「アラフォー営業マン、異世界に起つ」がビジネスマンガとして秀逸!

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「頭を使うなろう(風)ファンタジー」には、いくつか面白いのがあるのですが…また素晴らしい作品見つけてしまった。

マンガの方が当然わかりやすいけど、この作品については「本を読むのが苦手じゃない人は原作を読む」というスタイルも良いかもしれない。
ビジネスや経済を扱った作品として質が高いため、「原作の厳密なニュアンスで読んだ方が面白い」といい人もいるはず。

 

「なろうファンタジーなんて、神様から超人的なスキルをもらって、冒険者として大活躍しちゃうタイプの作品でしょ?」
と思われがちなのですが…この作品はちょっと事情が違う。

主人公には妻子がいるため、働き方が不安定な営業マンにはなりたくないのです。
そうは言っても、異世界転生してきた奇抜な格好をしたよそ者が、変な事を言うから、相手にされないんですけどね…

それどころか、「ウチみたいに大手に営業なんかいらんわ」とバカにされる。

曰く、「大手だと勝手に仕事が舞い込んでくるから、営業なんかいらん」だそうです。

というわけでですね…営業が必要な中小のギルドに就職することになります。

 

…前置きはざっとこんなもんですね。
全体的に読み応えがあるのですが、今回は「これは確かにそうだ」「そうそう、この部分がすごく大事なんだ」という部分を中心に語っていきます。

「断られてからが営業」の真意

「断られてからが営業」
という言葉が私は嫌いだし、しつこい営業をされた経験をお持ちの人も【思い上がるな】と言葉を聞いただけで嫌な気分になると思います。

 

実際、このマンガでも最初から拒絶反応を起こしてる客が登場しています。

一見すると、取り付く島もない相手です。

でも、これは逆にチャンスです。
そもそも、今の取引先に満足していれば、営業マンにそこまでブチ切れることもないのです。
何らかの不利な立場を解決して納得できる取引をしたら、乗り換えてくれるかもしれないのです。

 

よく「断られてからが営業」の意味を履き違える人がいますが…あれは「断られてからもしつこく食いつけ」という意味だけじゃないんですね。(そもそも、しつこすぎるだけだったら逆効果だし…)
断る理由にこそ【本音】【他にも応用できるビジネスチャンス】が埋まってるかもしれない。だから、中途半端なところで切り上げたらいけない
ということもあるのです。

 

このマンガではまさに、そういう【本音】【ビジネスチャンス】が顧客の口から聞けるんです!
そして、話を聞くと、大手と取引しているからこその不満・大手のからくりが明らかになるんですね…。

大手が利益を追求して横暴になると、そこにチャンスが生まれる

そのからくりがこれ。

一見理不尽な契約に見えますが、実在するケースに比べたらまだマイルドな部類です。

このぐらいの理不尽は大なり小なりあります。
大手企業というのはシェアを取ると、利益回収・自分たちだけは損をしないために、動くようになるからです。

結果、消費者と取引先が大手のサービスがどんどん悪くなっていきます。
「セブンイレブンの弁当が値上げ減量された」
「Netflixの値上げが止まらない上に、自主規制も厳しくなった」
「ディズニーランドが何十年もコンスタントに値上げを続けている」
…色々あります。消費者として大手企業を利用し続けていると「昔より割高になった・殿様商売で商品が無難になった」なんて話はよくあるのです。

これは取引先に対しても同じ…いや、もっと過酷です。
もっと実害が出るような報酬の低下・違約金の設定・販促ツールの廃止など色々な問題が水面下では起こっていたりします。

 

消費者や協力企業にはいい迷惑なのですが…
「大手企業ばかり得するルール」
は時に、業界全体の暗黙のルール(酷い時は慣習ではなく法律)になってしまうことがあります。

 

そこで、主人公からこんな話が出てきます。

 

大手には大手の、中小には中小の適切な値段づけ・サービスがありますからね。
業界の慣習や、自社の状況、顧客の求めてるものを見て、柔軟に考えたらいいのです。

 

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QBハウスも昔ながらの床屋さんも、両方必要

わかりやすいのは床屋さんですね。

街の床屋さんの多くは、組合に入っていて、高いお金を取って全てのサービスを行うのが基本です。
逆に、QBハウスのような1000円カットの場合、床屋さんのような顔剃り・シャンプーはしない代わりに、カットだけでお金を稼ぐのです。

一見、QBハウスの方が一部上場企業で、会社としては成功しているのは事実です。
しかし、世の中には組合に入ってる床屋さんも多いことで、QBハウスが入れないような小さな町でも3000円〜4000円取れることで、やっていける床屋さんがあるのも、また事実だったりします。
また、床屋さんが組合に入ると保険や融資などお店を続けるサポートが受けられますから、「日本中に床屋さんが続けられるよう手助けしてる」というのは、あながち嘘でもないのです

 

これはどっちが正解とかじゃなくて、
「街や顧客、従業員ができるサービスに合わせたビジネスモデルを選べばいい」
のです。QBハウスだけになっても、組合の床屋さんだけでも困ります。
他にも「組合には入ってないけど、格安で通常の床屋さんのサービスをする」というお店もあり、実際には無数の選択肢があるのです。

 

もちろん、法律や科学技術の関係で「選択肢が存在しない業種」もあります。
しかし、「慣習」であって、選択肢自体は存在する場合、大手や儲かってる企業のマネをしなくてもいいのです。

 

ここまで大きい話でなくとも、現代人のビジネスは「慣習」や「正解らしきもの」でよく悩みます。

作風自体はなろうファンタジーでありながら、多くの人が悩む問題・わかってくるとビジネス書や経済ドキュメンタリーが面白くなる話を盛り込んできてるのはすごいと感じました。

 

営業マンというより、「異世界で起業する作品」みたいに読んだ方が面白いかも!

私にはこの作中で描かれている人が「営業マン」なのか、わかりません。
そもそも、「営業マン」という広すぎる定義のモノを多くの人が納得する形に落とし込む形に描くことができるかもよくわかりません。

 

しかし、
「チームリーダー、経営者、それらと兼任しているからこそ裁量のある提案型の営業マン」
として、優秀な人物を描いていると感じました。

チームをまとめ直し、
顧客の話を徹底的に聞いたり、
関係修復のために話を整理したり、
社内の詳しい人物の助言を仰ぎながら双方が得する提案(代替案)を考え出す。

営業マンと言っても、ただただしつこいだけの人・モノを売ることしか考えてないから平気で嘘をつく・脅すような輩もいるので…これが営業マンだとも思いませんし、営業マン自体が好きになるきっかけにもなりません。

 

ただ、このマンガを読んでいて
・自分が実際に悩んでること
・悩みに対して実際にやってること
・人に説明したい時に「こう説明すればよかったんだ」と感じる納得の行く答え方
・なにか大事な決断をする時に、自分と他人の置かれた状況を整理するための視点
など、が詰め込まれてて「これはすごい」と1冊1冊に、衝撃を受けました。

だから、ビジネスに興味のある人、新しいことをやりたいけどビジネスの壁にぶつかってる人には是非読んでほしいと思いました。

 

2巻は組織論的な話多め。大塚家具の話とかを知ってるともっと楽しく読める内容

 

3巻は事情をよくわかっていない顧客や、偉い人、あるいは法律で決まってる規制への対処法。
この巻は特にオススメで、社会に出たばかりの時に、事情のわからない顧客や理不尽な偉い人・法律に苦しむことが多いから、新社会人の人が読むと、特に感銘を受けると思います。

 

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青二才は振り向かない
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