【ネタバレ注意】「天気の子」がオウム事件と酷似してて、怖かった

ある筋から、「映画代払ってでも感想聞きたい」と言われ、本当にアマゾンギフトをいただけたから「依頼はすぐに果たしておかないと申し訳ない」と、天気の子を見に行ってきた。

その事自体はお金のないぼくにチャンスをくれてものすごく感謝してる。
でも、この映画のストーリーと同じく…彼はパンドラの箱を開けてしまった。

それも彼が開けたパンドラの箱のせいで…もしかしたら、新海誠は二度と映画が作れなくなるかもしれないようなぐらいの大ダメージを負う可能性すらあるほど。
ぼくは今から書く話は、そのぐらいヤバい。

1ブログの運営者であるお前が、日本の大きな権力に守られてる新海誠に傷なんかつけられるわけないだろ。うぬぼれんな。
ごもっとも!「天気の子」の存在を信じなかった大人たちぐらいには正論だと思うし、誰よりも俺自身が一番ありえないと思ってる。

でも、TwitterとGoogle検索で調べた限り、今から述べる「天気の子、オウム真理教説」は…この記事を書いた7/24の0時時点で日本で(多分世界でも)言ってるのは、ぼくだけなんだ。
遠回しに「天気の子は(某国の)気象兵器VS(天気の子による)気象兵器の話では?」という陰謀論めいた意見もあるため、うがった見方をしているのはぼく一人ではないし、近いことを考えている人はたくさんいたけど。

だから、もしこの説が浸透して新海誠が致命傷を負ったら…俺のせいなんだ。

そんな電波で異端…ある意味で斬新な説を今から書いていく。

(ネタバレ注意)天気の子ってそもそもどんなお話??

地方に住んでいた男の子が、地元での生活や家族が嫌になって上京する。

ところが、当てもなく身内もいないまま上京したため、歌舞伎町のネカフェで生活する羽目になる。
そのネカフェすら維持できずにマクドにたむろする生活してた時に、後に「100%の晴れ女」だとわかる女の子にハンバーガーをおごってもらう。

最終手段として、上京する時に船で一緒になった男性の元を訪ね、そこから都市伝説などを扱う雑誌「ムー」の外注ライターとして食い扶持を得る。

「100%の晴れ女」はこの時に、取材テーマの1つとして提示されたネタだったのだが…女の子と再会した時に、彼女がその「100%の晴れ女」だと知る。

彼女もバイトをクビになった未成年でお金が必要だと知ると、男の子が良かれと思って「天気を売る」という商売を彼女とともに行うことに。

しかし、彼女は晴れにすることと引き換えに体が水になっていき、実体を失っていく。

その頃、彼女との再会時に、歌舞伎町で偶然拾った銃を、監視カメラがあるところで発砲したことから…男の子はお尋ね者になる。
彼の捜査がきっかけで、彼女も彼女で未成年のまま弟と二人暮らししていたことをきっかけに、二人で逃亡生活する。

しかし、逃亡生活の際に、彼女が天気を操ってしまったことで…雨雲の向こうの世界に行ってしまう。

男の子は一度捕まってしまうものの、彼女を探して再び逃亡し、協力者も本人も色んな罪で巻き添えにして、彼女が晴れ女になったきっかけの鳥居にたどり着く。

そこから雨雲の向こう側にある異世界にトリップして、彼女を現実に連れ戻す。

その後、男の子は
・実家を逃亡して都会で失踪扱いで数ヶ月潜伏
・銃を所持して発砲
・警察の捜査妨害&捕まった後に逃亡
・未成年なのに深夜にうろつく
・線路の上を2,3駅分ほど走る交通妨害(なぜか捕まえないで空気を読むJR職員)
と、少年院だって世間から見ても生ぬるいぐらいの罪を重ねているにも関わらず、まさかの保護観察処分。

逃亡に協力(幇助)した人達も、3年後に刑務所にいた人が一人もいないというご都合主義の後、再び上京して彼女と再会する。

面白いとかつまんない以前にツッコミどころが多すぎて、
「美少女ゲームファンから見てどれだけ高尚だろうと、ご都合主義と妄想がひどすぎて吐き気を催す。」
というエクストリームすぎる作品。

美少女ゲームのジャンキーと、RADWIMPSさえ聞けたらなんでもいいロキノン中毒者以外にはとてもおすすめできんよ。

 

天気の子、オウム真理教説

ただ…この作品がもっと恐ろしいのは…偶然の一致が重なりすぎて、オウム真理教にしか見えなくなっていくところ。

それも、オウム事件当時にはもう成人していてオウム報道を一度ぐらいはちゃんと見たことのあるはずの新海誠から出てきたことに、悪い意味で驚く。

それも、かなり緻密にオウムに似通っているから…余計に怖かった。

オウム真理教を建てる前の麻原彰晃:地元では盲学校に通い、夢を見て東京に来る。しかし、受験も失敗し、悪徳商法でパクられる。しかし、ヨガ道場(後のオウム真理教道場だが、当時はただのサークル)で成功し始めた。
天気の子に出会う前の男の子:地元では学校や親と馴染めず、夢を見て状況。補導されないように潜伏しながら、不法労働させてくれる人を探して、偶然ライター職にありつく。

オウム真理教が広がったきっかけ:「ムー」の超常現象特集に、空中浮遊した麻原彰晃(松本智津夫死刑囚)の画像が掲載されたことで、面白がって入信した人が続出。
天気の子を知って天気を売るきっかけ:「ムー」に都市伝説の企画と記事を投稿する仕事で「100%晴れ女」の存在を知る。

オウム真理教が犯罪を犯し続けた理由1:そもそものきっかけは修行中に起こった信者の事故死だった。宗教法人としての認可が降りるかどうかの微妙な時期だったことから、隠蔽工作を図る。その後もオウム真理教の秘密をつかんだり、真相に迫った人達を手にかけて罪を重ねた。(坂本弁護士一家殺害事件などが有名。)
天気の子で主人公一行が罪を重ねた理由1:女の子を助けるための不可抗力とは言え銃を発砲。その後は、捕まらないために女の子がトラックに雷を落として爆発させたり、(女の子を助けるためとは言え)捕まらないために再度発砲。

オウム真理教が犯罪を犯し続けた原因2:オウム側の教義の1つだった「アルマゲドンから人類を守ること」や「ポア」の達成のため。自分達の信仰から見て正しいことならば、武装も国家権力への攻撃も正当化した。
天気の子で主人公一行が罪を重ねた理由2:(ストーリー上本当だけど、他人から見たら到底信じられない)「天気の子」が天気を操ってると本気で信じていたと同時に、東京が沈むほど雨が振り続けても彼女を救うことのほうが大事。彼女さえ救い出せば警察から逃げ出して、鉄道を止めて、東京を海に沈めても構わない…という危険思想。

「彼女のためなら東京を海に沈めても構わない」みたいな話は、日本赤軍の時に政府が発した格言(迷言)である、
「人名は地球より重い」
と重なる部分もあるから…余計に怖かった。

さらに、共通点というべきものはあって、

麻原彰晃(松本智津夫死刑囚)についての後継団体の見解:オウム真理教の後継団体「Aleph」は未だに警察がやったことが正しくない(陰謀)と主張して、麻原への回帰に走りつつ、オウム事件についてよく知らない若い信者を募っている。
天気の子での事件から3年後:少年院だって生ぬるいほどの罪を重ねてもみんなケロッとしていて、恋心とかなんとか幼稚な理由で、彼女のところへ戻ってきて、彼女も彼女で再び天気を晴れにして(?)歓迎している。自分達が周りに迷惑なんてかけてないとでも言わんばかりの顔で平然としてる。

こじつけであるとぼく自身祈りたいのだが…ここまで似通っていると看過できなかった。

偶然でもそんなふうに見えないぐらいの配慮は欲しかったし、いくらでも回避できたであろう部分で似通ったのは正直悲しかった。
わざと似せたとして、ハッピーエンドっぽく楽しげな演出で描いているとしたらそれはものすごく怖い。
もっと言えば、あれだけ登場人物全員がケロッとしていてバットエンドの話だとしたら相当闇が深い。

しかもだよ?
他にもまだ似ている作品外の部分があって、重大な瑕疵があったのに…どっちもスポンサーに担がれている。

オウムの場合は当時面白がって、取り上げたタレントやテレビ局はあったわけだし。
これだけ酷似してて、見る人が見たら誤解や陰謀論だって湧きかねない作品に、ソフトバンクなどの大企業が乗っかってコラボCM流しまくってる。

この辺の類似点も真剣に考えたら怖いものを感じる。

「セカイ系と呼ばれる作品なんてだいたいこんなものでは?」
と美少女ゲームのファンから思われてしまいそうだけど…もっとファンタジーに見えたり、現実感がなくて現実の嫌な事件と重ならないような配慮は多くの作品でされている。

これは麻枝准脚本作品のAngelBeats!を批評する時にも言ったけど…実在するモチーフ(AngelBeats!の場合はドナーカード)を使って、嘘八百のお涙頂戴を垂れ流すのは良くないんだよ…。
美少女ゲーム絡んでないところでも、けものフレンズ2で「毒がある動物の誤情報を流すのはどうなんだ?」という指摘はある。

かなり現実にリンクしたモチーフ使いながら、主人公が子どもと大人を使い分けながら超理論でお涙頂戴してくる作品は…ダメだよ。
被災地に衣食住にもなんにもなんない折り鶴送って自己陶酔している教育関係者と何が違うの?

