※注意!
今回のバチェラーの感想は今回のバチェラー3がいかにすごいかを知ってもらうための説明が中心です。
バチェラーの男女の駆け引きの話というよりも、日本人のジェンダーについての感想がとても多いです。
ここをわかってるかどうかで、バチェラー3の見え方が天と地ほど変わるから、理屈っぽい話にはなりますが、がんばって読んでもらえると嬉しく思います。
シーズン1から感想とか予想を書いているから今回もバチェラーを見ては毎週毎週感想を書いていこうと思うんだけども…今回のバチェラーは伝説になるかもしれない。
というのも、バチェラーの男性や、バチェラーを奪い合う女性陣の顔ぶれが…もういつもと違う!!
今までだと、バチェラーという海外番組の仕組みを輸入した恋愛番組をやっていながらも日本人が受け入れやすい人ばかりを選んできた結果として、選ばれてこなかった人がいた。
でも、今回のバチェラーは、キャスティングの段階で日本人の好む・好まざるに関わらず世界水準で番組を作っていると思った。
医者家系の息子で、フランスと日本を股にかける社長なんて日本のドラマなら悪役!!
日本の実態は世襲や学閥主義が強い国なのだが…だからこそ、実力だけで成り上がる英雄がとにかく好き。
源義経の時代から結局は負けてしまう英雄を担ぐ「判官贔屓」が強い民族だと言われているけど…実際に権力を握った人よりも破天荒で大きく時代の流れを変えた人を好む傾向がある。
・源頼朝よりも源義経
・真田信之よりも真田幸村
・徳川家康よりも織田信長(豊臣秀吉)
・渋沢栄一よりも西郷隆盛
実際に大きな権力を握ったり、何百年も続く仕組みを作った人より実力1つで世の中を大きく変えた人を好む。
だから、生まれも育ちも良い非の打ち所のないお金持ちよりかは、(不利な状態から)過酷な環境を勝ち上がってきた人を好む。
だから…今回のバチェラーが
・中学高校はフランスに留学
・父も兄も医者
・神戸とフランスを行き来する貿易会社経営
・日本では神戸から出たことない(東京なんぞ眼中にない)
・趣味はゴルフと車
というえげつない経歴してて、庶民要素ゼロ…というのはかなり思い切った人選と言える。
「こういうやつって、世の中ではだいたい悪役かいけ好かないやつとしてしか出てこないよね?」
というマンガみたいなやつ。
いや、マンガ家にはいないレベルの金持ちすぎて描けないレベル。
もっというと、スネ夫の自慢話を鼻で笑いながらいなしそうなレベル。
今までのバチェラーだっていけ好かないぐらいのエリートだったけど…もうエリートとかじゃないんだよね。
エリートって学歴とか職業を勝ち取った人だけども…この人はもっとそれ以上に「生まれながら成功する側にいる」と言わんばかりの人。
そこまでの人物って、多少仕事したぐらいじゃ嫉妬とか批判に押しつぶされがちで日本人ウケが悪いんだけども…Amazonは敢えてそこを行ってる。
お金がある人って別に一代で財を築いた人とは限らないどころか、むしろ財を引き継いだり、英才教育がハマって成功する人の方が当然多いよ?
だから、「完璧な男性、バチェラー」と言われたら鼻につくほど完璧なぐらいのこういう人がやるべきだよ?
でも、そういう人は日本人好みじゃないからバチェラーでは避けられていたけど…ついに、本当のお金持ちがバチェラーに来たんだよね。
それがもうすごいなぁって、開始5分ぐらいで思った。
日本人の純血主義、純潔主義もAmazonさんはぶち破っていく!!
次にバチェラーを奪い合う女性たちだが…これも、日本人の好みが反映された形でしか選ばれてこなかった。
日本人の好みって
・純潔主義…結局は若くて清楚な子が好き(だと思ってる)。バツ1やお水なんてもってのほか。
・純血主義…候補は日本人だけ。外国人で日本に入ってくる人は日本人と同化するぐらいの人じゃないと受け入れない。
・職業に序列…女子大生やOLみたいな普通の職業の人じゃないとダメ。ブルーカラーや芸能系は女の子らしい職業なら受け入れられるけど、ガテン系だったり、男が多いカルチャーだったり、一人ひとりの男と顔を合わせて接待する系の仕事はダメ。
みたいなのが強い。
この背景になぞった形で今までのバチェラーは比較的若くてプレーンな女性ばかりがキャスティングされて、その中でも純粋そうな子がバチェラーのハートを掴んで選ばれていた。
ましてや、バツ1や外国人女性は候補にも入らなかった。
でも、今回はかなりそこを変えていて、今回はいろんな職業が参加している。
例えば、バツ1で子どもがいるシングルマザーのお母さんとか。(右は息子さん)
例えば、韓国から挑戦してきた女性。
他にも10年勤め上げた元ホステスさんとか、髪金髪のDJとか、リムジンではなくトラックで登場する運送業の女性とか…なんかもう「日本人好みではないであろう女性」をガッツリ登場させている。
この辺は…日本のドラマとかならまずヒロインにならないタイプである一方、海外ドラマだったら割と主役格で出てくることもある経歴なので、Amazonは世界水準で人を選んでる!!
Amazonが本気でグローバルスタンダートを持ち込みだしたんだ感じがして色々な事を考えたよ。
海外ドラマで最初に衝撃を受けたのはパトリック・ジェーンに結婚歴があるというところ
話は飛ぶけど、ぼくが初めて見た海外ドラマはメンタリスト。
これもバチェラーと同じく「アマゾンプライムビデオ」でほぼ全クール見られるから是非見てほしい。
サイモン・ベイカーというスマイルが素敵な男性が演じるパトリック・ジェーンという人物は、事件があって妻・子どもと死別して独身。
新しい相手も見つかっていないから確か指輪もしていたはず。
これがドラマの主人公としてはまず日本で見ない種類の人だからぼくは「海外ドラマすごい!!」と衝撃を受けた。
さらに言えば、日本のドラマでは刑事ドラマでさえ本当に底辺の人を描くことも、逆に成金すぎておかしなやつなど偏った人はあまり描かれないことが多いのだけど…メンタリストはおかしな人も人種が違う人も色々出てくる。
海外ドラマの懐の広さは恋愛描写にも出ていて、キスシーンが日本のものよりねっとりと深くてちゃんと参考になるんだよなぁ。唇合わせるだけじゃなくて、見つめ合ったり抱き合ったりのねっとり感がすごーく参考になるなぁと思って見られるんだよなぁ。
日本のドラマの面白いやつってあくまでも「役者がいい」だけのことが多いのに対して、海外ドラマだとアホな人から成金のエリートまで人間の描写がしっかりしてて設定が濃ゆい。
日本のドラマは成功事例を取り上げたり、役者のクセを楽しむ、コメディっぽく小難しい話でも見られるという意味では有能。
だけど、海外ドラマの面白さって描かれる人間の幅の広さだったり、専門性に裏打ちされた面白さなんだ。
バチェラーも3回目になってやっと海外ドラマ的な面白さになっていったと思う。
お金持ちは視聴者の想像を超えるほど金持ちだったり、
女の子についてもいろんな人種の人が出てくるからキャラの濃ゆい人が山のようにそれも違う方向で出てくる。
だからこそ…日本の視聴者には合わない部分もあると思う。
でも、海外ドラマで訓練している人や、多少の恋愛経験がある人はこれ以上タフなものを日本で見るのはほぼ不可能だから見てほしい。
さっきも言ったけど、日本人は純潔で純血で社会的に認められた職業の人が大好きだから…ティーンに毛が生えたような人がわちゃわちゃしてるような恋愛ドキュメンタリーを中心に作ることになる。
いろんな職業の人…それもかなりたくさんのアラサーが混じっている中での恋愛ドキュメンタリーはやっぱりバチェラーでしか見られない。
今までは日本人の好みに配慮してたけど、より本場に近い味付けになっているから、今回は期待して、そして覚悟してみてもらいたいよ。
これで興味が湧いた人はアマゾンプライムビデオでバチェラー見てくれると嬉しいです。
今回のバチェラーはAmazonがグローバルスタンダートを見せてくれるかもしれないから…ぼくはすごく楽しみです。