四の五の語ってる人が多すぎるから「話の種に」と見に行ったが…私に言わせれば
はいはい、庵野庵野。
以上でも以下でもなんだよ!!
それが正しい解釈ですよ、そうですとも!!
よくも悪くも「エヴァの面白さがそのまま実写になった」だけ
あの映画を見て大喜びしてる人達に水を差すようで悪いが、僕は敢えて冷ややかに言いたい。
「オタクって、戦闘機とか、高層ビルとかの下に明朝体でムダに長い名前を書いとけば、喜ぶよね〜」
「まだ、おっさん達は新ヱヴァンゲリオン序のヤシマ作戦引きずってるの?」
「最近の邦画が駄目すぎて、進歩がなさすぎて、ヱヴァの序をほとんどそのまま当てはめたら、最近の邦画が裸足で逃げ出すクオリティになっちゃっただけじゃないか!」
庵野作品らしい(引用)ネタが出てくれば、なんでもよさげ人らにキレたい。
映画自体は面白かったよ?
でも、もう似たようなことをしてるアニメを死ぬほど見た僕としては
「20年前からのお家芸を実写にぶち込んだだけじゃないですか」
以外の何物でもないんだわ。
邦画だから、エヴァ(ヱヴァ)シリーズに比べたらアクション描写よりも人間同士のグダグダなやり取り・人類の危機になっても保身に走る政治家・自分勝手な一般市民を多く描かれていて、そこを評価している人は多い。
でも、根幹はエヴァでやったことばかりだからエヴァ・ヱヴァをきっちり見ておけば、そんなにびっくりするようなものはない…よ??
例えば、エヴァで言うゼーレの身勝手さは、ゴジラで言えば米軍の身勝手さ。
例えば、エヴァで言うトウジが人類を守ったシンジくんを殴る勝手さは、スマホで事故を撮影する人、ゴジラが悪いのに矛先がなぜか対策をしている官邸でデモをしちゃう人達の勝手さ。
原型は20年前に描かれてる。だから、
「思ってた通り面白く、思ってた以上のものはなかったよ。いつもの庵野秀明だよ」
が、僕の感想。
これを絶賛して長文で語りたがる映画評論家も、30歳以上のオタクも
「普段あれだけ偉そうにモノを言うのに、自分が好きなもんが出てきた途端評価が甘くなった」
と幻滅。
90点をつけた人とそれを絶賛している人がたくさんいるが、それは映画が好きな奴、昔から特撮とかゴジラとかダメな邦画とかを山のように見てきた人の90点だよね?
↓90点の評価をつけた記事。(これを絶賛してる人、やたら多い)
映画に90点。
それこそ、人生で忘れられないほど好きな映画につける点数だが…エヴァもゴジラも知らん人からみれば、そこまで人生にずっと残り続ける作品だとはとても思えん。
邦画・特撮として評価したら高い点数つける気持ちはわからんでもないよ?
でも、庵野監督含めGAINAXアニメをそれなりに見てる人は昔から見てるものだから、90点なんてつけたら…アニメファンから笑われるよ♪
「あれに90点つけるなら、ちゃんとエヴァの影響を受けてる深夜アニメを見ようよ?」
「庵野秀明作品 をTSUTAYAで借りてきてアニメマラソンしようよ?」
という気持ちにしかならない。
邦画としてすごい/おもしろい
特撮としてすごい/おもしろい
という評価を耳にするほど違和感を感じる。
それらは
「マグロをフレンチで調理したにしては美味しい」
「日本人にしては英語がうまい」
「40歳にしては、あの野球選手は足が速い」
みたいな…本当に価値があるかどうかも疑わしい挑戦でしかないのよねぇ…。
それはそれですごいけど、本当に見たいこと、してほしいことはそういうことなのか?