いや、ぼくの好きな新劇場版ヱヴァンゲリヲン:破だって「行きなさい、誰かのためじゃなくて自分のために」みたいなこと言って世界が滅んでも綾波を救い出す描写はあるけど…これ続編の新劇場版:Qでは思いっきり否定してるし…何よりも実在する事件とは被りようがないほどエヴァはファンタジーな世界観作っとるやん?

おまけに、エヴァは周囲の大人を極端に悪くも描いてない。
天気の子にも、しっかり見ている人なら「あたりが強く見える大人たちだけど、自分の仕事をまっとうしてるだけなんだよな」と気づく描写はいくつもあるけど…そこの境目をものすごくわかりにくく描いている。

だから、エヴァではシンジくんが幼く情緒不安で自分本位なだけで済むし、その子に世界を託さないといけないというおかしな状況に大人はなんとか踏ん張り、シンジくんは14歳の感傷丸出しのことを言って周囲と衝突する。
でも、新海誠作品ではオウム事件に寄って、自分の身内以外がことごとく当たりを強めに描いているから、排他性な側面が強調されてしまう。しかも、衝突した後ですんなり許されるから「なにこれ!?」になってしまう。

 

新海作品が好きになれない理由は、「描写の解像度」の極端なズレ

新海誠作品は、設定に致命的な欠陥があっても「ファンタジーだから」「泣き所そこじゃないから」みたいな事を言ってスルーするのが作法が多い。
それだけ一部の世界観の作り込みやストーリーのスケール感はすごいが、パーツパーツの脇が甘くて台なしになりがち。

麻枝准脚本作品にもそういう醜悪さがあって、作品を作る度に論争になるけど…新海誠は多分もっとひどい。

人気ブロガーのフミコフミオさんに
「知らないことは書くな。」
とブロガー同士の飲み会で言われたことあるけど…新海誠にはそっくりそのまんまその言葉を贈りたい。

猫にカロリーメイトをあげたり、
天気で人の気分が変わることに「たかが天気」と言ったり、
床下浸水や軽い洪水でもほとんど足元がぬかるんだところ、人や車が動きにくそうにしているさまを描かなかったり…見る人が見たら違和感しかない描写を雑に差し込んでくるのホントやめてほしい。

ぼくが天気の子を見に行った理由だけど…予告での「たかが天気」という発言が、躁うつ病患者のぼくにはすごく引っかかったから。

躁うつ病患者が精神科にかかったら、薬を飲めとか安静にしろとかそういうことではなく真っ先に
「朝ちゃんと起きて朝日を浴びて、体内時計を安定させましょう」
って言われる。

これは日の光を浴びると体内でセロトニンを作る働きができて抑うつ状態になりにくくなるから。

同時に、(躁)うつ病患者は…季節の変わり目には長いうつ状態に苦しむ。
天気、日照時間、気圧が安定しなくて体調のキープが難しいから。

それを「たかが天気」なんて言われたらうつ病患者には死活問題だ。
そして、予告でここまでイラついた映画は30年近く生きてきてはじめてだった。

その程度の動機で見に行った。
でも…実態はもっとひどかった。

売れればなんでもいいと思っている東宝やカドカワ的には炎上商法でも大成功なのかもしれない。
美少女ゲームのファンとティーンだけのために映画作るならそれでいいのかもしれない。

ただ、新海誠に大衆映画ヅラされると…なんか色んなところに配慮して作品作ってきた先人のアニメ監督達がかわいそうだ。
この人が広告塔になってるかぎり日本のアニメに希望は持てないよ。

だって、過去の作品ほどの配慮がなく、配慮のなさが突き抜けた結果として、日本のタブーともいえる大事件と重なってしまうんだから。
それはいくらだって回避する術も、修正を迫ることもできたことなだけに…新海誠はもちろん、関わった会社のガバナンス・コンプライアンス意識すら疑う。

天気の子を見て、3年後まで日本のアニメに大雨が降るだろうなぁ…なんて感じるとは、夢にも思わなかった。
ちょっと合わないぐらいで済むと思ってた上映前に戻りたい。…が、そこは覆水盆に返らずなんだろうなぁ。

音楽だけ素晴らしいよ。
本編とあんまり重ねないで見ると…余計に。

新海誠のことが嫌いになってもRADWIMPSのことは嫌いにならないでね。

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