「2月の勝者」を読んで、お受験に130万かかると知った庶民の感想

教育論

スポンサーリンク

いつもは初物食いのぼくが、久々に5巻以上のマンガをマラソンして読みました。

created by Rinker
小学館
¥607 (2020/09/26 13:57:37時点 Amazon調べ-詳細)

知り合いに中高一貫校出身のインテリが何人かいて、その中のひとりから「2月の勝者おもしろいよね」とおすすめされて読んだのですが…イマイチ刺さりませんでした。

というのも、お受験が年間130万円もかかることを2巻まで読んで知ってしまったからです。

子供の頃は塾の月謝のことなんか考えたこともなかったけど、大人になって学校の入学金でもなんでもないものに130万円払うところがスタートラインと考えたら…こんなにバカバカしい事はない。

130万円子どもにかけるにしたって塾に払っていいのだろうか…??

考えても見てほしい。
年間130万円あったら、子どもが何をしたいかに関わらず、ほぼすべての競技でトップレベルの設備が用意できる。
なにかのスポーツをやりたいと言った時、パソコンで何かを作ってみたいと言い出した時、投資を始めたいとか言い出した時…ほとんどのジャンルで子どもには身に余るものが用意できる。

たとえば、最近の子供達がなりたい職業にはYouTuberがあるそうだけど…130万円もあればいいカメラやスマホ、良さげなパソコンや編集ソフト全部揃えて教えてくれる人に月謝を払っても…1年ぐらいならお釣りが来る

子どもがYouTuberをやるべきだとは言わない!
でも、「130万円もあったらそのぐらいできる」というのはとても大事だと思う。
塾に使おうが、子どもの別の体験に使おうが130万円は130万円。そこは揺るがないから。

もちろん子どもが本気で取り組むことが大前提だ。
しかし、「別にお受験じゃなくてもいくらでも将来の仕事や収入につながる金の使い方はある」ということはもっと留意してもいい発想ではないか?と思う。

しかも、これまだ「入学すらしていない塾」でかかるお金だよ!?
入学したら、さらに色んなお金がかかって、大学でも国公立行かなかったら…まだかかる。
進学だけで1000万円で、養育費、ファミリーサイズの物件の家賃がつくわけだから…中高一貫校を目指す人が多い首都圏ではとても子どもなんか育てられませんわ…。

ところが、
「そんなにお金かかるなら、公教育でいいのでは?」
と言われると…それも難しい。

スポンサーリンク

同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite

政府が教育にお金をかけない国、日本

あまりにも中学受験の塾代が高いから調べてみたところ、教育関係の市場規模は2.5兆円だそうだ。

アニメの市場規模が(有象無象全部ひっくるめて)2兆円、
マンガの市場規模は紙・電子合わせて4400億円と言われているから…合計すると教育関係とイーブンになる。

 

文科省が平成21年に出した資料によると、日本は教育にお金をかけてない国だそうだ。
金をかければいいというものでもないけど…「平均」すると、小学校や中学校でお受験する人ばかりでもないから…全体では外国よりもまだ教育にお金をかけてないようだ。

「日本中に教育の話をしたがる人達、お受験をさせる人がいるのだからそんな訳無いだろう!!」
と思うかもしれない。

そこは、公的負担と私費負担の比率を見てもらうとわかる。

日本って公的負担が少ないくせに、私費負担はやたら多いんだよ。

特に、お金持ちが英才教育やお受験をさせたがる小学校入学前と、大学受験を控えてみんなで慌てて予備校に行くようなフェーズでは、私費負担がやたら多い。
安普請な公教育と、私費負担でいい教育を受ける人の格差ができていく。

「私費負担が多くて、平均より少し少ない日本の教育費…ということは、公的負担だけならもっと少ないのでは?

はい、すごーく少ない。

うわぁ〜これは酷い。

しかも、これらのソースは「平成21年の文部科学白書」だからね?
今大人になってる人達というのは、先進国の中では最も教育に金をかけられてない人達なんだよ。

ちなみに、2019年時点でも、教育の公的負担は最下位OECD35カ国中最下位。
(参考)教育への公的支出、日本は35か国中最下位…OECD調査

「教育の公的負担が少ないと何が問題か?」
というと…わかりやすい例でいうと、これではないだろうか?

少人数にきめ細かい授業を行うことが難しくなっていくのよね。
予算が少ないってことは学校の先生をそんなにたくさん雇えないってことだし、1クラスの人数が多いということは先生が生徒に目を配らせることも難しくなる。(また少人数に合わせたきめ細かい授業もやりにくいから大雑把な教え方になりがち)

これも文科省が出している資料だからね?
学級規模の基準と実際[国際比較] – 文部科学省

もちろん、海外の教育が全部素晴らしいかと言うとそんなこともないよ?
ただ、国を上げてない以上、よりよい教育・きめ細かい指導を受けさせたかったら私費負担して少しでもいい教育が受けやすいようにしてやらないといけない。

この辺のことがあるから、お金のある人は私的負担を増やしてでも塾に通わせたり、私立への進学をしようとする人がいるのだ。
日本の教育事情を考えたら、130万円+私立の入学金を払ってでも価値を感じる人がいるのはわからなくもない。