ただ、庵野ファンとしては涙モノ
庵野秀明本人に愛着がある人は
・2012年にヱヴァンゲリオンQを作った後に、庵野さんがうつを患ったこと
・病みながら作ったヱヴァンゲリオンQが恐ろしくグダグダでややこしい映画であり、「見たこともないもの」を作りあげてしまったこと。
・庵野さんはエヴァ/ヱヴァの作中でのパロディはもちろん、自らがウルトラマンの格好をしてウルトラマンを撮影するほどの特撮ファン
を知っている人から見れば、うつになってまで新しい物を作らず、庵野秀明が好きなモノを好きなだけ、好きなように作っていったことが手に取るようにわかるのがシン・ゴジラ。
ヱヴァという重苦しいものではなく、もっとカジュアルに震災や政治や世の中を語る表現の場を獲得できたのがシン・ゴジラ。
そのへんの裏事情をわかった上で、あの映画を見れば
「よかったね、よかったね」
と気持ちよく見られる作品であり、庵野さんから滲み出るものも楽しめるだろう。
でも、それを一般の人や、女性にまで強要するのは違うんじゃない?
例えるなら、実物大ガンダムをガンダムオタクが女の子とのデートに使っちゃいけないんだよ…。
女の子も「大きいね」「よくこんなもん作ったね」ぐらいの感動はしてくれるよ?
だけど、ガンダムの細かいパーツや、ガンダムの周辺を登場人物が動きまわることまでは理解してくれない。
押し付けようものなら「気持ちはわかるけど、押し付けないで」 だよね。
そりゃ、邦画として評価すればいい作品だよ?「他の邦画がダメすぎるから庵野さんほどの才能があれば、飛び抜けていいものを作りますよね」と思ってた僕の気持ちを裏切らなかったことは嬉しかったよ?
でも、庵野秀明作品として評価するなら「はいはい、庵野庵野。庵野さんが元気で何よりです」って感じの作品。
それが好きな奴は見に行けばいい。
ただ、見に行った人と映画の話をするときに「全部わかれ」「俺と同じぐらい感動しろ」は違う。
アガってるのはオタクだけだと自覚してエクスキューズもきちっと書いて欲しい。
そりゃ、東京の街をやりたい放題に壊したり、兵器転用してゴジラに山手線を突っ込むなど特撮作品らしい男のロマンは詰まってるよ?
でも、それだけでご飯三杯行けるオタク達の意見だけで映画を評価するのは…違うよ。
おもしろいよ?
でも、90点はないわ〜。
楽しめなかった人達をオタクが追い立てて行くことに正当性を全く感じないわ〜
だから、自分が庵野作品好きで…いや、本気で病みながら作品を作った時の庵野さんがぶっ飛んだパワーを知ってるから、絶対の信用を置いてるから
「この映画を褒めるようでは庵野秀明ファン失格だ。庵野さんは病まないで好きなことをやるだけで、日本映画界ぐらい蹂躙するぐらいの人であることはオタクなら20年以上前にはもう知ってたことでしょ?
普通の庵野さんの才能に日本の映画・特撮が追いついてないだけ。」
という気持ちにしかならないし、そもそも
「シンゴジラを大真面目に語る人達にこそいいたいけど、アレは庵野秀明の好きなモノ・今となっては昔のこととなってしまった特撮の文化や手法を詰めあわせていった結果、かえって今の人が見るとシュールに見えてしまう作品。だから、大真面目に語ることよりもむしろ、小さいギャグの組み合わせをほのぼのと楽しむのがあの映画の正しい鑑賞方法だぞ」
と、この映画でギャーギャー言ってる人達に言いたくて言いたくてしょうがないわけ。
地元川崎…それも武蔵小杉周辺が出てきたから、川崎市民として興奮した。
・関連記事(むしろ、きっちり語るべきだと思ってる映画)
「ガールズ&パンツァー劇場版」には人生のだいじなものが詰まってるんだよ…
シンゴジラとは逆に、ギャグみたいな設定とキャラのくせに、映画として真剣に見てみると意外と重い話なので、ガツッと語った。
【ネタバレ注意】映画「この世界の片隅に」を僕は命あるかぎり、伝え続けていきたい。
シンゴジラは語れば語るほど、キチッと意図を反映した語りを目指すと映画をドライに見るようになる。
でも、「この世界の片隅に」はむしろ語れば語るほど本当に涙が出てくる。
映画を見た後の行動が真逆すぎて面白い。