【追込型監督】日本一になったから中嶋聡采配を語る(2022年版)

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他のことが忙しすぎて、ブログが放置気味ですが…去年書いた中嶋聡采配の記事が伸びていた。

【王道?邪道?】中嶋聡監督の采配がやっとわかってきたから語る!
ぼくの中で中嶋監督がずっと謎だった。でも、最近になって、やっと少し中嶋監督の采配を説明できるようになってきた。↑結論から言うとこれだけです。でも、これを読んでもさっぱりわからない人もいると思うので、順序立てて語っていきます。2020年に中嶋

上記の記事を書いた、2021年5月当時というのは…4月まで昨年のスタメンをごっそり入れ替えるという
「正気を疑うような采配」
を取っていた時期だった。

暗黒期の英雄というのは、チームが黄金期を迎える時に必ず冷や飯を食らうもんだが…それにしてもやりすぎで、オリックスファンの理解を越えた内容で、理解できるまでぼくも2ヶ月かかった。

中嶋采配というのは、「まずは大きく張る」。
シーズン序盤に負けが込むことがあっても、「堅実な戦力」を横において序盤は大きく賭ける。
中盤から「堅実な戦力」を織り交ぜて、チームとして完成させていくのだが…その前段階は無謀ともエゴとも思える大博打を連発するため…生粋のオリックスファンでも理解に苦しむ采配が連発される。

 

「2年目になれば、さすがにマシになるだろう」
と、思っていたファンもいたかもしれないが…2年目はもっと地獄だった。

 

5月末まで調子の上がらない青学コンビと、コロナ離脱で総入れ替え

オリックスはイチローの時代から一貫して、
「主力選手がデリケートすぎて、調子が上がるのが遅い」
という弱点を持っています。

これが、オリックスの歴代監督を悩ませてきた大問題で、
暗黒期でも個人タイトルが取れる名選手がいるのに、チームとしては6月にはもう優勝争いから離脱してる。」
というのが、オリックスの伝統芸能になっていました。

 

この弱点は吉田正尚・杉本裕太郎の2人にも受け継がれて、特に今年はひどかった。
吉田も杉本も5月末まで調子が上がらないし、やっと上がり始めたと思った選手はことごとくコロナ離脱。

日ハム以外には全く勝てず、中でも対楽天戦は5月8日まで、オープン戦入れて8連敗!
吉田杉本の不振が原因の得点力不足は酷く、4月3日〜5月14日まで、40日間も5点以上取れた試合はなし!

 

1ヶ月間ずっと投手陣が首の皮一枚で投手力で踏ん張る展開に…選手も辛かっただろうけど、ファンからも

「息苦しいよ!」

と悲鳴にもため息にも似たツイートがたくさん聞こえてきた。

 

この間、
・山本の連勝記録が仲間の貧打でストップ
・コロナ離脱が多すぎて、ほぼ2軍メンバーで佐々木朗希からノーヒットノーランを食らう
・去年ホームラン王になった杉本裕太郎の打率が、0割台まで落ち込む
など、前年の優勝チームにはあまりにも【ブザマ】【惨め】【グズ】としか言いようのないことがいくつも起こった。

2021年で、「中嶋監督は、後半に帳尻を合わせてくれる監督」と知っていても、耐え難きを耐え、忍び難きを偲ぶ状態が…6月19日までの2ヶ月半間続いた。

 

…そうなのよ!

「オリックスは交流戦は強い」
「いくら立ち上がりが遅いと言われてるオリックスでも、交流戦までにはチームができあがってる」
というのが、例年の流れだったんです。

でも、今年は交流戦に間に合わなかったんですよ…。
それどころか、翌週の西武三連戦カードも負け越したんです。

この辺で、オリックスファンが本気で焦りやあきらめを口にするようになっていました。

「災い転じて福となせる」のが中嶋スタイル

6月19日までの結果だけ見ると…本当に酷かった。

しかも、選手のコロナ離脱も、主力の調整の遅れも…仕方ない部分があるから、「やり場のない怒り」はすごい勢いで溜まっていました。

しかし、そこは中嶋監督。
コロナ離脱して、2軍の選手を使わないといけない状況で、「終盤でも戦える選手」を見つけ出していくのです。

 

これは日本シリーズにも言えることなのですが、

「中嶋オリックスは試合数をこなすほど、データが集まって強くなる」

という特徴があります。(だから、中嶋監督に勝とうと思ったら、電撃戦を仕掛けるしかないのです)

だから、序盤から全力疾走で大逃げをかまそうと楽天と西武が試みたのですが…両方とも息切れしました。
楽天は高齢な選手を序盤にフル稼働させてしまったため、中盤以降に大失速。
西武は辻監督が長年我慢して育て上げたリリーフ陣を全力投入しましたが…さすがに終盤まで持ちませんでした。

 

これらのチームとは正反対に序盤のうちに当落線上の選手を一通り試すことで、
いざという時でも戦えぬけるチーム
を中嶋監督の頭の中で作り込んで、万全の体制で挑むのが中嶋スタイルです。

「負け試合で新しいピッチャーを試したり、万全の体制で挑めない時に意外な野手を出してみたり…」
というのが、オリックスがやって、楽天や西武がやらなかった差です。

ソフトバンクは…うん。
序盤から投手不安が酷くて(甲斐も色々不安定で)、炎上する試合が多かったから、栗原離脱しても優勝争いしてた時点で、よーやっとる。…とぼくは思います。
北九州で17失点の大炎上した辺りは、オリックスと同じぐらいに「おい大丈夫か!?」って思いましたもの!

 

 

「そんなに言うけど…じゃあ、どん底の6月19日までナニをやってたか?」
一軍メンバーが揃わないうちに、今年飛躍しそうな選手を見つけていました

 

1軍ベストナインのコロナ離脱中に、オリックスを支えたのは序盤に活躍したルーキー野口智哉や後半まで大活躍する中川圭太・頓宮裕真でした。
他にも後にピンポイントで活躍をした太田椋や、山足達也もこの時期からチラチラ存在感を見せ始めていました。

この時期に、全く噛み合わない外国人野手に見切りをつけ、(途中マッカーシーを補強した時期もあったが、)基本的には「国産和牛打線」で行く決心を固めたり、復活が待望されていた中川圭太の復活の準備が進められました。

他にも序盤はコロナなどが理由で2軍も経験した若月健矢・その分出場機会が増えた伏見寅威のキャッチャーコンビは、2人ともより盤石になりました。

「若月さんは序盤干され気味だったのに?」
と思うかもしれないが…ここが若月健矢という選手の面白いところなんですね。

若月さんは若いうちから「守りの固い便利なキャッチャー」として起用されすぎたことが災いし、打撃の成長が大幅に遅れていました。
しかし、中嶋政権で2軍暮らし・控え暮らしの時間が長くなると、打撃開眼して、休ませた分だけよく打つようになっていたのです。

伏見さんは伏見さんで、若手時代は伊藤光との競争を勝ち抜けず、「選手として脂が乗る20代後半」に大怪我で泣くことになり、2019・20年は経験不足から大きなミスもしていました。
しかし、今年は失策が大幅減少。今年は致命的なミスが減って、安定した試合が増えました。

 

しかも、今年は若月さんの守備がコロナ離脱と2軍暮らしで鈍ったせいで、一時的にエラーが増加。
一方、伏見さんは元々打撃が売りだと言われてたのに、2年半も出続けたことで攻略され始め、やや鈍化。

若月さんが「打てる捕手」で、伏見さんが「守れる捕手」になるという【君の名は。】現象が起こったりもしました。

 

…おもしろポイントばっか語ってもオリファンしか喜ばないから次行くか。

「山本由伸蒸し焼き事件」を最後に3連敗もしなかった怒涛の追い上げ

5月20日…ここまで負け越しどころか、全敗だった楽天に初めて3タテで、日ハム以外から初めて3連勝をします。

その後・交流戦でも横浜・広島・ヤクルト相手に6連勝し…トータルではダメダメなのですが、5月20日から6月にかけて徐々に温まってきました。

そのまま波に乗るかと思いきや、まさかの6連敗。

その後、6月21日から4連勝すると、8月2〜4日に西武に3タテされるまで、大きな連敗なく持ち直し始めました。

8月2〜4日の3連敗も
「ベルーナドームが暑すぎて、山本由伸が【死にかけた】というほど、蒸し焼きにされる
など、暑すぎて自慢の投手陣が調子を崩して負けるという…どうしようもないモノでした。

 

 

夏のベルーナドームはただでさえ暑さが逃げないため、西武ファンから「サウナ」と呼ばれる劣悪な環境。
西武の選手でさえ夏には熱中症患者を出すのが風物詩みたいになってる場所での試合ですから…オリックスの選手が動けなくなるのも仕方ないことでした。

結果的には、6月8日〜17日までの6連敗以降、3連敗以上したのはこの【蒸し焼き】だけです。

山本由伸でさえ、【蒸し焼き】にされた時は
「せっかく1位が見えてきたのになんで、オリックスだけ夏の西武ドームで6試合もしないといけないんだ!」
と嘆いてましたが…無事乗り切れました。

 

レギュラー争いしながら調子を上げてくるオリックス野手陣&次々と出てくる新たな投手

良く言えば、「層が厚い」
悪く言えば、「絶対的な人が少ない」
という特徴を持つオリックス野手陣。

 

その熾烈なレギュラー争いが、後半になって激化し、数々の名シーンを生み出しました。

(※ここからは、ほぼほぼオリファンが選ぶ名シーン集です。)

 

打撃でアピールする若月健矢と、要求が高すぎる嫁

 

伏見・若月の正捕手争いでは、若月が試合に出られない時期が続くと
「俺を出せー!」
とサヨナラ打を打ってアピール。

今シーズン、子どもが生まれて成績を急上昇させた若月さんは名シーンが多いのですが…中でも一番の名シーンはこのサヨナラ打です。

同じキャッチャーのライバルである頓宮選手がまっさきに駆け寄って抱き合ってるのもエモい!

 

ただ…若月家では、若月選手への要求は恐ろしいほど高く、シーズン中には嫁による書き込みが話題になりました。

活躍している日でも、「全打席打て」とゲキを飛ばす嫁の様子。

 

「時代は山足」が、4年越しで流行る

 

山足達也選手が1日だけ爆発的な大活躍をみせ、名プレー集が作られます。
特に、とっさの判断でセカンドから三塁ランナーをアウトにするシーンは伝説のプレイだから、是非見てほしい

その時に、パ・リーグTVで初めて「時代は山足」というフレーズが使われ、
「オリックスファン(どんな広くてもパ・リーグに詳しい野球オタクまで)しか広まってないスラングが公式のタイトルになった!!」
とファンの間で大盛りあがり。

事情を知る野球マニアが、You Tubeに初心者にも優しい解説を書いています。

あまりにも詳しすぎて、当時はツイッターで共有して…ぼくが書き込んだわけでもないのに、バズりましたね。

優勝してからではなく、Bクラスを漂ってる時代からずっとリアルタイム視聴と、ファンの間のスラングを追いかけてた生粋のオリックスファンの皆さんには頭が下がる思いです。

 

無敵の中川、ついに発見される

中嶋聡監督代行(当時)に
「俺は【無敵の中川】を知っている」
と言わしめた中川圭太選手。

 

2年連続のケガに泣き、2020年に大きなつまずきを経験。
2021年もかつての輝きからは物足りなく、日本シリーズの40人枠に入れませんでした。

レギュラー全員コロナ離脱…という状態の時にあがってくると、徐々に…しかし確実にかつての、いやそれ以上の輝きを取り戻し、ついには規定打席到達で打率5位、CSでのサヨナラ打を決めました。

そして、ファーストはアマ時代から経験があるものの、高校大学の本職はセカンド。
そんな中で、ファーストはもちろん、外野手も身につけて、日本シリーズではフェンス際の難しいボールをスーパーキャッチ!

さらに、シーズンではチームNo.1の盗塁数!

【無敵の中川】とはナニも、バッティングだけじゃないんです。
走攻守全てにわたって、勝利に導く貢献をするスーパープレイヤーだからこそ、贈られた言葉です。

 

そんな中川選手が…発見されました。

 

レギュラー選手のコロナ離脱をきっかけに活躍したのは中川選手だけでなく、時間差で太田椋選手・西野真弘選手が日本シリーズで大活躍したり、シーズン中に頓宮選手がホームランを打ちまくったりするのですが…

 

150キロ超えのリリーフ陣USA(W)が最終盤で大ブレイク

育成からキレのいいストレートを武器にあがってきた防御率0.81、宇田川優希投手(U)
シーズン序盤に先発で結果が出せず、抑えに回ったら大躍進した、山崎颯一郎投手(S)
オールドルーキーから2年目で抑えを任され、防御率は0.61、阿部翔太選手(A)
先発でも抑えでも荒れ放題でファンを不安にさせた後、リリーフでハマったワゲスパック(W)

この4人が、終盤のオリックスを「12球団最強リリーフ」「ストガイ集団」「全員が150キロ超え」と恐れられる軍団を形成しました。

 

とにかく安心感がすごい!
ストレートはだいたい振り遅れるし、フォークのキレもすごい。
しかも、回跨ぎにも対応するタフネス!

なんでこの人が育成で取れたのかがよくわからないような投手。

 

【吹田の主婦】というファンミーティングでの裸エプロンネタで名前だけは有名だった山崎颯一郎投手。

抑え転向して、ペース配分無視のストレート全力投球するようになると…覚醒!

しかも、長年先発で期待された選手だから、やろうと思えば、ロングリリーフもできる。

スピードの割に打たれてしまうことはありますが…オリックスリリーフ陣最速の選手!!

一番、メンタルが優れているのは阿部翔太選手。

宇田川優希、山崎颯一郎、ワゲスパックほどのスピードはないのですが、どんなピンチで出ていっても、しっかり抑えてくる・キレのあるボールを投げ込むその姿は…不安を吹き飛ばしてくれました。

日本シリーズでは、2戦目に同点ホームランを打たれてしまうのですが…切り替えて抑えることで、ヤクルトと5時間の激闘を演じ、引き分けるきっかけを作りました。

身長が198cmもあるので、「2階から豪速球」とまで呼ばれた投手。

先発時代は荒れ放題でムラが大きかったり、変化球がそこまでよくなかったりと、良さを活かせなかった。
しかし、抑えに回ると強いストレートをズバズバ投げ込むスタイルがハマって、日本シリーズで大活躍。

最初のイメージから日本シリーズの最後の最後までヒヤヒヤするファンもいたが…生まれ変わっちゃったんだよ!

 

勘違いしないでよね///別に、オリックスだけにいい選手が揃ってるわけじゃないんだからね(キャルボイス)

ここまで揃うと、
「いいなぁ〜オリックスは才能がある選手が揃っていいなぁ〜」
と思われるかもしれないけど…違うんだよ。

 

中嶋聡監督が
・失敗が許される前半戦で負けながら、
・一度失敗しても再調整後に配置転換して、
・適したポジション、選手へのオーダーを出して
「全員で勝つ」を実践した結果なんです。

 

レギュラーばかり使うチームや、競争を促すチーム作りは確かに王道だと思う。
でも、今の野球は昔よりも球速も上がってて投打ともにけが人が出やすく、感染症による離脱者もいる。

そんな時に、「あらかじめ戦える選手・ベストな起用法を探しておく」という中嶋スタイルは、他のチームがやりきれてないことなので、ものすごくハマった。

 

「去年も今年もギリギリの優勝だったじゃないか」
と反論する他チームのファンもいるかもいれない。

 

でも、追込型監督の中嶋監督に言わせれば、
「ハナ差だろうが、10馬身差をつけようが、一番最初に駆け抜けたやつが優勝なんだ」
という話なのです。

中嶋野球は圧倒的な大逃げ、鮮やかな先行逃げ切りではありません。
しかし、終盤に追込をかけるために、序盤から選手の適性や能力を見極め、細かく情報を集め、試合数を重ねるごとに強くなる野球です。

オリックスのことを報道するメディアが少ないから「神出鬼没」に見えるかもしれない。
でも、注意深く「負け試合もムダにしないで、試行錯誤してる中嶋監督」を見ていたら、最終盤の強さとカタルシス、オリックスからいろんな選手が出てくる理由がわかってもらえるのではないでしょうか?

 

 

おまけ:今シーズン、若月健矢に始まり、若月健矢で締めくくられる

(日本シリーズでの、ヤクルトマクガフのエラーが記憶に新しいですが…)

実は、開幕戦も、十亀選手のエラーが決定打になっています

この時、ボテボテのピッチャーゴロを打ったのが若月さんなのです。

普通、パ・リーグTVでは凡打や選手のエラーシーンで動画を作らないのですが…あまりにも全てが面白すぎて、動画化されて残ってしまいました。(&コレがきっかけかはわかりませんが、今年十亀選手は引退してしまいました。)

緊迫した投手戦でのボテボテのゴロ、実況が言葉を失って絶叫するシーン、十亀選手が追加点防止のカバーも忘れてOTLの体制で落ち込むシーン、なにも知らずに全力疾走する若月さん

その全てがおもしろすぎて、結果的にピッチャーゴロなのに、動画として残ることになってしまいました。

 

でも、CS最終戦も出塁打がきっかけにサヨナラ。(中川のヒットでベースを踏んでるのは若月)
日本シリーズでも、伏見選手が負傷退場したことから、最後の1回だけマスクを被ってフィニッシュ。
などなど「始まりと終わりに関わる男」というよくわからない運を持ち合わせていました。

「パパになったから、幸せいっぱいなんだろう…」
と思ってたら、ビールかけ中に浮気しました(?)

 

「3年目の浮気」という歌があるのですが…結婚を発表したのが2019年の12月。
「仲が良すぎる!?」「浮気!?」と言われた動画が、ギリギリ3年目というのは、これまた面白い。

 

ちなみに、山岡さんと、若月さんは、高校時代からの付き合い(!?)があり、一緒に高校日本代表に選ばれて、(いまヤクルトにいる田口選手と3人で、)ずっとブルペンで控えてた仲です。

プロ入り前からのお付き合い(!?)ということで、山岡さんのヒーローインタビューには若月選手を「ケンヤ」と下の名前で呼ぶシーンもあります。
ジャパンでも、暗黒時代のオリックスでも戦友なので…むしろ先に結婚した山岡さんが浮気した?
むしろ、お互いに嫁に浮気して、ビールかけでよりを戻した?…という、どうにでも解釈できるシーンです。

ほら、キャッチャーのことを「女房役」というから、夫婦みたいなもんなんですよ。(フォローできてるか??)

 

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