とはいえ、「親が魅力的な人間であること」が最大の教育なわけで…。

日本の教育事情を調べてもなお、
「受験や教育にみんな期待しすぎなのでは?」
「学歴や交友関係は大事だけど、みんな前のめりすぎるのでは?」
と思えてしょうがない自分がいた。

そこで、2月の勝者を推薦してくれた友人に疑問をぶつけた。
その中で、自分の生い立ちを話すと、ぼくの事案がすごく特殊なことがわかってきた。

ぼくは、父から「勉強しろ」と一度も言われたことがない。
積極的に提案してくれる人でもなかったが、めったに強要や否定もされなかった。

自分で見つけた疑問や、やりたいと申請したことは答えてくれる父だった。
これが10代の時には「優しい父」ぐらいにしか思ってなかったが、質問がビジネスの悩みになって来た時に歴史や数字への考えを聞くと「結局一番参考になるのは父だよなぁ」と20代後半でやっと父なりの教育方針に納得できた。

この環境がそもそも特殊だったらしい。

だから、ぼくにとって学校の先生はどこまで行っても、
「うるさい人」「うるさくない人」ぐらいの区別しかなかった。

そもそも、父ぐらい頭いい人や考えたことと話が噛み合う人が小学校から高校の12年間でたった一人しかいなかった。

ちなみに、その先生と出会ったのは、公立校の滑り止めに受けた滝川第二高校(滝二)だった。
当時の滝二はまだサッカーを中心に部活に力を入れてるで、クラスの中がとにかく多彩だった。
先生も武闘派が多い中で、先生はインテリなのに武闘派だらけの滝二の普通クラスにいるユニークな人だった。

その人は京都大学出身の先生で、父は東京理科大なので
受験に成功して、いい先生・いい学校に行けば、父や自分が好きな先生のような、すごい人だらけの世界に行けるかも
と期待してた。しかし、大人になるにつれて父とその先生が飛び抜けて有能なだけで、【有能な人に会える確率は上がるが、絶対ではない】ということに気づいた。

父や先生の足元にも及ばない高学歴を腐るほど見てきたし、進学に特化したクラスの先生や生徒を見ても滝二の多様性のほうがはるかに面白かった。

これが、そもそも受験や教育への期待値が低い理由。
普通の家庭では、親がそんなに面白いこと・参考になることはないから、教育通の友人から見るとかなり特殊なんだ。

人生の指針になったのは田舎での少年野球

ちなみに、ぼくが父と話す機会を大事にしているのは少年野球時代の初老のコーチが
「父親と話す時間を大事にしろ。歳を重ねると母親より父親と話す時間が大事になってくるぞ」
という言葉。これは年々効いてきて、30になった今が一番父の力の大きさを感じている。

次に、少年野球の監督はぼくが少年野球チームを卒団する時に
「不屈」
という言葉を色紙に書いて贈ってくれた。

野球を始めたのが遅く、控え選手なりに自分の居場所を作ろうともがいているぼくに贈ってくれた言葉は、躁うつ病になって仕事に就けなくて時間だけが過ぎた後に、「不屈」が効いた。

最初に、
「130万円もあれば、YouTuberを最高の設備で始められるじゃないか!」
「塾に行ったって成績上がるとは限らないのに130万円出すぐらいなら他のことに本気で打ち込んでもいいのでは?」
と言ったが…これはぼくが少年野球でもらったものがその後の人生に大きく繋がってるからだ。

中学高校時代には野球で鍛えた体力。
大学ではオタク趣味に目覚めた時にこまめに情報収集する時にプロ野球に興味を持って小学校の頃からデータ収集や選手を調べ上げる能力が活きた。
そして、社会に出てくじけそうになると指導者の言葉が活きた。

ぼくにとっては学校や学習塾では人生は変わらなかった。
でも、ぼくのありとあらゆる基礎を作ったのは野球で、一人努力し続ける時に手助けになってるのは父親で、諦めそうな時に逃げ場と可能性をくれたのはインターネットとオタク文化だった。

だから、学校なんかに130万円かけるほどの期待が持てない。
本気で取り組む価値、日本での私費負担での教育の大事さを頭でわかっても、みんながそこに行く必要は感じない。
そんな育ち方をしている人間は、日本ではかなり特殊で、ぼくは自分の経験や人生を「平凡」と位置づけていたけど、そんなことはなかった。

人と比べたり、比べるものさしでしか見られない人がいるけど…そういうやつに自分がなる必要はないんだよ。
自分の糧になってるかどうかは、自分の意志と、自分のフィールドで打ち込んだ結果で決めたらいい。

自分のことを平凡だの、クズだのと他人のものさしで測るのをやめてこそ見えたおじさんが気づいたのは、受験の世界とは真逆のことだったんだよ。
皮肉なことだけど、受験のマンガを真剣に読んでそれに気づいたんだ。

created by Rinker
小学館
¥607 (2020/09/26 13:57:37時点 Amazon調べ-詳細)

スポンサーリンク

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました