすご~くよくできてるわけではない。
同じような話を繰り返すし、4コマだし、イメージで語ってる部分が多いからそんなに深い話もない。

しかしながら、「このマンガは認知行動療法にうってつけで、病んでいたり気難しい人に読んでほしいエッセンスが詰まっている」というカラーを持った作品だ。

それが「社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった」なんだ。

「認知行動療法って何?」という人のための行動認知療法入門

マンガの話に入る前に、すこし精神医学について話す。

精神医学というと難しく聞こえるかもしれない。
しかしながら、みなさんの周りにもこんな人がいて困った経験はあるはずだ。
・いくら褒めてもネガティブな部分ばかり気にする人
・その人のせいじゃないことも、とにかく自分のせいにして悩む人
・幸せや高待遇を素直に受け入れられず、自分の置かれた幸せな状態を受け入れられない人
これらは「認知の歪み」に陥っているから、行動認知療法を受けたほうがいいかもしれない。

というのも…精神を病んでいる人…もしくは病気とまでは言わないにせよブラック企業や毒親、モラハラの恋人や上司に合わせているうちに「抑うつ状態」に陥り自己肯定感が低めな人には、身の回りのできごとを正常に受け入れられない人がいる。

例えば、「雨男」という言葉。
これを話半分に「私がお出かけするとよく雨が降る」と言う方はいるだろう。
しかし、精神的に病んでいる人になると重く考えがちになる。
みんなで一緒にお出かけしてるのに、雨男のぼくがいるせいで、せっかくの行楽が雨で台無し。本当にごめんなさい。…ごめんなさいごめんなさい…
と、大真面目に傷ついて凹んでしまうのが病んだ人・病みやすい人の思考。

ここまで凹んでしまう人には軽々しく雨男なんて言えないし、そもそも冗談を言い合えるような感じでもないから一緒に出かけるのもキツイ。

他にも、自分が体験したトラウマだけのことなのに、みんな当てはまるように言う人はいないだろうか?
「テストでは1番を取らないと親から怒られる。だから、テストも親も怖いし、こんなものがまかり通ってる教育の世界は狂ってる。」
「自分が困ってる時に助けてくれなかったから、この国の政治はクソだ」
といった過度な一般化を押し付ける人もかなり病んでる。(実際に悪いのは目の前の数人ぐらいのことを世界全体がそうだと考えたり、みんなが同じような辛い目に遭っていると考えガチ)

書いたものは極端な例だが…本当にこういう人はいる。
他にも認知の歪みには次のようなパターンがある。

「もしかして私かも」
と思った人はまずはWikipediaにある「認知の歪み」のページを見てほしい。

次に、これを見てほしい。
先程の認知の歪みを気づいて、治していくための治療法だ。

これが認知行動療法の大まかな流れだ。
本格的に医者や周りの人とやりたい人は厚生労働省がうつ病患者向けに書いている行動認知療法のページを見て細かいメカニズムも読んで、チェックシートをプリントアウトしてやってみてほしい。

Wikipediaや厚労省のPDFを読むほどの熱意がない、熱意はあるけど抑うつがひどくてしんどい人はこのマンガを一緒に読みましょ。

前置き長くなったけど、ここからマンガの話です。

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あらすじ

驚くほどのーブラック企業に就職しておかしくなっている人が主人公。

すっかり判断が正常じゃない状態でホワイト企業に転生(転職)してしまう。

ところが、ホワイト企業では当たり前のことに馴染めず、とにかく高待遇を受ける度に主人公は疑いまくる。

これ、ブラック企業経験者あるある。
ぼくも面接で本当に高待遇なところの話を聞いて「マジかよ…」と驚いた経験はあった。
入った会社が前よりも待遇が良くて「1分ごとにお給料出るの!?前の会社15分毎だったのに…」と驚くことはあった。

それがコメディー調に描かれていて、待遇を受ける度におかしなリアクションをしたり、ブラック企業時代の固定観念でしゃべる。
現実ではうざがられがちな人がマンガだと笑って済まされる。

それこそ、スーツ手当が出ることを聞いて倒れても笑い話。

いや、スーツ手当なんてこのマンガではじめて聞いたぐらいには、ブラック慣れしてるから…気持ちはわかるんだけどね。

自己肯定が低すぎて逆にブラックじゃないと落ち着かない体になってる…

冗談みたいな話だけども…主人公はブラック企業に飼いならされすぎて、当たり前にコンプライアンスが守られてる会社に帰って落ち着かない様子。

GoogleやFacebookでは「セクハラやパワハラがあって、人が辞めました」なんてニュースにもなるけど…ブラック企業だとこんなことは起きない。なぜならそもそも問題にならないから。

そりゃそうですよね…大企業であればまだしも、中小企業や古い体質の会社だと
「仕事を辞めざるをえないほど憔悴している人が裁判や役所への面倒な申請なんてできるわけないだろう」
ということで問題にしない。

問題にしない結果として「セクハラもパワハラもない。いいね?」という状態に陥っていく。

もちろん、セクハラやパワハラに敏感すぎて「こんなことで訴えられたら仕事なんかできない」というレベルのものも存在はする。
しかしながら…ブラック企業に慣れすぎていると…人によってはパワハラやセクハラと受け入れてしまう。

本来セクハラに近いジョークも真面目に返す。

これは、「モラハラな彼氏を持って悩んでる」とかいう人にもあることだけど…自分の権利が尊重されている状況や権利を行使するという発想が奪われ続けると、本来なら断ったりはぐらかしてもいい要求だって真面目に返したり、不遇な状態もまともに受け入れてしまう

ギャグとして表現されているが、現代人が陥りがちな病を受け入れやすい形で描いている。

「みんながホワイト企業に入ってまともな人間と交際して、どんどん認知の歪みを直していけばいい」
と思うかもしれないが、これをできない状態こそ行動認知療法が必要な人達だから現実では難しい。

認知の歪みが進むと、ひどくネガティブに考えすぎる人になって接しにくくなる。
これがお勤めになると高待遇が落ち着かなくなったり、自分がダメな男に尽くしてる(無理を言われてる)状態じゃないと落ち着かない人間になって、なかなか正常に幸せで対等な関係になることができない。

だから、マンガで認知が歪んだ人をおもしろおかしく読めるこのマンガはすごい!

コンプライアンスへの意識が、人をブラックにせず守る。

他にも、彼女ほどブラック企業慣れすると残業がないことが逆に落ち着かない。

コンプライアンスが強い会社だと、「長時間労働してこそ労働」というブラック企業になるようなきっかけを招く人も平等にノー残業をさせるし、休ませる。
本当にこんな会社が存在するかはわからないけど…ブラック企業に洗脳された人や、強引な成果主義を持ち込んでブラックな文化を会社に持ち込もうとする輩から社員を守っている。

だから、ホワイト企業にいるオラオラ系はきつい人ではあるものの、パワハラや残業を強いるようなことにはならない。

洗脳の手法として相手に厳しく接するのと、仕事にストイックで当たりがキツいのは完全に別物!はっきりわかんだね。

重ねて申し上げるが、このマンガはあまりビジネスに使えるような教訓はない。
しかしながら、「ホワイト企業の高待遇が、ブラック企業に洗脳された主人公の歪んだ認識からみて驚きの連続で、当たり前のことに驚く彼女のリアクションを楽しむマンガ」を描いた結果、皮肉にもビジネス的な教訓がいくつかなぞられてる

というのも、潰れた会社は意外と儲かってて社員のやる気も高いのだ。
これはしくじり企業と言って、エンロンや山一證券などの倒産した会社をピックアップする動画で紹介されていたことだが、イケイケドンドンな会社潰れる原因はむしろ過剰な成果主義や、社外ではなく社内のパワーバランスばかりを社員が意識するようになるためなんだ

コンプライアンスの概念が希薄だからこそ、お金を儲けても国に目をつけられて潰れたり、
コンプライアンスの概念が希薄だからこそ、強引な手段でノルマを達成して違法な営業や、間違った成果主義が横行して「実際には利益なんかほとんどない」ということに陥ったりする会社もある。

だから、ブラック企業の厳しい人と、ホワイト企業の厳しい人を分けて描くこのマンガは、少しではあるがビジネス的な教訓もある。
この部分をわざとやってるなら次巻以降も期待できる作品だが…果たしてどうだろう?

ホワイト企業に卒倒する主人公を描き続けてマンネリするにせよ、もっとビジネス的な教訓も描いてくるにせよ、この1巻が極めて行動認知療法に近く、多くの教訓を残している素晴らしいマンガであるため、ぜひとも精神的にネガティブな人…ネガティブに陥りやすい人は読んでもらいたい。

いざ読んでみるとギャグマンガなんだけど…これを2回3回読み返すと「これはひょっとすると社会に大事な提言をしている作品かもしれない」と思えるからこの作品すごいわ…。

 

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